東京の大学とは、確かにその通りなのだが腑に落ちない概念である。
学生「東京の大学に通っています!」
東京の大学とは、そのままの通りの意味では「東京都内に本部を構える大学」である。
一般に大学と言えば四年制大学(医・歯・薬・獣医学部は六年制)を指し、短大や大学院は含まれない。大卒相当の学位を取得できる大学校も制度上では含まれない。防衛大学校、防衛医科大学校は志願者も多く大学同等の認知度があるが防衛大は神奈川県横須賀市、防衛医大は埼玉県所沢市にありそもそも東京の大学でもないし制度上の大学でもない。唯一国立看護大学校は東京都清瀬市にあり東京都内ではあるが制度上は含まれない。
「東京都内に本部を構える大学」であるので、東京都外に本部を構える大学は仮に大学名に『東京』が入っていても東京の大学には当てはまらない。千葉県に本部を構える東京基督教大学、東京情報大学、群馬県に本部を構える東京福祉大学である。東京福祉大学は群馬県に本部を構えるが池袋にもキャンパスを設置している。が、制度上では「千葉の大学」「群馬の大学」である。
逆にキャンパスが東京都外にあり在学中一度も東京都内で授業を受けない大学でも東京都内に本部を構える大学であれば「東京の大学」である。湘南藤沢にあるのとか特に。
東京の大学に入ったつもりが卒業まで都外の辺境に飛ばされる悲惨な学生も、まぁ、多い。
さて、東京の大学に憧れを抱き進学を目指し、実際に入学を果たす人は多い。そしてその目的は人それぞれであり千差万別である。そして懇談の場やSNSで「東京の大学に通っています!」と自信満々に語る学生の姿はよく見る光景である。
だが、この姿に何か引っかかるものを感じる人は多い。
その学生が仮に東京大学とか東京科学大学に入学したのであれば恵まれた頭や相当な努力研鑽を重ねて勉学に励んだ誇るべき結果だろう。そうであれば堂々と「東大生です」とか「科学大生です」と名乗ってもいいのではないかと思う人も多いのではないだろうか。ただ、東大生でも理二とか「東京科学大ってなんかFランっぽい名前」といった理由で謙遜している可能性も捨てきれない。
私立大であっても、早稲田大学や慶応大学は上場企業にOBOGも多く同士の連帯感も強い。むしろ名乗った方が就職や昇進でも有利に働くケースは多い。
長期的に見ればちゃんと大学名を出した方が有利になると言えるが、懇談の場やSNSではなぜか「東京の大学に通っています!」と言ってしまう人は多い。なぜだろうか?
東京の大学に入学を果たす人は多い。そしてその目的は人それぞれであり千差万別である。
本音としては、ただなんとなくキラキラした都会の生活を楽しみたいとか渋谷とか新宿とか秋葉原とか下北沢に行きたいとか、ネガティブな理由としては仲が悪い親から離れたい、陰湿な田舎から抜け出したいなど。無気力な理由としては指定校推薦でたまたま東京の大学を勧められ受かった等。それでもちゃんと試験を受けて合格したのだからそれはそれで褒められるべきである。当然4年で卒業すれば万々歳である。
そうした学業が本分ではない理由で謙遜して「東京の大学に通っています!」と言ってしまうのかもしれない。そうなのかな?
日常生活では「東京の大学に通っています!」とは言えるが、就職活動や留学、大学院進学を見据えた場合最終的には履歴書に正式な大学名を書く必要がある。これはいつの時代も変わらない。
「東京の大学に通っています!」「具体的には?」「と……東京大学!」とうっかり言った場合、本当に東大生でなければ学歴詐称になってしまうので注意しなければならない。
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最終更新:2025/12/10(水) 21:00
最終更新:2025/12/10(水) 20:00
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