三脚魚(さんきゃくうお、英:Tripodfish)とは、ヒメ目チョウチンハダカ科イトヒキイワシ属に属する深海魚の通称である。当記事ではイトヒキイワシの仲間について解説する。
イトヒキイワシの仲間は、他のチョウチンハダカ科の魚と同じく底生生活を行う深海魚だが、海底に寝そべるのではなく、長い腹鰭と尾鰭(そこまで長くならない種も多いが)の三点で海底に「立って」生活するので「三脚魚」と呼ばれている。三脚魚は潮の流れが良い場所を陣取り、流れてくる獲物(プランクトンなど)をじっと待つ暮らしをしている。
海底からある程度離れていた方が多くの獲物が流れる・泳いでくる為、このような進化をしたと考えられている。また、三点で立っているので安定しており少ないエネルギーで静止する事ができる。餌に乏しい深海ならではの進化と言えるだろう。この生態は深海探査技術の進歩によって明らかになったものである。なお、鰭の長さは種によってまちまちなので、どれくらい海底から離れているかは差がある。
胸鰭も特殊化しており、髭のように長い鰭条は潮の流れや餌を感知するレーダーとなっている。代わりに目は退化しておりとても小さい。
ちなみにちゃんと泳ぐことができ、近づいてきた潜水艇から逃げ出す姿が観察されている。が、泳ぎ自体は上手くないようである。
ヒメ目の深海魚にはよく見られる特徴だが、雌雄同体である。少ない繁殖のチャンスを無駄にしない為と考えられている。子供(仔魚)は浅い海で生活する。
魚類のデータベース・FishBaseによるとイトヒキイワシ属(Bathypterois)には2019年8月時点で19種が認められている[1]。全ての種が立派な三脚を持っているわけではない。日本近海には主にイトヒキイワシとナガヅエエソ、オオイトヒキイワシの3種が確認されている。
水深660~900m程で発見されている。体長は25cm程。腹鰭がとても長く、それに次いで尾鰭も長い。鰭は黒く体色も白黒で格好いい。これぞ三脚魚といった魚。
水深500~1,000m程に生息。体長は15cm程。そこまで鰭が長くないのでナガヅエエソと比べると海底にかなり近いがちゃんと三点で立っている。
世界中の熱帯・温帯の海の水深870~4,720m程に生息。大きいものでは体長40cmを超える大型種。
腹鰭・尾鰭の長さが顕著で1mに達することもある。これはイトヒキイワシ属の中で最も長く[2]、海底から最も離れて静止できる。
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最終更新:2024/11/01(金) 08:00
最終更新:2024/11/01(金) 07:00
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