しらさぎとは、JR西日本とJR東海が運行している特急列車である。
1964年12月25日に「雷鳥」と共に交直流特急として運転を開始した。当初は10月1日の予定だったが481系の落成が遅れた為に延期となり、それまでは「運休扱い」だった。設定当初の所要時間は名古屋~富山間4時間25分で、481系は「雷鳥」との共用。
1968年10月の「ヨンサントオ」で最高速度を120km/hに向上させ所要時間を30分程度短縮。1971年増発分で金沢発着便が設定され、1972年3月のダイヤ改正で3往復から4往復に増発。また、1972年から78年までは月光型こと583系が充当されたほか、1971年からは489系も充当。1972年以降489系・583系は12両編成で運用された。なお、1978年10月の「ゴーサントオ」で使用車種は485系に統一された。
1982年7月の改正では7往復、国鉄最後のダイヤ改正となる1986.11.1改正では6往復が設定され、他にも臨時便として80番台列車が設定されていた。
なお、1972年時点では11両または12両編成(食堂車つき)、1982年時点では12両編成(食堂車つき)であったが、1986年には7両または9両に短縮されて食堂車も消滅している。1989年には7両編成が基本となった。
また、1972年時点では列車番号21M~であったが、1982年当時の時点で現在に続く列車番号1Mを冠している列車となっている。
2024年に運行区間は短縮されたものの、同年末に運行開始60周年を迎えた。
北陸新幹線敦賀開業までは名古屋~金沢間を走る列車であったが、かつて「加越」(「しらさぎ」に吸収される形で名称消滅・後述)が担当していた米原~金沢間を担当する列車も存在した。
乗務員は米原駅でJR東海・JR西日本が交代するが、使用車両は一貫してJR西日本所属車両のみ。
登場時から使用されていた481系・485系は、JR化後に「スーパー雷鳥」向けにリニューアルした車両が681系「サンダーバード」への置き換えにより余剰となり「あおさぎ」化して充当されたが、2003年に683系2000番台に交代。2015年には「はくたか」から転用される形で681系に交代となった。681系への交代前には乗務員訓練の関係もありその旨がJR東海の労働組合資料に記載されていた。
また、名古屋駅~米原駅間は需要の関係で6両編成のみで運転され、米原駅で付属編成の解結が行われる。名古屋駅発着の編成は米原駅で方向転換をする。
なお、米原駅では東海道新幹線や東海道本線新快速との乗り換えに配慮されているが、それ以外との連絡は配慮されていない。
2011年春には共に北陸特急の歴史を築いてきた盟友「雷鳥」が「サンダーバード」に統一された為、「しらさぎ」は単独で北陸交直流特急最古参の名称となった。
かつては金沢以東へ向かう富山行き・和倉温泉行き(いずれも名古屋発)が存在したが、2015年3月14日の北陸新幹線の金沢延伸後は金沢以東の在来線昼行特急は「サンダーバード」1往復を除き廃止され、「しらさぎ」は全列車金沢発着となった(なお、七尾線については特急「能登かがり火」で代替)。
金沢駅~富山駅間の停車駅は金沢、石動(一部列車)、高岡、富山であった。
以後、2024年3月15日までの運行本数は名古屋~金沢8往復と米原~金沢8往復。乗り継ぎを考慮したシャトル列車「つるぎ」が北陸新幹線富山駅~金沢駅間に設定され金沢以東を代替している。
北陸新幹線が敦賀駅へ延伸した2024年3月16日以降は敦賀~金沢間の運転が取りやめとなり、敦賀~名古屋8往復と敦賀~米原7往復体制となる。取りやめとなる区間については敦賀駅で「つるぎ」と接続する形で代替される(列車によっては敦賀~米原というとんでもなく短い距離の列車も出ることになる)。運転区間短縮後は681系に加えサンダーバード用の683系6両編成が運用に回る(とされていたが、681系が専従となっていた。後述)。
「つるぎ」と接続できないことから早朝・深夜の米原〜金沢1往復は運転取りやめとなるが、代替として当面の間米原〜敦賀間でノンストップ臨時快速を1往復運行する(深夜の敦賀行きはハピラインふくいの快速に接続し、福井まで向かうことが可能)。
なお、北陸新幹線敦賀延伸後は越前たけふ駅以北と東海道新幹線の間を利用する場合、米原駅と敦賀駅で2回乗り換えが必要になることによる不便さは前々から指摘されており、米原駅での乗継割引の廃止もあって料金が大きく値上げされることから利用者が敬遠する可能性がある(敦賀駅では幹特在特による割引が設定)。東京〜福井・敦賀間は北陸新幹線であれば乗り換え無しで向かえるようになることから、米原発着しらさぎについては取り巻く環境は厳しい状況にある(所要時間上は東海道新幹線経由が有利な場合があるとは言え)。
このため、JR東海・JR西日本では「エクスプレス予約・スマートEX」との同時購入に限り「e5489」で購入可能な米原駅乗り継ぎきっぷを発売する(乗車券・普通車指定席特急券一体の専用商品・米原発着のみの設定で米原~敦賀の場合は500円)。実際、2024年のゴールデンウィークの利用は米原駅→敦賀駅が前年比49%、敦賀駅→米原駅が前年比53%、名古屋駅~大垣駅間が前年比63%(2018年比55%)と大きく落ち込んでいる(参考:JR西
・JR海
)。8月の繁忙期も指定席の予約は低迷し、米原駅~敦賀駅間が前年比60%、名古屋駅~大垣駅間が前年比78%(2018年比58%)と落ち込んでいる(ただし、8月については東海道新幹線不通による振替需要が発生しているため、ゴールデンウィークよりは改善している)。年末年始は米原駅~敦賀駅間は前年比6割台であったが、名古屋駅~大垣駅間は前年比81%(18年比62%)と差が生じている。
名古屋〜福井間については高速バスが対抗して乗り換え不要をアピールして増便を行っており、名古屋発着しらさぎは米原駅で座席転換を必要とすることもあって競争が激しくバスへの転移が見られている(名古屋〜金沢・富山間は延伸以前から高速バスが多く運行されており、東海北陸道の影響もあって競争が激しい状況にある)。これらの事情もありJR東海エリアでは北陸新幹線+しらさぎのWEB早特7の広告が出されている(なお、ポスターに使用されているのはいずれもJR東海所属でないW7系と681系)。
北陸新幹線が米原経由ではなく小浜・松井山手ルートになったため、2050年代に予定される北陸新幹線新大阪延伸後もこちらの列車は残り続けることになると考えられる(ただし、前述した通り需要の低下が起きているため、新大阪延伸まで現状通りの運行が続けられるかは不透明)。
ちなみに、JR東海がJRグループのなかで最後までエル特急指定を堅持していたため、2010年に管内完結便で指定解除したJR西日本でも2018年までエル特急扱いを受けた列車である。
2003年7月以降、全列車683系2000番台が運用に就いていたが、北陸新幹線が開業した2015年3月14日以降は在来線特急時代の「はくたか」及び「サンダーバード」運用に就いていた681系0・2000番台と683系8000番台が運用に就いている(681系の運用開始前にはJR東海の労働組合資料に681系に使用車両変更の記載があった)。
「しらさぎ」運用開始にあたり、車体のラインを青とオレンジに変更し、「White Wing」や「THUNDERBIRD」のロゴも消されている状態でダイヤ改正前夜に編成の方向転換が行われた。
元北越急行所有の681系2000番台と683系8000番台も順次「しらさぎ」の塗装に変更されたが、ダイヤ改正直後は、北越急行カラーで運用に就くこともあった。
同ダイヤ改正直後は、京都に所属している681系1000番台も運用に入っていたが、元北越急行所有編成の塗装変更が終了したため基本編成のW01編成は「サンダーバード」運用に戻っている。
なお、付属編成のV01編成は「サンダーバード」運用に戻ることなく廃車となった。
運用から撤退した「しらさぎ」用683系2000番台は289系に改番の上、「くろしお」「こうのとり」等の運用に就いている381系の置き換えの為、日根野と福知山に転属した。
北陸新幹線敦賀開業(2024年3月16日)以降は全列車681系・683系の基本編成(グリーン車あり)による運行となることがJTB時刻表2月号に明記されていたが、ダイヤ改正後も681系のみが引き続き運用に入っており、683系はしらさぎ帯の8000番台(近キトA03編成)も含めサンダーバード専従(一部は宮原・野洲疎開留置)となっていた。一方、683系0番台のW32編成には2024年7月に「しらさぎ」向けの細帯が追加されている(ただし、宮原疎開留置中のため運用なし)。8月にはW35編成も同様の措置が取られている(以後、W31・W33・W34・W36編成も塗装変更)。いずれの編成も2024年9月時点では「しらさぎ」運用には就いていないが、運用開始前にJR西日本商事より新塗装グッズが発売。その後、12月1日にW36編成を米原まで回送のうえ12月2日の51号より683系0番台による運用が開始された。
以後は基本的に683系が充当されるが、一部仕業は運用の都合上681系W11・W12編成が引き続き充当されている。2025年3月ダイヤ改正以降もこの体制が維持される。
北陸新幹線敦賀開業前は9両増結も多く見られたが、敦賀開業後は需要低下から6両での運用がほとんど。このため、「しらさぎ」塗装の付属編成は多くが疎開留置からの廃車回送となっており、2025年3月のダイヤ改正時に運用に入っている付属編成はV41編成のみとなっていた。そのV41編成も2025年5月に宮原へ疎開回送。宮原から向日町に返却回送された後に吹田へ7月14日に回送され、付属編成は全編成が運用から離脱した。
なお、485系「あおさぎ」以降の「しらさぎ」充当車両の塗装にはJR東海乗り入れの関係でオレンジの細帯が追加され、運用が区別されている。
山陽新幹線が博多へ延伸した1975年3月10日、それまで米原経由だった「雷鳥」が湖西線経由となった事で米原での東海道新幹線接続を強化すべく米原~金沢間に「加越」が新設された。新設された「加越」は当時としては珍しく食堂車を連結していないスタイルであった。
その後も「加越」は「しらさぎ」と共に米原接続にて活躍し、1988年3月13日には「加越」の速達版として「きらめき」が登場し、専用の485系4連グレードアップ編成が充当された。また、1989年3月のダイヤ改正で「加越」に9両編成が登場し、7両と9両の2種類となった。
1991年には「加越」1往復が「きらめき」に変更され増発用の6連グレードアップ編成が追加されほか、1992年の改正では「雷鳥」用9連と「しらさぎ」と共用の7連の2種類で「加越」は運用された。この際、「きらめき」運用は6連で統一された。
「しらさぎ・加越・きらめき」は好調に推移していくが、北越急行ほくほく線が開業した1997年3月22日に「きらめき」が廃止された。この際、「はくたか」に転用されなかったグレードアップ編成は国鉄色に戻して「加越」に充当し、「加越」は7・6・4連の3タイプとなった。
その後、681系・683系の投入により余剰となった元「スーパー雷鳥」編成の485系が組成・塗装変更して7・3連で「しらさぎ」へ転身するも2003年3月15日から683系2000番台が「しらさぎ・加越」に投入され、同年7月19日には「しらさぎ・加越」の全てが683系化された。なお、この置き換えにより余剰となった485系3両編成は183系化のうえ福知山に転じ「まいづる」に充当された。
ただ、「加越」が683系で運用されたのは短期間で、同年10月1日の改正で「加越」は「しらさぎ」に統合された。
| 停車駅 | 名 古 屋 |
尾 張 一 宮 |
岐 阜 |
大 垣 |
米 原 |
長 浜 |
敦 賀 |
武 生 |
鯖 江 |
福 井 |
芦 原 温 泉 |
大 聖 寺 |
加 賀 温 泉 |
小 松 |
松 任 |
金 沢 |
備 考 |
| 1~15、2~16号 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | □ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ─ | ○ | ○ | □ | ○ | |
| 51~65、52~66号 | ○ | □ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | △ | ○ | ○ | □ | ○ |
| 停車駅 | 名 古 屋 |
尾 張 一 宮 |
岐 阜 |
大 垣 |
米 原 |
長 浜 |
敦 賀 |
備 考 |
| 1~15、2~16号 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | □ | ○ | |
| 51~63、52~64号 | ○ | □ | ○ |
| 1号車 | 2号車 | 3号車 | 4号車 | 5号車 | 6号車 | 7号車 | 8号車 | 9号車 |
| グリーン | 指定席 | 指定席 | 指定席 | 自由席 | 自由席 | 自由席 | 指定席 | 指定席 |
| 1号車 | 2号車 | 3号車 | 4号車 | 5号車 | 6号車 |
| グリーン | 指定席 | 指定席 | 指定席 | 指定席 | 指定席 |
| 北陸へ向かう特急・急行 |
| 雷鳥・サンダーバード─しらさぎ─はくたか─北越─北陸─能登─ひだ |
掲示板
23 ななしのよっしん
2024/04/13(土) 14:41:09 ID: yMSnen3mqE
しらさぎのGW予約状況、前年比57%はガッツリいったな
https://
夏次第では来春減便かなこれは
24 ななしのよっしん
2024/04/14(日) 11:53:36 ID: QresR87gmT
>>23
サンダバードか新快速で敦賀入りしようと思ってたけどその様子だとしらさぎもアリやな
25 ななしのよっしん
2024/05/06(月) 19:41:14 ID: yMSnen3mqE
3日に日帰りで関西から金沢行った時に復路で使ったけど増結要りましたかねっていうくらいガラガラだった
(増結編成が満身創痍のV44だった)
けど、東海道新幹線とつながってるのは関西発着でも湖西線・東海道本線不通時に威力を発揮してくれるから編成短縮とかあっても残してほしいとは思う
今のJR西だとガッツリ切りそうなのが怖いが
急上昇ワード改
最終更新:2025/12/09(火) 07:00
最終更新:2025/12/09(火) 06:00
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