機動戦士ガンダム第08MS小隊とは (キドウセンシガンダムダイゼロハチエムエスショウタイとは) [単語記事]

『機動戦士ガンダム第08MS小隊』とは、サンライズ制作のガンダムシリーズ外伝 OVA。1996年から1999年にかけて全11話＋後日談1話が製作・販売された。

本編の他、1話から8話までを再構成し新作カットを加えた『機動戦士ガンダム第08MS小隊ミラーズ・リポート』、物語の後日談を描いた特別版OVA「機動戦士ガンダム第08MS小隊特別編ラスト・リゾート」がある。ミラーズ・リポートは1998年に「新機動戦記ガンダムW ENDLESS WALTZ 特別編」と同時劇場公開されている。また、BD メモリアルボックス発売に際して、13年ぶりの新作として、ショートフィルム「三次元との戦い」が制作された。
なお、ミラーズ・リポートは加瀬充子、ラスト・リゾートは森邦宏と仕舞屋鉄、三次元との戦いは綿田慎也が監督を務めている。（派生作品でスタッフが変更される事はままあるとはいえ）監督を務めた人数の多さはガンダムシリーズ随一と言える。

2007年 3月からは月刊ガンダムエースにて後期監督である飯田監督により、「機動戦士ガンダム第08MS小隊 U.C.0079+α」のタイトルで漫画版が連載。しかし、コミックスの売上が悪く打ち切りとなってしまった。
2010年に飯田監督が逝去。その後、コミックスを一冊にまとめた豪華版が発売された。
ちなみに、飯田監督の漫画作品「機動戦士ガンダム宇宙のイシュタム」には本作の主人公・シローが登場しており本作の前日談の側面も持つ（漫画版は「宇宙のイシュタム」での設定を引き継いでいる）。

小説版はアニメ本編とストーリーの流れはほとんど同じだが、キャラ描写や結末などに差異がある。
特にあるキャラのOVA 本編とは違った悲劇的な結末は語り草となっている。

概要

東南アジアでの苛烈な戦闘を中心に、連邦軍の新任少尉シロー・アマダとジオン軍のテストパイロットアイナ・サハリンの出会いと道ならぬ恋を描いたガンダム版『ロミオとジュリエット』である。ニュータイプやエリート部隊といった戦闘の花形設定は登場せず、戦争の一局面で戦う戦闘部隊のリアリティのある兵器運用描写が好評を博した。また、以後のゲーム作品で頻繁に登場する「陸戦型ガンダム」の初出作品でもある。

地球連邦軍のパイロットシロー・アマダは、宇宙から東南アジア戦線への転属命令を受ける。シャトルでの移動中、ジオン軍と遭遇。交戦中にジオン軍のパイロットアイナ・サハリンと共に遭難してしまう。生還のために協力するうちに敵同士でありながらお互いを信頼しあい、そして淡い恋心を抱く。

無事にそれぞれの軍に救助されたのち、シローは東南アジア戦線に着任。新型量産MS「陸戦型ガンダム」が配備された第08MS小隊の隊長になる。しかし、新米士官にすぎない彼は部下からアマちゃんと嘲られ相手にされず、なかなか信頼を得られない。

アイナは兄ギニアスのいる東南アジア戦線の基地へと帰還する。ジオンの没落した名門サハリン家を継いだ兄はこの地の司令官であり、技術将校として新兵器開発を進めていた。彼女は他人を信用しない偏狭な兄の作る新兵器のテストパイロットだった。

二人はまだ、お互いが目前の敵であることを知らない・・・。