能登かがり火とは (ノトカガリビとは) [単語記事]

能登かがり火とは、JR西日本・七尾線、IRいしかわ鉄道が運行している特急列車である。

概要

2015年 3月14日の北陸新幹線金沢駅延伸によるダイヤ改正で新設された特急列車である。設定本数は4往復（2022年 3月までは5往復）。
金沢～和倉温泉間を最速57分で結ぶ。
能登各地では「火」や「灯り」を連想させる夏祭りが多く開催されており、「火」と結びついた能登の幻想的な風景およびかがり火の燃える勢いをイメージして名付けられた。

2015年 3月13日まで、七尾線にはサンダーバード（4往復）、しらさぎ（1往復）、はくたか（1往復）が乗り入れていたが、2015年 3月14日のダイヤ改正後はサンダーバード（1往復）を除いて、七尾線への乗り入れは廃止になった（はくたかに関しては列車そのものが廃止された）。この廃止になった5往復分の代替として設定されたのが能登かがり火である。

使用車両は列車設定時はサンダーバード・しらさぎ用の車両である681系・683系で、3往復が6両編成、2往復が3両編成で運行されていた。
ダイヤ改正当日の3月14日の一番列車である1号は所定の6両編成から前日の13日をもって「しらさぎ」運用から離脱した683系2000番台S01編成に変更された。そのため自由席が1両のみという状態だった。その折り返しのサンダーバード20号も同編成で代走されたがこちらは金沢までの代走で、金沢からは683系4000番台に車両変更となった。

北陸新幹線が敦賀延伸する2024年 3月16日以降は683系グリーン車なし（付属編成）にて運用としては孤立することになるが、定期5往復＋臨時1往復体制で存続する。
一方、JR西日本としては新高岡駅と七尾・和倉温泉を結ぶ特急バス「わくライナー」も活用したい考えであるため、今後の動向に注目される。
ちなみに、運行経路上金沢駅～津幡駅間はIRいしかわ鉄道線であり分離された在来線を定期運行する数少ない特急列車であるが、旅客列車の増加はJR貨物からの線路使用料収入の減少に直結する。IR側は「石川県の要望により運行を継続している」としている一方で能登かがり火の運賃収入では「減収分は補えていない」ともしている。

なお、七尾線では能登かがり火とは別に、観光特急として花嫁のれんが運行されている。

2024年 1月1日に発生した地震の影響で七尾線に設備損傷が発生し、1月21日まで全区間で運行を見合わせていた。1月22日からは七尾線に乗り入れる「サンダーバード」の送り込みを兼ねた1号・8号のみ七尾駅折り返しで運行。その後、減速区間の安全性が確認されたことから2月3日より全便運転となった。
また、「能登かがり火」運用から七尾駅へ回送中の681系6両編成1本（「しらさぎ」用W08編成）が七尾線の設備損傷とパンタグラフ破損により駅間で立ち往生していた（1月下旬に金沢へ救援配送を完了）。