あまり野球に詳しくない人は誤解していることが多いが、「長打を放つ確率」のことではない。
長打率とは、塁打÷打数によって現される数値である。打率が、単打・二塁打・三塁打・本塁打を全て「1安打」としてカウントするのとは異なり、塁打の場合は「単打=1、二塁打=2、三塁打=3、本塁打=4」として計算される。
すなわち長打率とは、1打数において打者が打撃の結果獲得できる塁数の期待値を示すものである。……と書いても解りにくいので、要するに「長打率が高いほど一度の打席で遠くの塁まで進む能力がある」と理解しておけばおk。
その名称から、しばしば「長打を放つ確率」のことだと誤解されるが、たとえヒットの全てが単打であっても、長打率は0ではない。ヒットの全てが単打の場合は、安打数=塁打数になるため、打率=長打率になる。
また走塁能力を無視した指標と思われることも多いが、三塁打を放つには高い走塁能力が必要であり、内野安打でもふつう長打率は上がるので、必ずしも走塁能力を完全に無視した指標ではない。とはいえ、やはり本塁打の多い長距離打者の方が、リードオフマンタイプの打者よりも長打率は高くなる傾向にある。本塁打を打つより三塁打を打つ方が遥かに難しい、という現実は考慮されていない(ちなみにシーズン三塁打の日本記録は18。本塁打の日本記録は言うまでもない)。
ちなみに英語では「Slugging Percentage」といい、直訳すれば「強打率」となる。このほか、「塁打率」や「塁打期待値」などへの改名を提案する声もある。
打率・本塁打・打点という3指標の欠陥が広く認識されるようになった現在では、特にメジャーでは出塁率とともに重要視される指標となっている。長打率は打率と同様に四球を考慮しない指標であるため、四球数が影響する出塁率と足し合わせたOPSという新たな指標も近年作られた。→OPSの項を参照
理論上の最高値は、全打席で本塁打を放った場合の4.000である。通算長打率4.000という選手はプロ野球史上2人だけ存在する(塩瀬盛道とドン・シュルジー)。どちらも投手で、通算打撃成績は1打数1安打1本塁打である。
通算記録としての長打率歴代1位は王貞治(.634)。シーズン記録は2013年のバレンティン(.779)。
全安打数のうち長打が占める割合、つまり(二塁打+三塁打+本塁打)÷安打のこと。
元ネタはTBS系列で2014年に放送されたドラマ「ルーズヴェルト・ゲーム」(池井戸潤原作)。作中で野球部監督が選手にデータの重要性を説くシーンにて、下記のテロップが表示された。
前述のように長打率は「長打を放つ確率」ではないため、作中で語られた「長打率」と実際の長打率は全く別物であることがわかる。このほかにも作中で映り込む成績表に記載された指標にもいくつか矛盾点があり、せっかくの良い場面が台無しになってしまっているとなんJなどで指摘が相次いだ。
しかし実際に「長打を放つ確率」を求めると、打者のパワーを測る指標としてそれなりに機能することが判明。現在ではネタ指標のひとつとして扱われているほか、もともと「長打率」という単語が誤解されやすいこともあり、「TBS式長打率の悲劇を繰り返してはいけない」などと戒めにも使われている。
掲示板
11 ななしのよっしん
2017/07/25(火) 15:21:59 ID: 50GTRWAN6s
12 ななしのよっしん
2018/02/09(金) 16:10:31 ID: 4ExpTb9Fe3
鳩山式塁打数(NPB '78年シーズンをもとに算出)
四死球:0.83 単打:1 二塁打:1.25 三塁打:1.56 本塁打:2.25
13 ななしのよっしん
2024/05/05(日) 20:01:17 ID: QQWFOTOnSw
>>要するに「長打率が高いほど一度の打席で遠くの塁まで進む能力がある」と理解しておけばおk。
これ言わんとすることは分からんでもないがなんか誤解を招きそうな表現じゃないか?
この言い方だと捉えようによっては「2塁打以上しか打たない打者」は「単打しか打たない打者」より確実に長打率が高くなるように聞こえるが現実はそうではない、10打数3単打の選手の長打率は10打数1二塁打の選手より高いわけで。
「遠くの塁まで進む能力」ではなく「多くの塁を獲得する能力」とかの方が良いんじゃないか?
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最終更新:2024/11/08(金) 10:00
最終更新:2024/11/08(金) 09:00
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