N700系新幹線電車とは、新幹線車両である。
700系の後継車両として、また300系・500系の置き換え用車両として、JR東海とJR西日本が共同開発した。最高速度は山陽で300km/h、東海道で270km/hである。
本形式最大の特徴のひとつが車体傾斜装置の搭載である。
東海道新幹線区間内に点在する半径2500mのカーブでは従来の車両で270km/h走行すると既定値を超える横Gがかかってしまうため、カーブ上の速度は255km/hに制限されていた。N700系では車体傾斜装置により車体を最大1度傾けることで、半径2500mのカーブを最高速度で走行しても規定値以下の横Gに収めることが可能となった。その結果、東海道新幹線区間での255km/h制限区間でも270km/hで走れるようになり、時間短縮に成功している。
なお、この車体傾斜装置はデジタルATCが整備されている東海道区間のみで、山陽区間ではまだATCの更新が行われていない事や線形が良く320km/hまでは車体傾斜が必要ない(※半径4000mのカーブの場合。)為使用されていない。そのかわり、車体の水平制御に活用されている(Z・N編成のみ)。山陽新幹線においても今後ATCの更新が行われるが前述の通り線形が良い為、ATC更新後に車体傾斜が使用されるかは不明。
また過密化している東海道新幹線において、いち早く最高速度に到達し、後続列車から逃げ切るために通勤電車並みの起動加速度2.6km/h/sを有する。これもデジタルATCを備えた東海道新幹線内部において最大限効果を発揮する能力であるため、山陽新幹線内では限定的な加速性能しか持たない。
開発当初は「700N」。N700は通称だったが、2004年5月に正式名称として採用された。形式番号はグリーン車が770番台、普通車が780番台となり700系と区別している。
300系・500系を順次置き換え、2010年3月13日のダイヤ改正時から東海道・山陽新幹線を直通する定期ののぞみ号がN700系で運転されている。さらに2012年3月17日ダイヤ改正からすべての定期ののぞみ号がN700系で運転されている。
また、九州新幹線直通用に同系をベースとした7000番台と8000番台が開発されており、こちらは試験走行が山陽新幹線で行われたのち、2010年秋以降に九州新幹線で走行試験を行い、2011年3月12日から最速達列車「みずほ」と準速達列車である「さくら」を中心に山陽新幹線直通の運用を開始した。一部時間帯には各駅停車タイプの「つばめ」としても使用されている。
2011年5月30日には700系置き換え用のN700A(1000番台)の投入が発表されている。従来型との相違点は、ブレーキ強化、台車検知システムの搭載、定速制御機能の搭載などがあげられる。
JR東海所有のZ編成。計80編成製造され、300系J編成を置き換える。
なお、量産先行車のZ0編成は量産化改造されずに300系J1編成の後継として試験を継続している。
2012年4月1日時点ではZ0編成(量産先行・試験車両用、9000番台)及びZ1~Z80編成が在籍している。最終のZ80編成は2012年3月1日に落成。
配置状況は以下の通り(2013年4月1日時点)
| 車両所 | 所属編成 |
| 東京交番検査車両所 | Z0・Z1~Z25・Z41~Z58 |
| 大阪交番検査車両所 | Z26~Z40・Z59~Z80 |
今後N700Aにて採用される機能の一部(中央締結ブレーキディスク・定速走行装置)を搭載する改造が2013年度~2015年度の3年間、改造費230億円をかけて浜松工場にて行われる(■)。
なお、改造が行われた車両はロゴマークに「A」が追加され、編成名及び車番も「X」で「2000」番台と変更される。改造第1号は、X65(旧Z65編成)編成。
JR西日本所有のN編成。700系と違いJR西日本のオリジナル性は全く出されておらず、唯一の違いはJRロゴのカラーのみ。計16編成製造された。
2012年4月1日時点ではN1~N16編成が博多総合車両所に在籍している。今後Z編成と同様にN700Aの機能の一部を搭載する改造が2013年度から2015年度にかけて博多総合車両所にて行われる。
JR西日本所有のS編成は19編成、JR九州所有のR編成は10編成製造される。2010年には量産先行車(S1編成)と量産車S2編成が山陽新幹線で試運転を行い、R1編成も熊本総合車両所に搬入された。
東海道区間には営業車両としては乗り入れないため、車体傾斜装置は設置していない(準備工事はしている)。
主に「みずほ・さくら・つばめ・こだま」や700系7000番台「ひかりレールスター」を置き換える形で「ひかり」に充当されている他、運行状況によっては特発「のぞみ」にも充当される。
内装は700系7000番台の理念を踏襲しつつ発展させ、普通車指定席はグリーン車に迫る広さを誇る2&2シートが引き続き採用した他、新たに6号車の半室にグリーン席が用意された。グリーン席は普通車指定席との差別化を図るために枕タイプのヘッドレストやレッグレストが取り付けられ、他のN700系グリーン車と比べても上質で重厚感のある造りとなっている。なお普通車自由席は通常の3&2シートである。
また、台車は0・3000番台と違い500系やレールスター等で使用されている台車をベースとしている。
2010年10月1日時点では7000番台S編成はS1~S6編成、8000番台R編成はR1~R4編成が落成していて、2011年3月12日の時点では7000番台はS1~S9までの9編成が、R編成は全10編成が運用に就いている。
2012年4月1日の時点では当初予定の全29編成(S1~S19、R1~R10)が運用に就いているが、今後集約臨の関係からR11編成が増備される。2012年10月1日時点の配置状況は以下の通り。
| 車両所 | 所属編成 |
| 博多総合車両所 | S1~S19 |
| 熊本総合車両所 | R1~R11 |
2012年以降、順次寿命を迎える700系C編成の一部を置き換えるために増備される番台区分。Z編成投入後にJR東海が保有する小牧の研究所で開発した定速装置などを採用(定速装置は通常時は使用すると早着してしまう為使用しない)。また、安全性の向上が行われている。Aは「Advanced」のA。
主な変更点は、車体に「A」のマークがN700部分に描かれる他、座席モケットのデザインもZ編成からより落ち着いた柄に変更され、車内照明を一部LEDへ変更することから電気消費量がZ編成に比べ約20%の削減となっている。また、2014年度以降の新製車はすべてのトイレに温水洗浄機能がつく。
ロゴやモケットの柄等はプレスリリースを参照(■)
編成記号は100系でかつて使用されていたGで、書類上は2012年8月25日に最初のG1編成が完成(※2012年6月30日時点で日本車輌製造が、”N700A完成”と明記→■)。JR東海は、2012年8月21日に浜松工場にて報道機関のみにN700Aの第1編成を公開した(■■■)。
東海道・山陽新幹線区間の試験走行を行い、2013年2月8日「のぞみ203号」「のぞみ208号」より営業運転を開始した(但し、運用自体は区別されずZ・N編成と共通運用)。JR東海は2012年度に6編成、2013年度に7編成、2014年度~2016年度に18編成(毎年度6編成)を増備する計画で1000番台は計31編成となり、N700系は0番台80編成と合わせJR東海所有編成全体の8割以上となる。またJR西日本は、2013年12月頃にN700AとしてN700系4000番台を1編成投入。4000番台の2編成目以降は不明だがJR西日本が「順次投入」としている為700系3000番台B編成の置き換え用に増備される可能性もある。
2013年4月1日時点の配置状況は以下の通り。
| 車両所 | 所属編成 |
| 東京交番検査車両所 | G1~G6 |
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最終更新:2025/12/13(土) 21:00
最終更新:2025/12/13(土) 20:00
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