『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』とは、角川スニーカー文庫より発売されたガンダムシリーズの小説作品、及びそれを原作とした劇場用アニメ作品である。
通称『閃ハサ』。筆者はガンダムの生みの親・富野由悠季。
概要
1989年~1990年に角川スニーカー文庫から文庫本全3巻で刊行された。連邦軍人ブライト・ノアの息子でありながら、反連邦活動に身を投じたハサウェイ・ノアを主人公に据え、その悲壮な戦いを描いている。
映画『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』の続編的性質を持った作品だが、細かい部分は同作品の初期稿を元に書かれた小説『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン』の内容と繋がっている(このため映画版しか知らない人が読むと細部の展開に「?」となることがある)。
舞台は『逆シャア』から10年ほどが経過し、アムロ・レイやシャア・アズナブルが過去の存在となった宇宙世紀100年代に移る。『機動戦士ガンダム』から続いてきた連邦vsジオンの戦いも終わった後、本格的に連邦政府が腐敗・弱体化していく初期の時代である。
富野氏が執筆した作品である事から、アニメ作品と同様に「サンライズ公式作品」と認識されており、各サンライズ準公式媒体の漫画の年表やゲームにも一部設定を変えて登場していた。ただ、当時のガンダムシリーズがアムロやシャアの影響を受けない方向の展開を広げていた……ためかはわからないが、なかなかアニメ化には恵まれなかった。書き下ろしメカデザインが手書き度外視の複雑さだったり、シナリオ自体も商業アニメの原作としては癖が強すぎたりと、アニメ化自体が難しい作風故に、ファンの間では長年冗談交じりに「映像化は不可能」と評されていた。後年の劇場アニメ化に際しても富野氏は『自分が書いたのは小説であって、映画をやるんだったらちゃんと映画的な構成にしろ』とスタッフに注文をつけたらしい。
ニコニコ動画では、2000年のゲーム化後、2021年のアニメ化より前に投稿されたゲームのプレイ動画や手描きMADが人気を博しており、本作の根強い人気が窺える。
本作は、小説版・ゲーム「Gジェネレーション」版・アニメ版のそれぞれで、設定やメカデザインが異なる。
ゲーム『GジェネレーションF』参戦にあたって機体デザインや設定が改変され、このデザインがゲーム媒体や漫画媒体では元となっていた。劇場版では小説版とGジェネ版(及びその追補設定)を擦り合わせる形で設定・デザインにさらなる変更を加えている。
ストーリー
宇宙世紀100年代、人類は幾度かの世代を重ね月軌道圏までを生活圏としている、そんな時代。
地球連邦政府高官をはじめとする特権階級は地球への再移住を進める一方、連邦政府は刑事警察機構に統括される武装警察(マン・ハンター)を動員して地球居住者を弾圧。強引な逮捕と宇宙送還の過程で、おびただしい数の死者が出ていた。
そのような情勢下に置いて、「マフティー・ナビーユ・エリン」を名乗る反地球連邦政府組織は政府に対し「特権階級も含めた全地球居住者の宇宙への移民」を要求する声明を発表し、政府高官をモビルスーツを使って次々に暗殺していった。
マフティー掃討戦指揮の辞令を受けた地球連邦軍大佐ケネス・スレッグは、地球降下の為に搭乗したシャトルにおいて、異常な洞察力を披露する少女ギギ・アンダルシアと、植物観察官候補生で猫背の青年ハサウェイ・ノアに出会う。
マフティーを騙る一味によるシャトルハイジャック事件を潜り抜け、互いに友情を感じるようになるケネスとハサウェイと、その間を漂うギギ。だが、2人の男にはお互いと戦う運命が待ち受けていた。
本作(小説版)と他媒体の宇宙世紀作品の相違点
先述した通り、本作は劇場版『逆シャア』ではなく小説『ベルトーチカ・チルドレン』(角川書店刊)の続編となっている。この為「ハサウェイがクェス・パラヤを誤って殺めてしまった」という設定が物語の骨子となっている。
徳間書店刊の小説版『逆シャア』が2002年に『機動戦士ガンダム ハイ・ストリーマー』として復刊された際の富野氏インタビューの中でも「劇場版のプロット(=ハイスト版のプロット)と本作には物語的なつながりはない」と言及されている。
ただ、少なくともサンライズ公式としては、他の作品との設定不整合はひとまず置いておいて、本作の一部は宇宙世紀シリーズの本伝として扱う認識だったようだ。サイバーコミックスやMS SAGAで連載されていたガンダムF90やシルエット・フォーミュラが90年台にデンゲキコミックより単行本として発売された際、付属している宇宙世紀公式年表には、宇宙世紀104年もしくは105年に本作の事件が起きたと記載された。また、ゲーム『GジェネレーションF』にはキャラクターとMSを再デザインして登場し、これ以降は公式作品と同等の扱いで多数のゲームに参戦、立体商品化も行われている。
2011年に劇場版『逆襲のシャア』がBlu-ray化した際、映像ソフト付属ブックレットの年表にも本作の事件に関する記載が掲載されたほか、ガンダムエース誌上の漫画でも本作の事件に言及し、本作のMS(メッサー)が端役ながら描かれた例がある。アニメ版『機動戦士ガンダムUC』にも本作のMS(グスタフ・カール)がデザインを変え登場している。
そして2021年、正式に劇場版『逆襲のシャア』の続編として、細部の設定を修正した劇場アニメプロジェクトがスタートした。
作中用語
- マフティー・ナビーユ・エリン
- 反地球連邦政府組織(秘密結社)。組織名と、組織のリーダーの名前が、同じマフティー・ナビーユ・エリンである。作中では「マフティー」、「マフティー・エリン」と略される事も多い。
宇宙移民法の例外規定を撤廃し、全ての人類を宇宙に上げることを連邦政府に要求しており、各地でモビルスーツ(MS)によるピンポイントな要人暗殺を繰り返している。物語開始時点で活動本格化から1年ほどであり、暗殺した要人は10人を超える。
- キンバレー部隊 / キルケー部隊
- マフティーに触発された反連邦活動の抑止も兼ねて、マフティー掃討戦のために組織された地球連邦軍部隊。ダバオ空軍基地(現フィリピン・ミンダナオ島)を拠点とし、同空軍基地司令が兼任で指揮を執る。当初はキンバレー大佐の指揮下にあるが、ケネス大佐との交代に伴い改称される。
なお、物語開始時点でキンバレー大佐は直率の部隊を率いて遠征中だが、この遠征部隊は「キンバレーの部隊」等と呼ばれ、本隊とは区別される。ややこしい……。
- オエンベリ軍
- オーストラリア・オエンベリ市に集結した反連邦政府市民軍(の、便宜上の呼称)。勢力としては弱小のため、マフティーを詐称してアピールを行っている。
- アデレード会議
- オーストラリア・アデレード市で開催が予定されている、地球連邦政府の法案審議会議。「政府が認可した者以外の地球居住を原則禁じる」法案の可決が見込まれており、マフティーが開催阻止を画策している。
出席予定の政府高官が次々と地球へ降下を始めているが、中国・コワンチョウ(広州)での振り替え開催計画も持ち上がっている。
- マン・ハンター
- 地上の不法居住者の逮捕と宇宙への強制送還・送致を業務とする武装警察組織。わかりづらいが連邦軍とは別組織である。貧弱な規模に見合わない成果を目指した結果、暴力的な活動を繰り広げ、民衆から目の敵にされている。劇場版では軍から払い下げられたMSを対人制圧用に運用しているなど、より悪辣さがパワーアップしている。
本作に先立って発表された富野氏の小説『ガイア・ギア』にも登場しており、そちらでの略称「マハ」で呼ぶファンもいる。また、本作から20年後に発表された福井晴敏の『機動戦士ガンダムUC』にも同名の部隊が登場しているが、そちらは連邦軍の特殊部隊であり、本作のマハとは無関係。
主要登場人物
主人公たち
- ハサウェイ・ノア / マフティー・ナビーユ・エリン
- CV:佐々木望(GジェネFなどゲーム作品)/小野賢章(劇場版)
- ブライト・ノアとミライ・ノアの息子。表向きは植物監査官候補生として実地研修中の身だが、裏では「マフティー・ナビーユ・エリン」として、組織の表向きのリーダーを務める。
『逆シャア』からのオリジナルキャストである佐々木は、小野に交代した劇場版においてはゲイス・H・ヒューゲスト役の他、過去の回想のハサウェイの演技を担当している(ライブラリー流用ではなく新録)。
- ギギ・アンダルシア
- CV:林原めぐみ(GジェネF)/川上とも子(Gジェネ魂・ギレンの野望)/上田麗奈(劇場版)
- 今作のヒロイン。保険会社の創業者である大富豪・バウンデンウッデン伯爵の専属愛人。
その立ち居振る舞いや未来予知、ウソを見抜く洞察力など、ハサウェイにニュータイプであったクェス・パラヤの面影を想起させ、強く意識される。また、周りの陣営に幸運を次々ともたらすというとんでもない力を持っており、それを感じ取ったケネスは彼女を隣に置きたがるようになる。ギギ本人も、そんな2人の男の生き様を見届けようと、戦場を渡り歩くようになる。
- 小説版では東洋系・ラテン系の血が混じっているような記述があるが、劇場版では純血アングロサクソンの金髪白人として描かれている。
- ケネス・スレッグ
- CV:立木文彦(GジェネF以降)/大塚明夫(サンライズ英雄譚)/諏訪部順一(劇場版)
- 地球連邦軍大佐。もとはコロニーと月で新型MS開発の指揮を執っていたが、キンバレー部隊司令着任の辞令が下りたため、地球行きのシャトル『ハウンゼン』に搭乗する。ハサウェイとギギとはその際に出会い、不思議な友情を築いていく。軍人としてはとにかく苛烈で手段を択ばない鬼司令だが、一方で自分の女を平然と基地に連れ込んだりする、いろんな意味で危険な男。本人も職務には忠実ながら、連邦政府の腐敗やマンハンターのやり口は好まず、思想的にはマフティーに理解を示している。
乗馬鞭がトレードマーク。ゲームでは若々しい容姿に反して声が渋い。小説版イラストやゲームでは金髪白人で描かれていたが、劇場版では黒髪に浅黒い肌と大幅に変更されている。
マフティー関係者
- クワック・サルヴァー
- マフティーのスポンサーであり、黒幕。アナハイム社と連邦軍に深いパイプを持ち、補給確保に関して天才的能力を持っている以外、正体不明。ケネスは「閣僚か官僚のトップの中で、一番良質な頭を持っていて短気な奴」=現在の政府・軍の主流派を排除したい急進派の高官ではないかと推測している。
- ガウマン・ノビル
- CV:竹村拓(Gジェネ)/津田健次郎(劇場版)
- 連邦軍崩れのパイロット。30代。大義の為には多少の民間人の巻き添えは苦にしないダーティーな男。ハサウェイのダバオ離脱を援護しようとするが……。
- ケリア・デース
- CV:早見沙織
- 支援連絡員。ハサウェイが地球で療養している際に知り合ったガールフレンドで、マフティーに加入した彼を追って自らも活動に身を投じた。しかし組織の中心人物として祭り上げられ、本人もその役目に殉じようとするハサウェイとの「ズレ」は広がりつづけ……。
- アマダ・マンサン
- (恐らく大学の)植物学教授。ハサウェイの教官だが、実はマフティーのシンパ。ハサウェイをクワック・サルヴァーに仲介し、以降の活動の隠れ蓑になっている。
劇場版では「アマダらしき男(CV:田所陽向)」名義で登場。
地球連邦関係者
- レーン・エイム
- CV:橋本晃一(GジェネF)/水島大宙(Gジェネ魂以降)/斉藤壮馬(劇場版)
- キンバレー部隊(キルケー部隊)所属のパイロット。中尉。開発中からペーネロペーのテストパイロットを務め、ケネスに先んじる形で地球に降下した。一応22歳だがケネスらを「大人」と呼んで反発する、負けん気にあふれたまっすぐな男。
原作と劇場版では強化人間。一方で一部ゲームでは天然のニュータイプという設定となっている。劇場版では愛機を「ペネロペー」と呼んでいる。
- キンバレー・ヘイマン
- CV:奥田隆仁
- キンバレー部隊の(前)指揮官。大佐。文官上がりで実戦経験の無さを差し引いても有能とは言い難い人物で、ケネスとの交代が決定していた。左遷前にせめて功績を上げようとオエンベリ軍の掃討作戦に乗り出すが……。
- ブライト・ノア
- CV:鈴置洋孝(劇場版以前)/成田剣(劇場版)
- 第十三独立艦隊旗艦ラー・カイラム艦長。大佐。キルケー部隊の支援命令を受け、地球に降下する。
死んでいった部下達の死を無駄にしない為に政界進出を考えているが、退役願いは却下され続けており、今回の任務を除隊との交換条件として受諾した。退役後は、まずはロンデニオンコロニーで短期間レストランを経営して、市井の生活を学ぼうと考えている。
- ハンドリー・ヨクサン
- CV:山寺宏一
- 刑事警察機構長官。即ちマン・ハンターのボス。冷徹な仕事人で、ケネスに政治パフォーマンスの一環として軍とマハの共同作戦を持ち掛ける一方、軍上層部に実戦経験豊富な指揮官としてブライトの派遣を提案する。
- ハイラム・メッシャー(保健衛生大臣)
- CV:川口啓史
- 地球連邦政府の官僚。物語冒頭のシャトル「ハウンゼン」ハイジャックに巻き込まれた際、不用意にかぼちゃマスクに交渉を持ち掛けてしまい……。
その他登場人物
- ファビオ・リベラ
- CV:望月健一(Gジェネ)/安元洋貴(劇場版)
- オエンベリ軍のリーダー。確かなカリスマ性を持つが、戦略面ではマフティーに一歩劣る。
- ハイジャック犯(かぼちゃマスク)
- CV:新祐樹
- オエンベリ軍の一員で、ハウンゼン占拠部隊のリーダー。この部隊は様々なパーティーマスクで素顔を隠しており、彼はハロウィン用のかぼちゃマスクを被っている。マフティーを騙り、乗客を人質として地球連邦軍から軍資金を得ようとしていた。
劇場版第1作の公開後、かぼちゃマスクをかぶって踊る海外男性の(本作とは全く関係ない)動画と彼を組み合わせたMADがバカ受けした結果、高い知名度を誇る名物キャラになってしまった。
- メイス・フラゥワー
- CV:種﨑敦美
- ハウンゼンの客室乗務員。ハイジャックに巻き込まれた後、乗員だったケネスからアプローチを受け、アデレード会議のアテンダントに転属して彼の元に赴く。
- タクシー運転手
- CV:本多新也
- ダバオ在住の一般アースノイド。マン・ハンターから遠ざかろうとするハサウェイをタクシーに乗せた。その際の何気ない会話が、ハサウェイの精神を揺さぶる。
- クェス・パラヤ
- CV:川村万梨阿
- かつてハサウェイが惹かれた少女。故人。本作は『ベルトーチカ・チルドレン』の続編となるため、「シャアの反乱」時にハサウェイ自身が彼女を誤射し、死に至らしめている。現在もハサウェイの癒えることない傷として残っており、脳内で彼女の亡霊に責められる幻想に悩まされている。
ハサウェイが手を下さなかった劇場版でも、彼の強烈な無力感を象徴するトラウマとなっている。ハサウェイの中には彼女の残留思念……というより彼が自分の意見を代弁させている仮想人格としてのクェスが存在しており、度々「会話」している。
- アムロ・レイ
- CV:古谷徹
- 「シャアの反乱」で死亡したとされる伝説のパイロット。小説版では「マフティー・ナビーユ・エリンは、実はアムロ・レイの生き返りではないか」という話に出てくるのみ。
劇場版ではクェスのそれと同じく、ハサウェイの内に宿る残留思念……というより彼が自分の理想や正論を代弁させている仮想人格として、度々登場する。アムロの恋人のチェーン・アギを殺めたことは、ハサウェイの重いトラウマの一つとなっている。
主な登場兵器
モビルスーツについては、小説上巻の口絵で森木靖泰による書き下ろし設定画が掲載されている。後年のゲーム作品や立体商品化においては、カトキハジメを始めとする複数のデザイナーの手が加わっており、メディアごとに異なるデザインが使われている。
モビルスーツ(MS)
- RX-105 Ξガンダム(クスィーガンダム)
- マフティーがアナハイム社に発注した新型ガンダム。名称はアムロ・レイが最後に搭乗したνガンダムを引き継ぐ意図で付けられた。新エンジンのミノフスキー・クラフトにより、大気圏内でも疑似反重力推進による飛行が可能。更に機体を防御するビーム・バリアーを装備しており、これを進行方向に展開して大気干渉を拡散すれば、史上初の(人型形態で)大気圏内で音速の壁を突破するMSとなる。他にも頭部のサイコミュブロック、ファンネル・ミサイルなど先進的機能を備える。
- 後に刊行されたサンライズ準公式設定本などでは第5世代モビルスーツという扱いになっており、劇場版でも採用された。
- ゲーム版や立体化では、小説中巻表紙のカラーリングをベースにしていたが、劇場版では中巻の口絵に近いカラーリングとなり、異形のMSを強調するデザインになっている。
- Me02R メッサー
- マフティーが使用する量産型MS。赤系統のカラーで塗られた、ジオン軍の設計思想を色濃く残している機種。単独飛行能力は無い。劇場版ではブースターバックパックの装着により、短時間の上昇機動が可能。
小説版、Gジェネ版、アニメ版『ガンダムUC』、劇場版ではそれぞれデザインが微妙に異なる。ガンダムUCでは先行量産型として位置づけられたほか、劇場版第2作では小説版デザインの機体が「別工場の開発ラインで組み上げられたマイナーチェンジ機」と設定され登場した。
- RX-104FF ペーネロペー
- キンバレー部隊(キルケー部隊)に配備されたアナハイム社製の新鋭MS。機体設計思想そのものにはガンダム系モビルスーツの名残りを残している。Ξガンダムの兄弟機に当たり、ミノフスキー・クラフト及びファンネル・ミサイルを搭載している。ただしこちらのビーム・バリアーの大気干渉拡散機能は不完全のため、高速飛行時には飛行形態に変形する必要がある。
2001年にムービックから発売されたカレンダーでは「RX-104 オデュッセウスガンダム」というガンダムタイプのMSがフィックスドフライトユニットを装備した状態であるという準公式設定が後付けされて、VSシリーズなどの準公式設定のゲームではこの設定が踏襲されている。劇場版ではこの準公式設定が取り込まれ、公式設定へ格上げとなった。
劇場版では、機体推進装置がミノフスキー・フライト・ユニットへと変更。また、Ξガンダムとの差別化のためビーム・バリアーは非搭載になった。
- FD-03 グスタフ・カール / ドーラ・カール
- キンバレー部隊(キルケー部隊)の主力MS。ジェガン系列の設計思想の延長線上に存在する機体で、基本スペックはガンダムタイプに通じる高さを誇っており、頭部のメーンセンサーの有効半径はνガンダムにも匹敵する。メッサー同様単独飛行能力は無い。
小説版、Gジェネ版、アニメ版『ガンダムUC』(先行量産型)、劇場版ではそれぞれデザインが異なる。小説版で特徴的だった頭部ツインブレードアンテナと脚部ビームサーベルは、他の媒体ではなくなっている。Gジェネ及び劇場版ではビームライフルとビームサーベルはジェガンと共通のものになっている。
ムック『ガンダムMSグラフィカ』では、重装型と軽装型が存在するという設定が追加。前者をGジェネ版、後者を原作版と解釈した資料もある。
- ムック『ガンダムウェポンズ ニュージェネレーション編』では、グスタフ・カールは厳密には隊長機であり、「ドーラ・カール」と呼ばれる一般機も存在するという設定が追加された。アニメ版でもこれらの設定が適用されており、劇場版1作目に登場したのは実はドーラ・カールだった(グスタフ・カールは総称)ということになっている。ちなみにオーバーワールドまでのGジェネに参戦していたのもドーラ・カールである。
その他メカニック
- ギャルセゾン
- マフティーが運用しているサブフライトシステム(MS運搬機)。メッサー2機を前後タンデム搭載可能。オレンジ色の救命ボートみたいな飛行機。
- ケッサリア
- 地球連邦軍が運用しているサブフライトシステム。グスタフ・カール2機を左右並列搭載可能。亀のような丸い飛行機。
- 支援船「ヴァリアント」「シーラック」
- マフティーがMS母艦として使用する、鉱物資源運搬船を改装した輸送船。劇場版では1隻に付きメッサー4機、ギャルセゾン2~3機を搭載している。Ξガンダムはヴァリアントにメッサー2機分のエリアを潰して艦載され、ハサウェイもそちらを母艦としている。
アナハイム社の下請け企業所属を装って船団を組んでいるが、連邦軍の熱源監視を逃れるために電力消費を絞っている=冷房をケチっているため、クルーはみんなラフな服装をしている。
- シャトル「ハウンゼン」
- 宇宙・地球間を往還する民間スペースシャトル。この時代では軍用機を除き、唯一地球への直接降下が許可された船便であり、乗船には相応の地位かコネクションが必要とされる。作中では月から出航した「356便」が登場する。
劇場版オリジナル機体
- ORX-005 ギャプラン
- オエンベリ軍が入手した旧式可変モビルアーマー。ハウンゼン356便へハイジャック部隊を輸送した。
- RGM-89G 陸戦用ジェガン
- 連邦軍の旧式MS。ダバオ基地の火災消火用や、マン・ハンターの対人攻撃用など、後方運用に改造された機体が登場。
- RGZ-91B リ・ガズィ・カスタム
- 連邦軍の旧式可変MS。第二作でダバオ基地に配備されている(動かない背景だけど)。
- TX-ff104 アリュゼウス
- ペーネロペーの訓練用に急造されたMS。膨大な数の推進器を装着してミノフスキー・フライトを疑似的に再現している。役目を終えた現在はペーネロペーの予備機としてキルケー部隊に配備されている。
登場ゲーム作品
アニメ版
宇宙世紀の次の100年を描くプロジェクト『UC Next 0100』第二弾作品として、劇場用アニメ三部作の製作が告知された。
前述の通り、ストーリー設定は劇場版『逆襲のシャア』の続編となる。書籍の解説、ゲームのように、今作では宇宙世紀0105年と明確に年代が設定されている。
第一部
原作上巻を映画化。第一部は2019年冬より劇場公開予定だったが、諸事情により2020年7月23日(木/祝)へ延期。そして更に新型コロナウィルス感染拡大とそれに伴う緊急事態宣言もあり、2021年5月7日(金)→2021年5月21日(金)→2021年6月11日(金)と公開延期が重ねられていった。最終的に2021年6月11日(金)に公開された。
2021年4月18日には劇場公開に先駆け、ガンダム公式YouTubeチャンネル「ガンダムチャンネル」にて冒頭15分53秒が無料先行公開された。
主題歌は[Alexandros]の『閃光』。
最終興行収入は22.3億円で、当時シリーズ1位だった『機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編』に次ぐ大ヒット作となった。
2023年1月から3月にかけて、バンダイナムコGの「ガンダムプロジェクト」の展望「GUNDAM NEXT FUTURE -ROAD TO 2025-」の一環として、『機動戦士ガンダム サンダーボルト』『機動戦士ガンダムNT』と共に、テレビ放送用に再編集を行った全4話のTVエディションが製作された。『機動戦士ガンダム 水星の魔女(第1クール目)』の後番組として、MBS・TBS系全国28局ネット 日曜17:00~17:30にて放送。
スタッフ
第二部 キルケ―の魔女
原作中巻を映画化。コロナ禍のため、制作は遅延。2025年6月26日に特報映像が公開され、翌年2026年の1月30日に公開された。
エンディング主題歌はGuns N' Rosesの『Sweet Child O'Mine』。
直前作の『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』が好評を得ていたこともあり、同作放送局の日テレ系列局では『ZIP!』などでの大規模プロモーションを敢行。公開5日間で興行成績10億円を達成した。
スタッフ
漫画
劇場アニメ公開に合わせる形で、「月刊ガンダムエース」2021年6月号より連載開始。
作者はさびしうろあき。
キャラクター/メカニックデザインは劇場版準拠だが、ストーリー設定は同誌で同作者が連載していた『ベルトーチカ・チルドレン』コミカライズの続編となる。
関連動画
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