医学記事 恋愛や交際に関する相談は家族や友人へ |
恋の病とは、恋愛感情を抱くことに起因する、盲目、動悸、紅潮などを主症候とする疾患である。
恋の病は、多くは思春期以降、恋をした人に見られる精神状態。恋煩い(恋患い)とも呼ばれる。「病」とつくものの異常な状態ではなく、ごく正常な反応である。
異性などに抱いた恋愛感情を起因として発症する。罹患すると、一日中、相手のことを思案したり、相手を目で追ったりするあまり、しばしば周りが見えなくなる。また、相手を前にすると緊張し、動悸や紅潮を引き起こす。これらの症状は個人差が大きく、人によってはさらに重い症状をきたす。
恋の病の対象となるのは身近な人物が多いが、俳優、声優、歌手、アイドル、タレント、アスリートなどの著名人に恋をし、発症する例もある。漫画やアニメの登場人物のような、架空のキャラクターに恋愛感情をもつ人もいる。
性差はあまり見られず、男性と女性どちらも発症する。女性の場合、症状が強く発現することもあり、注意を要する。年齢別では、10~20代の若年者が多いが、高齢者でも発症する例はあり、基本的には誰もが罹りうる疾患である。
また、年度が切り替わった4月以降は、環境の変化・出会いの増加に伴い、季節性の恋の病が増加する。「一目惚れ」と呼ばれる、突発的に発症するケースも存在し、予防や治療は難しい。完治しても再発する危険性がある。
恋に落ちた相手のことを日がな一日考え続け、その人にばかり意識を向けるためか、ほかの人の話が聞こえなくなったり、周囲が見えなくなったりする。そして、理性的・合理的な判断ができなくなるため、恋は盲目と呼ばれる。また、嫉妬深くなる、涙もろくなる、気分が沈みやすくなるなど、感情の制御がうまくできなくなる。
身体的な症状としては、動悸、紅潮、食欲不振(あるいは増進)、睡眠障害などがある。
まれに構音障害(呂律が回らないこと)、躁状態(気分の異常な高揚や支離滅裂な言動)、胸部の苦悶(胸を締め付けるような苦しさや痛み)、振戦(ふるえ)などを訴える患者もいる。
確実な治療法があるわけではない。ただし、命に係わる重い疾患ではなく、付き合っていける疾患である。時間の経過とともに、症状が緩和する傾向があるため、自然に治癒するのを待つのが治療法としては最もスタンダードであろう。思い切って気持ちを伝えてしまう方法もあるが、必ずしも完治するとは限らず、実らなければ悪化することもある。
もし、睡眠障害などの症状が強くあらわれていて、クオリティ・オブ・ライフ(QOL)が損なわれている場合、睡眠薬を処方してもらうなどの対症療法が可能。
なお、恋の病の原因となっている人に会わない、あるいはその人を思い出させるようなものをすべて捨てて忘れようとするなどの原因療法は、かえって症状を激化させるおそれがある。しかし、未練を断ち切る方法としては有効である。
恋の病(恋患い)はあくまで比喩である。繰り返すが、異常なことではなく、ごく正常な反応である。本稿では、いくつか大袈裟な表現を用いているため、鵜呑みにしないこと。
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最終更新:2024/12/27(金) 12:00
最終更新:2024/12/27(金) 11:00
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