ミッキーファイト(Mikki Fight)とは、2021年生まれの日本の競走馬。栗毛の牡馬。
主な勝ち鞍
2024年:レパードステークス(GⅢ)、名古屋大賞典(JpnⅢ)
2025年:帝王賞(JpnⅠ)、JBCクラシック(JpnⅠ)、アンタレスステークス(GⅢ)
父*ドレフォン、母スペシャルグルーヴ、母父スペシャルウィークという血統。
父は2016年のBCスプリントなど短距離G1を3勝したアメリカのスプリンター。日本で種牡馬入りし、初年度産駒から皐月賞馬ジオグリフを送り出して芝でも大きな注目を集めたが、産駒の活躍はどちらかといえばダートが多い。ミッキーファイトは3年目の産駒。
母は今や日本の一大牝系となっている女帝エアグルーヴを祖母に持つ。自身は2戦未勝利だが、エアグルーヴ牝系の中でも特筆すべき繁殖成績を挙げている1頭。ミッキーファイトは第8仔。
母父は言わずと知れた1998年クラシック世代の「日本総大将」。母父としては代表産駒シーザリオの産駒GⅠ馬3頭のほか、クラリティスカイ、ディアドラ、タガノビューティーなどを送り出している。
5歳上の半兄に中京記念勝ち馬グルーヴィット(父ロードカナロア)、そして4歳上の半兄にチャンピオンズカップを勝ったジュンライトボルト(父キングカメハメハ)がいる。
2021年5月5日、ノーザンファームで誕生。オーナーはミッキーアイル、ミッキークイーン、ミッキーロケットなど「ミッキー」冠を用いる野田みづき(「ダノン」冠の野田順弘の妻)。
レモンポップを管理する美浦・田中博康厩舎に入厩。兄姉はみんな芝デビューだったが、ジュンライトボルトが芝からダート転向で成功したのとドレフォン産駒ということもあってか、ミッキーファイトは最初からダートでデビューすることになった。
というわけでデビューは2023年10月15日、東京・ダート1600mの新馬戦。津村明秀を鞍上に3.9倍の2番人気に支持されたが、スタートでゲートが開いたのに驚いて出遅れ、中団からになってしまう。田んぼみたいな不良馬場の中、先行勢から3番人気セントラルヴァレーが抜け出し、残り200mでもまだ5馬身以上離されていたが、そこから猛追。最後はセントラルヴァレーがゴール直前で突然ミッキーファイトの前を横切るように外へ大斜行してきたが、怯むことなく差し切り、デビュー勝ちを飾る。
続いては12月10日の中山・ダート1800mの平場1勝クラス。鞍上は戸崎圭太を迎え、以降戸崎が主戦となる。大外の8枠15番ながら前走の勝ちっぷりから3.4倍の1番人気に支持されると、今回も若干出遅れかけたが戸崎が促してスムーズに好位を確保し、直線で逃げ込みを図ったブルーサンをあっさりと捕まえると、あとは思うままちぎり捨てて5馬身差で圧勝。勝ち時計も1:52.5の好時計で、2戦2勝で2歳を終えた。
明けて3歳は新設されたダート三冠を目指したが、ここからしばらくはなかなか順調に行かなかった。
一冠目の羽田盃に出るにはトライアル出走が必須なため、まずはトライアルの雲取賞に登録。しかし中央枠は3頭しかなく、重賞馬イーグルノワールとオープン勝ちのアマンテビアンコで2枠が埋まったため残り1枠を収得賞金900万円組で争うことになったのだが、ミッキーファイトは補欠2番手。最初に選出されていたエコロガイアが回避したが、繰り上がったのは補欠1番手までで、あえなく出走枠漏れとなってしまった。ちなみに補欠1番手で繰り上がったのが前走でちぎり捨てたブルーサン。で、レース自体もブルーサンが逃げ切っただけに、尚更出られていれば……と、ダート三冠の中央枠の狭さに泣くことになった。
もちろん陣営もそのことは承知であり、アメリカ三冠にも予備登録していたのでそちらの路線のヒヤシンスステークスとの両睨みだったのだが、頓挫があってそっちも回避。仕方ないのでもうひとつのトライアル・京浜盃を伏竜ステークスとの両睨みで目指したのだが、結局そこにも間に合わず、羽田盃は断念することになった。
それでもどうにか東京ダービーを目指して、トライアルのユニコーンステークス(GⅢ)に出走。2.8倍の1番人気に支持された。しかし2枠4番という内目の枠が仇となり、先行集団の中で進めたものの勝負どころで馬群の中で揉まれてしまい、ごちゃついているうちにラムジェットに抜け出されて完敗の3着。結局春のダート二冠には出られずに終わった。
一休みして秋のジャパンダートクラシックを目指し、トライアルのレパードステークス(GⅢ)へ。前走がアレだっただけに1枠1番がやや気がかりであったものの、2.2倍の1番人気に支持される。レースは揉まれずに済む3番手の好位をスムーズに確保し、逃げるブルーサンを見ながら追走。4角で外に出すと、先に抜け出したサトノフェニックスをあっさりとかわして完勝。重賞初制覇を飾り、無事にJDCの優先出走権を確保した。
というわけで迎えたジャパンダートクラシック(JpnⅠ)。しかしここにはこの世代の主役が満を持してやって来た。そう、ケンタッキーダービーでの悔しい3着から帰国初戦のフォーエバーヤングである。海外帰りのあちらが1.7倍の断然人気に対し、迎え撃つ国内組としてミッキーファイトは東京ダービー馬ラムジェット(3.6倍)に次ぐ6.5倍の3番人気に支持される。
スタートがもう一息という感じで中団からのレースになったミッキーファイトだったが、向こう正面でラムジェットが早めに押し上げて行くのを気にせず先行集団に付いていき、4角で外からラムジェットをかわして直線を向く。あとは前を行くフォーエバーヤングを捕らえるのみ、じわりじわりと詰め寄ったが、残り100mでフォーエバーヤングにもうひと伸びされてはさすがに届かず、1と1/4馬身差の2着。3着サンライズジパングは5馬身ちぎっただけに悔しい敗戦となった。
フォーエバーヤングの出る東京大賞典はさすがに賞金的に無理なので、年内ラストは名古屋大賞典(JpnⅢ)へ。無敗馬ヤマニンウルスが大きな注目を集める中、1.8倍のヤマニンウルスに対し2.6倍の2番人気に支持される。課題のスタートを決めて逃げるノットゥルノを2番手で追走すると、直線でもそのまま粘るノットゥルノとの追い比べとなったが、クビ差かわして勝利。古馬を蹴散らして重賞2勝目を挙げ3歳シーズンを終えた。
明けて4歳初戦はフェブラリーステークス(GⅠ)。根岸Sを勝ってきたコスタノヴァ、武蔵野S勝ちから直行のエンペラーワケア、前年覇者ペプチドナイルら古馬勢と、同期サンライズジパングと5頭が単勝1桁オッズという混戦ムードとなったが、JDCでフォーエバーヤングに詰め寄ったことも評価されてか3.3倍の1番人気に支持された。
戸崎圭太も「完璧な仕上がり」と太鼓判を押す状態でレースを迎え、スタートにやや課題があるだけに7枠14番という外目の枠も好材料と見られていたが、今度はその外枠が仇となり、中団で終始外々を回されることに。直線ではペプチドナイルと馬体を併せて脚を伸ばしたものの、先に抜け出したコスタノヴァに押し切られ、内から突っ込んで来たサンライズジパングにもかわされて無念の3着。
フェブラリーSで賞金を積めなかったため、賞金を稼ぎにアンタレスステークス(GⅢ)へ。鞍上はクリストフ・ルメールに乗り替わりとなった(戸崎圭太はオメガギネスに騎乗)。1.8倍の断然人気に支持されると、スタートを決めて3番手の好位を確保。直線あっさり抜け出すとあとは後続を突き放し、2馬身半差で完勝。改めて実力を見せつけて重賞3勝目を挙げた。
というわけで引き続きルメールと帝王賞(JpnⅠ)に参戦。サンライズジパングが回避、メイショウハリオが疾病で除外となったため、現役トップの一角ウィルソンテソーロ、同期ラムジェットのドバイ帰り組との対決となったが、最終的に1.7倍の断然人気に支持された。
2枠2番からスタートを決めると、最内枠のヒーローコールが逃げるのを、ぴったりと並んで2番手で追走。3角前で早くもヒーローコールが力尽きると先頭に立ったが、そこへウィルソンテソーロとノットゥルノが迫ってきて、3頭横並びで直線を向く。しかし内で力強く伸びたミッキーファイトは2頭を振り切って突き放し、外からは4番人気アウトレンジが猛然と追い込んできたが、その追撃をクビ差凌ぎきったところがゴール板だった。
3度目の挑戦で待望のGⅠ級初制覇。交流重賞では中央の芝ほど無双しないルメールはゴールドドリームの2019年かしわ記念以来6年ぶりの交流GⅠ級勝利となった。
夏休みを経て、フォーエバーヤングが日本馬初のBCクラシック制覇を果たしたその翌日、船橋1800mのJBCクラシック(JpnⅠ)へ直行。ウィルソンテソーロ、サンライズジパング、キングズソード、メイショウハリオと国内ダート中距離の主要メンバーが揃ったが、ここでも1.7倍の圧倒的支持を集めた。
サントノーレがハナを切り、シャマルやキングズソード、ウィルソンテソーロも好位を伺う中、ミッキーファイトとルメールは虎視眈々と5番手につけて向こう正面から徐々に進出、シャマルをあっさりかわすと4角でもうサントノーレを捕まえて先頭へ。そのまま直線でサントノーレをあっさりと置き去りにすると、後方からただ1頭追い込んできたメイショウハリオも歯牙にもかけず、そのまま3馬身差で押し切って完勝。
エバヤン以外には負けられぬとばかりに横綱相撲でGⅠ級2勝目。国内ダート中距離王座の地位を確固たるものとした。ルメールは前日の天皇賞(秋)(マスカレードボール)に続いて2日連続のGⅠ勝利となった。
田中師によると体質的にチャンピオンズカップはちょっと厳しそうとのことで、次走は東京大賞典(GⅠ)の見込み。エバヤンは年内休養だそうなので、再戦は来年の海外になりそうだ。同厩舎のナルカミら下の世代もダート戦線に加わってくるが、まずは東京大賞典で1歳下の二冠馬ナチュラルライズに貫禄を見せられるか。
| *ドレフォン 2013 鹿毛 |
Gio Ponti 2005 鹿毛 |
Tale of the Cat | Storm Cat |
| Yarn | |||
| Chipeta Springs | Alydar | ||
| Salt Spring | |||
| Eltimaas 2007 鹿毛 |
Ghostzapper | Awesome Again | |
| Baby Zip | |||
| Najecam | Trempolino | ||
| Sue Warner | |||
| スペシャルグルーヴ 2007 栗毛 FNo.8-f |
スペシャルウィーク 1995 黒鹿毛 |
*サンデーサイレンス | Halo |
| Wishing Well | |||
| キャンペンガール | マルゼンスキー | ||
| レディーシラオキ | |||
| ソニックグルーヴ 2003 鹿毛 |
*フレンチデピュティ | Deputy Minister | |
| Mitterand | |||
| エアグルーヴ | *トニービン | ||
| ダイナカール |
クロス:Deputy Minister 5×4(9.38%)
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掲示板
38 ななしのよっしん
2025/11/05(水) 10:40:22 ID: 6hDxjQBE1S
エバヤンが走らないから国内ダートのレベルがガクンと下がってるな
歴代最強に近いレモンポップがいなくなったから仕方ないとはいえ
39 ななしのよっしん
2025/11/09(日) 21:29:12 ID: 9dxB4hhiTg
必死ぶりにJDC見返したらこいつの下は大分ちぎってるし同世代でも相当力のある方だな
40 ななしのよっしん
2025/11/19(水) 09:12:09 ID: ottfcw9Bko
>>38
もうちょいしたらナチュラルライズが来るとはいえ、ルクソールカフェは府中マイル向けで他の面子も重賞は獲れそうだけど現状パッとしなさそうだなぁ…ナルカミはもう海外視野で国内では滅多にお目に掛かれんかも
急上昇ワード改
最終更新:2025/12/11(木) 14:00
最終更新:2025/12/11(木) 14:00
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