機動戦士Ζガンダム 単語

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キドウセンシゼータガンダム

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君は、ときを見る……


機動戦士Ζガンダム』とは、サンライズ制作ロボットアニメである。
機動戦士ガンダム』の続編(ガンダムシリーズ第2作)で、前作から7年後となる宇宙世紀0087~0088年の「グリプス戦役」を描く。「Ζ」は「2」の見立てでもある。

監督 富野由悠季
キャラクター
デザイン
安彦良和
音楽 三枝
制作 日本サンライズ
製作 名古屋テレビ
日本創通エージェンシー
サンライズ
話数 50話

TVシリーズ1985年から1986年にかけて放映され、2005年から2006年TVシリーズ映像と新規カットから構成される劇場版三部作が開された。

タグは「Zガンダム」と記入されることが多い。

概要

富野由悠季監督が『1stガンダム』から本作までの7年間に手掛けてきたロボットアニメ伝説巨神イデオン戦闘メカ ザブングル』はここではノーカン聖戦士ダンバイン』『重戦機エルガイム』で培ったエッセンスの集合体──あるいはキメラと言ってもいい作品。

ストーリーを端的に言い表すと「複雑かつ重苦しい(々しい)」。『1stガンダム』も十分重苦しいと言えば重苦しいのだが、戦場に駆り出された少年兵たちの苦楽を中心としたわかりやすい形の作劇だったのに対し、本作は組織内/間の「大人政治的駆け引き」が序盤から濃密に描かれており、流し見していると話の筋がわからなくなって「今何してるんだっけ?」ということになる。敵味方の対立構造も『1st』の地球連邦vsジオンという単純な構図から「ティターンズティターンズ連邦軍」vsエゥーゴ&協力組織」という複雑な内戦構造に移行し、そこに中盤以降は第三勢力アクシズも加わる三極構造となってますます複雑になる。

主人公カミーユを中心としつつ、どいつもこいつもエゴむき出しなキャラクター達を群像劇的に描いたシナリオが強い。前作では終盤から盛り込まれた「ニュータイプの常人離れした感性」が序盤から全開で、キャラの心をより深く考えないと行動原理が把握しづらい展開が続く。ガス大量破壊兵器コロニー落としによる大量虐殺(未遂も含む)も序盤から満遍なく描かれ、個人レベルでも序盤の10話くらいまでは毎週のようにかが殴られたり殴ったりするシーンが入り、その後も何かと暴力シーンが挿入される。また、前作から続投するキャラクター達には「わかりやすい活躍」は用意されておらず、それぞれの苦悩に揺れ続ける「枯れた英雄」的な展開が展開される。中盤以降は戦乱の深刻化によってどんどん暗いムードに代わっていき、トドメとばかりに、最終回余りに救いがない結末で終わる。完結は続編の『機動戦士ガンダムZZ』に持ち越しとなる。

戦闘シーン作画と演出は『1st』から較にならないほどパワーアップ。当時の流行の「可変機」も多数導入されているが、非可変機のギミックも細かく、十分に魅せてくれる。反面、殺陣の構図はすこし冗長化している。特に接触通信を使わせるため、やたらとMSで組み付きに行く点はネタにされる。
エルガイム』で富野監督に見いだされた永野護を始め、後のメディアでも活躍する新鋭メカデザイナーたちが生み出した、時代を感じさせないデザインセンスMSロボットアニメファンの間で今なお高い評価を集めている。あまりに独創的なマシンが勢力問わず登場したため、ぱっと見での所属識別が困難になり、カオス感を助長している面もあるが……。

放映中・終了後暫くの間は、前作とべた「コレジャナイ感」の大きさ故に評価は芳しくなかったが、『ΖΖ』の前半が本作と正反対のコミカル路線だったことも相まってか、時が経つにつれて再評価されていった。21世紀以降は多数のゲーム作品への出演や、新訳版(後述)の開も相まって更に再評価が進み、現在に至るガンダムシリーズの基礎となった作品」として認識され、一つの古典的存在となっている。

新訳「Zガンダム」

機動戦士ガンダムSEED DESTINY』と同時期の開となった劇場版三部作『A New Translationでは、大まかなあらすじTV版と変わりはないものの、結末が変更されている。TV版の旧作画と新規作画が混在しているが、新規作画クオリティぶっちぎりで高く、以降のスーパーロボット大戦シリーズなどでの客演時にはこの新訳版作画デザインが元にされることが多い。

ちなみにこちらの結末だと『ガンダムZZ』には繋がらなくなるが、これについての公式明は特に出されていない。

あらすじ

ジオン公国地球連邦政府の「一年戦争」は、ジオン敗北で幕を閉じた。連邦政府スペースノイド(宇宙移民者)に対する支配を強め、連邦軍ではジオンの残党狩りを行うエリート部隊ティターンズが設立された。
だが、軍内部における特権を与えられたティターンズは次第に増長し、一般のスペースノイドへの武力行使も厭わないようになっていった。これを良しとしないスペースノイド連邦軍人は、宇宙拠点とする企業と協力し、旧ジオン残党をも取り込んだ反地球連邦組織エゥーゴを結成した。

一年戦争終戦から7年後の宇宙世紀0087。ティターンズサイド7のコロニー「グリーンノア2」、通称「グリプス」の要塞化を進めると共に、新ガンダムMk-IIテストを行っていた。
ティターンズ兵と暴行沙汰になり拘留されていた「グリーンノア1」の学生カミーユ・ビダンは、エゥーゴガンダムMk-II強奪作戦混乱に乗じて脱走。墜落したMk-IIに衝動的に乗り込み、エゥーゴに協力する。

エゥーゴと共に各地を転戦することになったカミーユは、最新鋭機Zガンダムを受領してエースパイロットとして活躍していくが、熾な戦いの中で心をすり減らしていく。更にはザビの正当血統を掲げ、火星の向こうの小惑星帯に潜んでいたジオン軍残党「アクシズ地球圏に帰還し、エゥーゴティターンズ戦闘に介入。混迷を極める戦場の果てに、カミーユは何を見出すのか。

用語

主な登場人物 

カミーユ・ビダン - 飛田展男
主人公。悲惨な環境で、怒りっぽい上に理屈っぽい難儀な性格に育った少年。人々と交流するうちに、素直で他人への共感性も高い根の性格が出てくるが、それが新たな悲劇を生むことになる。
クワトロ・バジーナ - 池田秀一
エゥーゴの中心メンバー。その正体は第一話からばらされているがシャア・アズナブルである。カミーユとは互いに刺し合う、父親とも兄弟とも違う、独特の名コンビとなっていく。

エゥーゴ・カラバ

ブライト・ノア - 鈴置洋孝
1年戦争英雄力を危険視され定期便のキャプテンに左遷されていたが、後にエゥーゴに参加し、巡洋艦アーガマの二代艦長になる。
エマ・シーン - 岡本麻弥
ティターンズ女性パイロットだったが、組織の横暴を知りエゥーゴへ脱走する。カミーユとは時にぶつかり、時に助け合う、年上の戦友となる。
コアロン- 勝生真沙子
MSパイロットもこなすエゥーゴ工作員クワトロとは浅からぬ関係だが、自分の都合を優先する彼に滅し、ある行動に出る。
ファ・ユイリィ - 松岡ミユキTV版)新井里美劇場版
カミーユ幼馴染。両と生き別れた後にエゥーゴに保護され、MSパイロットとなる。
カツ・コバヤシ - 難波圭一TV版)浪川大輔劇場版
ホワイトベースの一員で、現在ハヤト・コバヤシの養子となっている。根はまっすぐでいいなのだが、カミーユに負けず劣らずのきかん坊で、何かとトラブルの種になる。
ヘンケン・ベッケナー - 小杉十郎太ナレーター兼任)
エゥーゴの幹部でアーガマの初代艦長。ブライトに職を譲ってからは戦艦ラーディッシュの艦長となり、アーガマと名コンビで戦い抜く
レックスフォー- TV版)石井康嗣劇場版
エゥーゴリーダーカミーユの才に着し、エゥーゴに引き入れた本人。
アムロ・レイ - 古谷徹
1年戦争英雄力を危険視され、北事実上の軟禁生活を強いられている。

ティターンズ

ジェリド・メサ - 井上和彦
ティターンズパイロットカミーユと暴行沙汰になったことをきっかけに転落人生を歩む。
カクリコン・カクーラー - 戸谷公次
ティターンズパイロットジェリド相方
ロザミア・バダム - 藤井佳代子TV版)浅川悠劇場版
オーガス研究所の強化人間1年戦争で負ったトラウマを利用され精神を支配されている。初めはティターンズパイロットとして現れるが、後に潜入工作員として再調整され、アーガマに乗する。
フォウ・ムラサメ - 島津冴子TV版)ゆかな劇場版
ムラサメ研究所4番ナンバーフォウ)の強化人間記憶を操作されており、それを取り戻すことを条件にティターンズに協力する。カミーユと出会い、しばしの交流を持つが……。
ヤザン・ゲーブル - 大塚芳忠
野獣のような感性を持つティターンズパイロットカミーユらの前に幾度も立ちふさがる。
ジャミトフ・ハイマン - 池田勝TV版前半)西村知道TV版後半)
ティターンズの総帥。
バスク・オム - 郷里大輔
ティターンズ総司令官底したアースノイド至上義者で非人作戦を用いることも厭わない。
パプテマス・シロッコ - 島田敏
木星帰りの男」。ティターンズに協力するニュータイプで、ゲーム感覚で戦争に介入する。

アクシズ

ミネバ・ラオ・ザビ - 伊藤美紀TV版)本亜劇場版
ネオ・ジオンの総帥。ドズル・ザビでザビ最後の血統者。
ハマーン・カーン - 榊原良子
ミネバ摂政を務める、ネオ・ジオンの実質的な導者。ニュータイプの女傑。

主なメカ

本作で初登場する機体のみ記載。
テレビ版ではプラモデル企画MSV」の機体が、劇場版では「0083」の機体がゲスト出演している。

序盤はエゥーゴティターンズ連邦正規軍で運用機体がダブっている上、連邦軍が旧ジオン系のMSを多く使い、本来ジオン系のエゥーゴジムに似た新機を投入するため、敵味方の判別をややこしくしている。更にティターンズはその権力を生かし、下の組織から試作機をどんどん提供させていく。様々なデザインメカが入り乱れるカオス戦場も、本作の魅力の1つ……かもしれない。

エゥーゴ

カラバ

ティターンズ

地球連邦正規軍

アクシズ

主な楽曲

Ζ・刻を越えて - 前期オープニング
歌:鮎川麻弥 / 原作詞・作曲ニール・セダカ / 日本語作詞井荻麟 / 編曲渡辺博也
水の星へ愛をこめて - 後期オープニング
歌:森口博子 / 作詞:売野勇 / 作曲ニール・セダカ / 編曲馬飼野康二
星空Believe - エンディング
歌:鮎川麻弥 / 原作詞:フィリップ・コーディ / 日本語作詞知子 / 作曲ニール・セダカ / 編曲渡辺博也
ハッシャバイ - 第13話挿入歌
歌:間里美 / 作詞井荻麟 / 作曲井上忠夫 / 編曲宮川泰
銀色ドレス - 第20話挿入歌
歌:森口博子 / 作詞井荻麟 / 作曲編曲馬飼野康二

特に「ガンダム姉さん」と呼ばれるきっかけとなった森口氏の代表曲「水の星へ愛をこめて」は、ガンダムシリーズ主題歌人気投票では必ず上位に顔を出す名曲として知られる。

セダカ氏提供の楽曲は権利問題がややこしいらしく、特にOPの2曲は配信サイト開時には差し替えられることも多い。


Metamorphoze 〜メタモルフォーゼ- 『を継ぐ者』オープニング
君が待っているから(Remix ver.)- 『星継ぐ者』エンディング曲
mind forest - 『人たち』エンディング
Love Letter - 『星動は第1エンディング曲
Dybbuk - 『鼓動』第2エンディング

劇場版は大のガンダムファンで知られるGacktが、以上全曲の作詞作曲・歌唱を担当している。


艦隊戦
モビルスーツ
作曲三枝TV版放送時は三枝成章)

各話リスト

第01話 ガンダム 第26話 ジオンの亡霊
第02話 旅立ち 第27話 シャアの帰還
第03話 カプセルの中 第28話 ジュピトリス潜入
第04話 エマの脱走 第29話 サイド2の危機
第05話 と子と… 第30話 ジェリド特攻
第06話 地球圏へ 第31話 ハーフムーン・ラブ
第07話 サイド1の脱出 第32話 モビルスーツ
第08話 の裏側 第33話 アクシズからの使者
第09話 新しい 第34話 宇宙(そら)が呼ぶ
第10話 再会 第35話 キリマンジャロ
第11話 大気圏突入 第36話 永遠のフォウ
第12話 ジャブロー 第37話 ダカールの日
第13話 シャトル発進 第38話 コアの気配
第14話 アムロ再び 第39話
第15話 カツの出撃 第40話 グリプス始動
第16話 い闇を抜けて 第41話 覚め
第17話 ホンコン・シティ 第42話 さよならロザミィ
第18話 とらわれたミライ 第43話 ハマーンの嘲笑
第19話 シンデレラフォウ 第44話 ゼダンの門
第20話 灼熱の脱出 第45話 からくるもの
第21話 ゼータ鼓動 第46話 シロッコ立つ
第22話 シロッコの眼(め) 第47話 宇宙(そら)の渦
第23話 ムーン・アタック 第48話 ロザミアの中で
第24話 反撃 第49話 生命(いのち)散って
第25話 コロニーが落ちる日 第50話 宇宙(そら)駆ける

劇場版第1作『を継ぐ者』は1話から14話まで、第2作『人たち』は32話まで、第3作『鼓動』は最終話までの再構成版になっている。

大まかな各話のネレ・クリックまたはタップで展開

○○編という呼称は公式ではないのでご了承あれ※

1~5話
旅立ち編
衝撃の「ガンダム」、衝撃の「キレる若者」で幕を開ける『Ζ』。虐待されるブライトテロリスト並の外道作戦に出るバスク、崩壊するビダン、そして横行する暴力。初っ端からティターンズの非をこれでもかと見せつける、余りに陰惨なプレリュード
6~10話
緒戦編
徐々に化するエゥーゴティターンズの内戦。新たにMk-カミーユを載せたアーガマサイド1方面からへ向かう。暴力は相変わらず横行している。
庭崩壊の反動か、実戦慣れしてきて増長するカミーユだったが、軍隊の現実を前に強な「修正」を喰らうことに。後に大きな敵となるシロッコもチョイ役で初登場。資本主義の犬たるエゥーゴの世知辛い内情も描かれる。
11~13話
ジャブロー
エゥーゴはかつての連邦軍本部・ジャブローを強襲する。かつてアムロ達が守ったジャブローが敵地となり、いよいよ前作との相違が際立ってくる。前作から本作までの間をつないだ『MSV』の機体群も多数登場。やられ役だけどネ。これが若さか」はここ。
14~20話
アムロフォウ
宇宙帰還をし北香港を巡るカミーユは、2人のキーパーソンと出会う。7年間の閉に苦しんだアムロの再起と、第2のララァ・スン予感させるフォウカミーユ切ない恋物語られる。ハヤトカツミライ達旧ホワイトベースクルーも続々登場。
21~25話
面攻防編
ここからしばらく話の大筋がなくなり、宇宙で小競り合いの小エピソードが続く。新Ζガンダム地味に登場。一方ティターンズも一大反抗「アポロ作戦」をしれっと発動。エゥーゴ導部にもさりげなく震が走る。見せ方があっさりしていて盛り上がりが……。ギッスギスが続きまくるアーガマ艦内と、シロッコに揉まれるジェリドの苦闘もが痛い。
26~30話
ティターンズ猛攻編
アポロ作戦に続き各地で反転攻勢に出るティターンズと、防戦するエゥーゴの小競り合いが続く。シロッコティターンズ内で存在感を高めていく一方、遂にジェリドに破局が訪れる。
31~34話
アクシズ
地球圏に帰還したアクシズ軍に先に接触するため、アーガマドゴス・ギア隊が火を散らす。かつての「ジオン公国」そのもののアクシズ内部のインパクトが絶大。ついでにクワトロ女性遍歴のマズさも露呈し、レコアには見限られ、初登場のハマーンとも速揉めることに……。「サボテンを付けている」はここ。
35~38話
アフリカ
カラバによるティターンズのキリマンジャロ基地攻撃、そしてダカール演説カミーユシャアが己の運命と向き合う、結構強引に地球に降下した後とは思えない、物語最大の転機となるパート
劇場版ではフォウシナリオ変更の都合、まるまるカットされてしまった。
39~42話
グリプス2編
追い詰められてきたティターンズはその悪さをむき出しにし、これまで以上の蛮行に走る。アーガマは遂に完成した移動要塞・グリプス2の対応に追われる一方、久しぶりの登場と思ったらえらく特殊なキャラ付けとなったロザミアの対処にも苦慮する。
こちらも劇場版ではロザミアシナリオ変更に伴い、カットされてしまったパートである。
43~48話
三つ
いよいよ消耗がしくなってきたエゥーゴティターンズは、アクシズ軍を取り込もうと画策する。シロッコハマーンの陰謀が交錯し、グリプス2の所有者が次々と入れ替わって状況判断が複雑になってくるパートである。レギュラーメンバーの死者も続出し、物語は佳を迎える。
49・50話
最終決戦
沢山の、あまりにも沢山の生命が散った。体を通して出る力に己が身を任せ、カミーユゼータ宇宙駆ける

関連動画

音楽系

関連項目

ガンダムシリーズ映像作品)
1st - Z - ZZ - V - G - W - X - - - SDGF - 種運命 - 00 - 三国伝 -
AGE - BF - Gレコ - BFT - 鉄血 - BD - BDR - 創傑伝 - SDWH - 水星 - 
GQu6X
CCA - F91 - 0080 - 0083 - 08 - G-SAVIOUR - EVOLVE - IGLOO - STARGAZER - UC -
GPB - ORIGIN - サンダーボルト - Twilight AXIS - NT - 閃ハサ - ドアンの島 - 
種自由 - 復レク
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