中央公論文芸賞(ちゅうおうこうろんぶんげいしょう)とは、中央公論新社が主催する文学賞。
前身にあたる婦人公論文芸賞、そのまた前身の女流文学賞、さらにその前身にあたる女流文学者賞についても本項でまとめて記述する。
1946年に創設された女流文学者賞がルーツ。戦後の短期間(1946年~49年)だけ存在した出版社・鎌倉文庫が出していた雑誌「婦人文庫」が主催する、女流作家の優れた作品を顕彰する賞として始まり、鎌倉文庫の倒産後は女流作家団体の「女流文学者会」が主催を引き継いだ。
1961年、中央公論社が賞を引き取り、「女流文学賞」としてリニューアル。40年近くにわたって続いたが、中央公論社の経営危機による中央公論新社への移行もあって2000年で終了する。
2001年、中央公論新社が主催する「婦人公論文芸賞」として再出発。対象は「女性あるいは女性に関する問題を中心に据えた作品とその作家。ジャンル・性別は問わない。」とのことで、この時点から規約上は男性作家の作品も対象となった。しかし5回開催して結局5回とも女性作家が受賞、これでは結局女流文学賞と変わらないということでか、僅か5回で再びリニューアルすることになる。
そういうわけで2006年に創設されたのが中央公論文芸賞である。対象は「第一線で活躍する作家のさらなる飛躍、新たな代表作となる優れたエンターテインメント作品を顕彰します。」ということで、完全に男女や内容を限定しない、エンターテインメント全般を対象とする賞となった。そのことをアピールするように第1回は浅田次郎が受賞。
対象が「第一線で活躍する作家」ということで、具体的に言えば既に直木賞を獲っている作家が対象となる。同系統の賞(直木賞を獲ったあとに貰える賞)である柴田錬三郎賞や吉川英治文学賞と比べてもその傾向が露骨で、2018年の第13回までの受賞者15人は全員が直木賞受賞者であった。第14回で初めて芥川賞受賞者である吉田修一が受賞。キャリアのある作家が対象のため、他の同系統の賞と同様に候補作は発表されない。
なおリニューアルごとに完全に別の賞という扱いになっているため、たとえば角田光代は婦人公論文芸賞(『空中庭園』)と中央公論文芸賞(『八日目の蟬』)を両方受賞している。
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最終更新:2024/11/08(金) 16:00
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