ピューロマジック(Puro Magic)とは、2021年生まれの日本の競走馬。鹿毛の牝馬。
主な勝ち鞍
2024年:葵ステークス(GⅢ)、北九州記念(GⅢ)
父*アジアエクスプレス、母メジェルダ、母父ディープインパクトという血統。
父は芝初挑戦で2013年の朝日杯FSを勝ち、その後にダートのレパードSを勝った芝ダート二刀流のマル外。種牡馬としては主に地方向けのダート短距離馬を輩出している。ピューロマジックは4年目の産駒。
母は2015年のファンタジーSで2着に入り阪神JFにも出走した(14着)が、11戦1勝の条件馬で終えた。ピューロマジックは第3仔。
母父は説明不要。
2021年2月18日、ローレルゲレイロやディープボンドで知られる新冠町の村田牧場で誕生。2022年の北海道セレクションセールに出品され、2700万円(税抜)で落札された。
オーナーはドゥラエレーデやドルチェモアを所有するスリーエイチレーシング。一口馬主クラブっぽい名前だが、HGホールディングス代表・橋本征道の法人名義である。
性格は横山和生騎手いわく「真面目すぎるぐらい真面目」とのことで、ハイペース逃げを得意とするスタイルも真面目すぎてレース中に力を抜くことができず、前進気勢が強すぎるが故のようだ。
馬名意味は「聖なる、純粋な(西)+可能にすること」。
2020年開業の栗東・宮田敬介厩舎に入厩。前述の通り父がダート短距離種牡馬ということもあり、2023年6月17日、同厩舎の白毛馬アマンテビアンコと一緒に東京・ダート1400mの新馬戦でデビューした。戸崎圭太を鞍上に、アマンテビアンコに次ぐ2番人気に支持されたが、馬群の中での砂被りを嫌がって後退。そのままやる気をなくしてしまったようで、アマンテビアンコの快勝から6秒近く遅れ、あえなくタイムオーバーの最下位に撃沈。
このあと定年間近の安田隆行厩舎に転厩し、8月の札幌で芝に転向すると、斎藤新を迎えた芝1500mの未勝利戦で中団から大外ブン回しで押し上げて3着。続いて9月の札幌・芝1200mの未勝利戦で好スタートから逃げの手を打つと、直線で後続をぶっちぎってなんと10馬身差の圧勝。芝短距離・ハイペース逃げという方向性が固まることになった。
この圧勝で11月のファンタジーステークス(GⅢ)に向かったが、押してハナを切り後ろを離してハイペースで逃げたものの、直線で呑まれて8着。1400だと長そう、ということで、以降は芝1200に焦点を合わせることになった。
というわけで自己条件に戻り、12月の阪神・さざんか賞(500万下)では最内枠から600m通過32秒5という超ハイペースで逃げて粘ったが、2番手でついてきたジャスパーノワールにアタマ差差しきられて惜しくも2着。5戦1勝で2歳を終えた。
明けて3歳となり、初戦は年明け早々の京都の平場1勝クラス。鞍上は新たに坂井瑠星を迎えると、ここでは前走ほど飛ばさずに後ろを引き付けて逃げ、直線で突き放して2馬身差で快勝。
続いては阪神のマーガレットステークス(L)。鞍上には新たに松山弘平を迎え、重馬場を600m通過34秒0で飛ばしたが、2番手でついてきたナナオに捕まって2馬身半差の2着。
このあと安田隆行師が定年となり、息子の安田翔伍厩舎に転厩することとなった。
というわけで転厩初戦は5月の葵ステークス(GⅢ)。鞍上には横山和生を迎えた。逃げ馬には不利な大外8枠17番に放り込まれたこともあってか、24.1倍の8番人気に留まったピューロマジックだったが、ぽんと好スタートを切ってすぐに内に切れ込んで外枠の不利を帳消しにすると、そのまま得意のハイペース逃げに持ち込み、直線でも後続を寄せ付けず堂々の逃げ切り勝ち。勝ちタイム1:07.1は前年の超好スタートから逃げ切ったモズメイメイと同タイムであった。アジアエクスプレス産駒は中央重賞初制覇を芝で飾ることとなった。
続いては小倉に向かい、古馬との初対決となる北九州記念(GⅢ)。鞍上は松山弘平に戻り、7.3倍の3番人気に支持される。今回も6枠12番と外目の枠だったが、好スタートからあっさりハナを切ると、稍重の馬場にもかかわらず良馬場の葵Sより1秒弱速い600m通過32秒3というバカみたいな超ハイペースで逃げる。このペースでも安田師は「前走よりもだいぶ(手綱を)抱えられた」とコメントした通り、終いの脚も残したピューロマジックは、ただ1頭ついてきたヨシノイースターを従えて押し切り快勝。重賞連勝で一躍短距離界の注目株となった。
夏休みを挟み、スプリンターズSを目指して中京開催のセントウルステークス(GⅡ)へ。再び横山和生を迎えたピューロマジックは、重賞3勝のトウシンマカオや前年のスプリンターズS覇者ママコチャらを抑え、3.9倍の1番人気に支持される。今回も外目の7枠13番からダッシュをつけて逃げを打ったが、いつもより後続を突き放せず、直線で沈んでまさかの13着撃沈。新馬戦以来の左回りが合わなかったのかどうなのか……。横山和生騎手は「やることをやって、この着順ですから。負けはしましたけど、先が見えるレースだったと思います。厩舎スタッフと一緒に手がけてきて、メンタルが落ち着いていたのは良かったです」とのコメントであった。
迎えた本番、スプリンターズステークス(GⅠ)では新たに和生の父・横山典弘を鞍上に迎えることになった。3歳馬では唯一の参戦となり、54kgと斤量優位ながら34.5倍の10番人気。わざわざ乗り替わったということは我慢する競馬を覚えさせるために控えるのか? それとも今まで通りハナに行くのか、行くとすればどのぐらいのペースになるのか……というのが戦前の予想の焦点となったが、ピューロマジックと横山典弘は競馬ファンの予想を超えるとんでもない走りを見せる。
結局レースが始まると、好スタートからいつも通り先手を取ったピューロマジック。そのまま後ろをグングン突き放して飛ばす飛ばす。短距離とは思えないぐらい2番手以降を離して大逃げレベルでブッ飛ばす。600m通過は、ラジオNIKKEIの場内実況・山本直アナも驚く32秒0(JRA中継映像内の表示。レース後の公式記録では32秒1)。これがどんなペースかというと、あのカルストンライトオが直線1000mのアイビスサマーダッシュでレコード53秒7を出したときの600m通過が32秒0である。そのまま粘り込みを図ったが、残り100m前でルガルに捕まり、そのまま後続に呑まれて8着。
着順はまあ自分のレースをした結果として、レース後に競馬ファンをどよめかせたのはそのラップタイムだった。11.8 - 9.9 - 10.4 - 11.0 - 11.6 - 12.3。9.9!? 1ハロン9秒台が新潟以外の重賞で出たことがあるのかはちょっと調べてないのでわからないが、歴戦の競馬ファンも「(9秒台は)新潟以外で見たことがない」と困惑する超ハイラップであった。
いろんな意味で衝撃的なスピードを見せつけるピューロマジック。このスピードでこれからどんなレースを見せていくことになるのか、ますます目が離せない。
| *アジアエクスプレス 2011 栗毛 |
*ヘニーヒューズ 2003 栗毛 |
*ヘネシー | Storm Cat |
| Island Kitty | |||
| Meadow Flyer | Meadowlake | ||
| Shortley | |||
| *ランニングボブキャッツ 2002 鹿毛 |
Running Stag | Cozzene | |
| Fruhlingstag | |||
| Backatem | Notebook | ||
| Deputy's Mistress | |||
| メジェルダ 2013 鹿毛 FNo.20 |
ディープインパクト 2002 鹿毛 |
*サンデーサイレンス | Halo |
| Wishing Well | |||
| *ウインドインハーヘア | Alzao | ||
| Burghclere | |||
| メリュジーヌ 2006 鹿毛 |
*フレンチデピュティ | Deputy Minister | |
| Mitterand | |||
| メジェール | *タバスコキャット | ||
| *カスパースカイゴールド |
クロス:Storm Cat 4×5(9.38%)、Deputy Minister 5×4(9.38%)、Hold Your Peace 5×5(6.25%)
▶もっと見る
急上昇ワード改
最終更新:2025/12/12(金) 03:00
最終更新:2025/12/12(金) 03:00
ウォッチリストに追加しました!
すでにウォッチリストに
入っています。
追加に失敗しました。
ほめた!
ほめるを取消しました。
ほめるに失敗しました。
ほめるの取消しに失敗しました。