コンプリートガチャとは、ソーシャルゲーム商法の一つである。コンプガチャとも呼ばれる。
ソーシャルゲームの多くは、基本無料を掲げている。ただしゲーム内で課金すれば有利になったりレアアイテムを手に入れたりできるシステムとなっている。その中でも、ガチャガチャをあしらった課金システムが、ガチャと呼ばれている方式であり、コンプリートガチャはその一種である。
ガチャの基本システムは課金する毎にガチャガチャを回してアイテムを得られる形式である。コンプリートガチャとはガチャを何回もやって特定のアイテムを一揃い揃えることで特別な物が貰える方式を指す。基本的に最後に貰える物が目的のものとなっており、そのために揃える物単体はそれほど必要でないものであることが多い。
それらのアイテムはゲーム上でなにかしらのイベントをクリアしなければ得られないアイテムであることが多い。また数%~数十%の確率で、通常イベントでは得られないレアアイテムを手にすることができるようになっている。もちろんこのレアアイテムもコンプリートすべき物に含まれている。
通常はソーシャルゲーム内でポイントを課金によって購入し、課金で得られたポイントを使用してガチャを回す。
ポイントによる課金であるため、携帯電話の場合はのちに携帯電話の請求書によって請求がなされる形となっている。
このガチャだが、前述したように確率によってレアアイテムを得られるシステムとなっているため、数百回回してやっと手にすることができるアイテムなどがある。
モバゲーやグリーなどはこのシステムによって多額の収入を得ている。
2012年4月23日、ソーシャルゲームプラットフォーム連絡協議会において、ガイドライン作成についての話し合いがなされる(注・リンク先PDF)。
2012年4月24日、消費者庁長官記者会見において、読売新聞社記者からソーシャルゲームについての質問があり、景品表示法において問題があると発言。
2012年5月5日、コンプリートガチャに対して消費者庁が「景品表示法(不当景品類及び不当表示防止法)違反」として、各ゲーム会社に注意喚起する予定との報道があった。
2012年5月8日、松原内閣府特命大臣の記者会見にて「一般論だが、景品表示法で禁止されている『カード合わせ』という手法に該当する可能性がある」と述べる。
これは同法内で禁止されている「カード合わせ」という手法であると判断されたためである。カード合わせとは、内容が分からないランダムな物を購入させたうえで、それらのうち特定の種類が揃ったら別の商品が手に入るという方式を指す。
なお、この注意喚起はコンプリートガチャに対してのみ行われたものであって、通常ガチャに対しては何も言っていないことに注意が必要である。
2012年5月9日、NHN Japan、グリー、サイバーエージェント、ディー・エヌ・エー、ドワンゴ、ミクシィの6社が、自社で制作・提供しているコンプガチャを5月末までにサービス停止すると決定との報道。ただしこれはあくまでも「自社で開発・提供」しているもの限るので、ソーシャルゲーム会社が制作しているものに対しては明言していない。
2012年5月10日、バンダイナムコゲームスとバンダイナムコオンラインが提供しているソーシャルゲーム内のコンプガチャを5月末までに中止すると発表(公式によるソース、PDF注意)。
2012年5月18日、消費者庁が「コンプガチャは景品表示法で禁止されている『カード合わせ』という手法に該当する」との見解を正式に示し、運用基準の改正案を発表(公式ソース、PDF注意)。なお、消費者庁ではこの件について2012年6月18日までパブリックコメントを受け付けている。
2012年5月25日、ソーシャルゲームプラットフォーム連絡協議会が自主規制を目的とした「コンプガチャガイドライン」を策定、発表(公式ソース、PDF注意)。同ガイドラインを6月1日から運用開始し、各プラットフォームで提供されるソーシャルゲーム(自社製、他社製を問わず)におけるコンプガチャを6月末日までに完全に廃止することを決定。
このコンプリートガチャが何故問題になるかだが、理由の一つとして「コンコルド効果」をユーザーに対して引き起こしやすい、ということが挙げられる。
これは、それまで投下したコストが埋没費用(回収が不可能となったコスト)となることを恐れるために、さらなる投資をやめられない状態を指す。コンプリートガチャでいうならば、コンプリートの対象となるもののうち一つを残して埋まり、残り一つが出ない状態で、後に引けずに最後の一つが出るまで際限なくガチャをやり続ける心理状況、と言えば分かりやすいだろう。
更にコンプリートガチャの特性上、「最後の一枚」がとても出づらいことも注意せねばなるまい。
例えばコンプする物が10個あり、それぞれの物が2%で出るとする。
この場合、最初の一個は平均で5回ほどコンプガチャを行えばどれかか出る。
しかし最後の一個は平均で50回ほどかかる計算になる。
意識していない場合、これほど多くの回数が必要になるとはなかなか考えない。
確率のことをよくわかっていない子供なら尚更である。
この点に前述の「コンコルド効果」に相まって最後の一枚を引くために課金額が大きくなりやすい。
このような性質が著しい耽溺性を持ち、射幸心を煽るため、こうした手法は問題視されている。
http://game.sheile.net/compsim/
8種類のコンプ対象カードを集めるのに、1ガチャ300円、11連ガチャ3000円のコンプガチャで回した場合、一体いくら掛かるのかをシミュレートすることができる。(コンプ対象カードが出る確率は任意に設定可能。)
実際にデフォルトの5%で回すと、数万円から数十万円の金をむしり取られることが分かる。特にラスト1枚に恐ろしく金が掛かる。
逆に最初の数枚はそれほど回さなくても出てくることがわかる。
半分まではこれくらいの金額だったからと高をくくっていたりするとひどい目にあうだろう。
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最終更新:2024/05/22(水) 18:00
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