京王9000系とは (ケイオウキュウセンケイとは) [単語記事]

京王9000系とは、京王電鉄が保有・運行する通勤型車両である。
当系列をベースとするデヤ900形についても合わせて記述する。

概要

6000系の置き換え用として2000年より導入された20m4 扉車で、8両編成8本64両と10両編成20本200両の計264両が在籍する。8両編成を0番台、10両編成を30番台として区分しており、細かい部分が異なっている(後述)。6000系の置き換えという事で都営新宿線乗り入れを念頭に設計されているが、実際に乗り入れているのは30番台のみである。

車体等

ステンレス車であるが、先頭車の前頭部は8000系同様普通鋼製。前面の意匠もやはり8000系同様に初代5000系をイメージしたとされるが、やや直線的で行先表示器が中央扉上に移り、向かって右窓上に車号が付されている。日車ブロック工法で製造されており、ビートの無いすっきりしたデザインとなっている。井の頭線 1000系に引き続き戸袋窓は無く、かつての京王のポリシーは消えた。
車内は京王では初採用の片持ち式ロングシートで、貫通路扉は8000系と同様、ガラスが縦長である。

走行機器等

8000系に続きVVVFインバータ車で、電動機出力を170kw/hにアップし、30番台でも5M5Tの組成を可能としている。全体的に8000系に比較して細かなコストダウンによる仕様変更が生じている。

番台区分

8000系よりは違いがわかりやすい。

0番台：8両編成

2000年から2004年まで導入された。6000系・7000系の2両編成と連結して10両編成での運用も可能となっている。当初は機器の相性の問題で専ら6000系と連結していたが、6000系引退と7000系の機器更新に伴って、7000系と連結するようになった。

都営新宿線乗り入れにも対応できる設計であるが、今現在に至るまで対応機器類は取り付けられてはいない。とはいえ、当初は0番台も乗り入れの計画があったとされ、前面は幌受けがあり、また京王八王子方の運転台(クハ9750型)は運転台を仕切る事ができるので、おそらくは6000系30番台の2両編成を連結して直通させる計画だったのかもしれないが、その当時の都営新宿線はVVVFインバーター車を走らせた際にATC関係の機器類が誘導障害の影響を受ける為、直通が出来ず、対応が完了した段階では6000系30番台の2両編成は残っていたものの、直通運行そのものは導入が始まった当系列30番台が担う事になった。

室内は座席の端に大型の袖仕切りがあり、デザインは209系そっくりなものになっている。ドアは化粧板が貼られたものとなっている。30番台とは形状が異なるので、一目で区別がつく。

30番台：10両編成

2005年から2009年まで導入された。都営新宿線に乗り入れるからか30番台が付番され、若干のマイナーチェンジが行われている。分割する機会がないので前面の幌受けは存在せず、また京王八王子方の運転台にも仕切りは無い。この他、車掌台に運用番号表示機があり、都営新宿線直通運用で使われる際に使用される。方向幕はフルカラーが採用され、その後に0番台にも広がった。

車内も変更を受け、袖仕切りの形状が変更、209系タイプのものから曲線的な物となり、またドアも化粧板が廃されて他社で見られるような209系のドアと同一のものとなった。この他、地下鉄乗り入れ対応の為の難燃化対策やコストダウンが行われている。案内表示は0番台よりLED表示機であったが、途中からLCDモニターを使用したものとなっている。2016年以降、井の頭線 1000系で行われている2モニター化を当系列でも行っている。