カセット半挿し (カセット半差し) とは、やるほうも見るほうも「命がけ」のバグ技である。本来はネタプレイの一種であったが、ゲッダンとともに大ブレイクしてしまった。
カセット半抜きとも言うが、「半分挿した状態で起動」「起動中に半分抜く」ぐらいの違いだけで結果的には同義である。半抜きはNINTENDO64、半挿しはファミコンが多い。ニコニコ動画でタグの数が多いのは、2009年6月現在、カセット半挿しのほうである。
概要
ファミコンやNINTENDO64などのカートリッジ式ゲーム機のカセットを「半分挿さった状態」または「半分抜けた状態」でプレイすることにより、キャラクターの動きやパラメータなどの異常を起こさせて遊ぶカオスなバグ技である。
本来バグとは「プログラム上のミス・不具合」を指すので、厳密にはこれはバグではない。しかし、結果が「バグっている状態になる」のでみんなバグと呼んでいる。
警告!!!!!!!!
ハードごとの半挿し・半抜きのポイント
ファミリーコンピュータ
ファミリーコンピュータは、カセット半挿しバグの代表格である。
ファミコンのカートリッジは、任天堂が一手に生産を引き受けていたのちのハードとは違い、各メーカーごとに思いのまま生産していた。そのため、メーカーによって基板の厚さが異なり、厚すぎて本体のコネクタがゆるんだり、薄すぎて接触が悪くなったりで半挿し状態を引き起こすことが日常茶飯事であった。
しかも、多くのファミコンのカートリッジはコネクタの真ん中あたりを境目に「グラフィックデータ部分」「プログラムデータ部分」と明確にわかれている。そのため、プログラム部分さえきちんと接触していれば、グラフィック部分の接触が悪くて画面が盛大に乱れても、比較的容易にこのまま動作させることができる。画面表示を担当する本体内のチップとカートリッジ内のグラフィックデータが入ったROMが直結しているため、接触の具合でリアルタイムに画面の乱れ具合が変化するのも特徴である。うまくやれば、慎重にカセットを挿してゲームを止めずに半挿し状態から復帰させたり、逆に正常な状態から半挿し状態にさせたりというアクロバティックなことも可能である。
多くのゲームは、画面がバグっているだけの状態で動作自体には問題がない場合がほとんどである。しかし、ゲームによっては半挿しでグラフィックが乱れたままプレイした場合、異常な動作を起こしたり、ゲーム上のマップ配置が完全にバグったりすることがある。「マッピー」や「迷宮組曲」「ドラゴンボール3 悟空伝」などがこれに該当する。このあと、慎重にカセットを押し込めば、絵を正常に戻してゲームを続行することもできる。
スーパーファミコン
スーパーファミコンは、カートリッジ半挿しのチェックが強化され、「半挿しで起動」「ゲーム中に半抜き」のどちらも、ほとんどの場合は画面が真っ暗になるといういまいち面白くない結果となる。さらに、絵のデータはプログラムと混在して含まれており、使用される際にすべて本体に取り込まれている(コピーされる)ため、ファミコンのように「ゲーム中に半抜き」でリアルタイムに画面をバグらせることができない。
まれに少し乱れてフリーズした画面を拝むことはできるが、画面がバグったまま動作したり、おかしな動作を起こしたりという状態を起こすことは非常に難しく、ニコニコ動画でもそのような動画はまだ確認されていない。
スーパーゲームボーイ
これはカセット半抜きともカセット半挿しとも言えないのだが、この場を借りて補足しよう。
スーパーゲームボーイのゲームボーイカートリッジをプレイ中に強引に交換することで、背景(額縁)を保持したまま他のゲームを遊ぶことができるが、カートリッジのダメージ次第では、セーブデータどころか内部データも破壊されるので注意。
NINTENDO64
NINTENDO64は、多くのプログラムやデータをカートリッジから本体のメモリに一旦取り込んでいる。CD-ROMを採用したゲーム機と似たような構成である。
ファミコンやスーパーファミコンは、カートリッジのROM上にあるプログラムをリアルタイムで読んでいるため、カートリッジと本体の接触が断たれるとすぐに動作が止まってしまうが、NINTENDO64は、その方式の違いから、これまでの機種とは趣の違う現象が発生する。
N64ではキャラクターのモーションデータや音声データを逐一カートリッジから読む場合があるため、特定の一部分をゆっくり浮かせて「半抜き」状態にすることで、ゲームの動作を保ったまま「キャラクターがゲッダン状態になる」「音声が乱れて雑音バリバリの状態になる」という現象を起こすことができる。しかし、画面全体がバグることが多いファミコンとは違い、ゲッダンと音声以外の部分はほとんどバグらないため、非常にシュールかつ奇妙な光景となる。
ニコニコ動画でよく半挿しにして遊ばれているゲームは「ゴールデンアイ007」「スーパーマリオ64」「F-ZERO X」の3本である。F-ZERO Xは、自分のマシンの最高速度が5倍ぐらいになってしまう異常な動作を来す珍しいソフトである。「風来のシレン2」に至っては、半抜きにより本来表に出ない「デバッグモード」が出現する。
半抜きにより乱れた音声は、その抜かれ具合によりポケモン「ネイティオ」の鳴き声によく似たものになることがあり、タグやニコニコ市場にしばしばネイティオの名前が出現する。
関連動画
関連項目
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