夜マックアニメ単語

ヨルマックアニメ

5.1千文字の記事

掲示板へ

記事編集

「夜マックアニメ」とは、2023年 9月から11月にかけて日本マクドナルドがX（旧Twitter）やTikTokに投稿した、ショートアニメ動画広告シリーズである。

概要

日本マクドナルド公式アカウントが「ポテナゲ」の広告としてXやTikTokに投稿したショートアニメ動画シリーズである。2023年 9月20日に投稿された最初の投稿から始まり、本記事初版作成日である2023年 11月5日までに全6編が投稿された。

「ポテナゲ」とは「マックフライポテト」と「チキンマックナゲット」の人気サイドメニューをセットにしたもので、毎日午後5時から限定の「夜マック」という区分のメニューである。2018年 8月1日から販売されている^[1]。

絵・アニメーション・キャラクターデザイン（一部除く）は、イラストレーターの「浦浦浦ちゃん」氏が担当した。

ツイートを読み込み中です
 https://twitter.com/urachan1629/status/1704420320223154230

いずれの動画も時間は20秒とごく短いもの。どの動画もアニメ内のどこかに「夕焼け空」が描かれており、「夕方」をフィーチャーしている。「夜マック」という名前だけど5時以後の夕方にはもう注文できるのですよ、とアピールする意図があったのかもしれない。

BGMとして童謡「赤とんぼ」のジャズ風のインストゥルメンタルアレンジが流れておりノスタルジーを感じさせるが、この童謡も「夕やけ小やけの赤とんぼ」という歌詞から始まるものであり、「夕方」をイメージさせる楽曲として選ばれたものか。なお、日本マクドナルドは「特別じゃない、しあわせな時間。」の投稿より数日前からこの楽曲が歌われるポテナゲのテレビCMも放映しており、そちらとの関連もあったかもしれない。

ツイートを読み込み中です
 https://twitter.com/McDonaldsJapan/status/1702155209055555874

この動画シリーズ、特に最初に投稿された「特別じゃない、しあわせな時間。」は日本だけでなく世界各国からの人気を集め、わずか4日間でX上では1億回以上再生され、数十万回の「いいね」が押されたという。

それぞれの動画の詳細

「特別じゃない、しあわせな時間。」

2023年 9月20日に投稿された、最初の動画。自宅のダイニングキッチンらしき場所でポテナゲを食べている、若い夫婦とその娘かと思われる3人の団欒を描いている。

「男性に抱っこされた女の子に女性がマックフライポテトを食べさせてあげる。美味しさに上機嫌になった女の子は頭をぶんぶんと振り、男性と女性はその様子に笑みをこぼす」という内容。

最初の投稿ということもあり、この動画が最も注目と人気を集めたようである。

「こんな時間を大切にね。大人より」

2023年 9月20日に投稿された、2番目の動画。河川敷らしき場所に座り込んでポテナゲを食べている、制服を着た男子学生と思われる3名を描いている。

「風が気持ちいい。夜はこれから。」

2023年 9月24日に投稿された、3番目の動画。吸血鬼、ミイラ、フランケンシュタインの怪物、狼女、魔女の5人がオープンカーに乗って、ポテナゲを食べつつ夕焼け空の下で水辺の近くを走っている光景を描いている。

ちなみに、マクドナルドは2022年から妻夫木聡が扮する吸血鬼の「夜マック店長」を始めとした、怪物らが登場する夜マックの広告キャンペーンを行っている。その関連のテレビCMやポスターにはミイラ男、フランケンシュタインの怪物、狼男などの怪物キャラクターのイラストも用いられており、これらのキャラクターのデザインを元にしたのではないかと思われる。

ポテナゲ「夜マック店長／夕焼けの歌（アニメ）」30秒 - YouTube

ツイートを読み込み中です
 https://twitter.com/McDonaldsJapan/status/1719255385264046221

ツイートを読み込み中です
 https://twitter.com/McDonaldsJapan/status/1702223156579078166

なおそのキャラクターイラストはイラストレーターの「市村譲」氏が手がけたものではないかと思われる。後述するがこの広告シリーズに関する記事に掲載されたスタッフリストにて2人目のキャラクターデザインとして市村譲氏がクレジットされており、さらに氏の公式サイトの過去作品紹介ページ内「渋谷ハロウィーンマナー向上プロジェクト」のイラストでの怪物のデザインがよく類似しているため。

ちなみに最初の投稿動画でも、画面下方にてこれら怪物のキャラクターらのキーホルダーが描かれており、また最後の投稿動画でも、これらのキャラクターらのぬいぐるみが描かれている。

「日本のどこかにある青春」

2023年 11月1日に投稿された、4番目の動画。男子学生服を着た人物と女子学生服を着た人物が、夕方のマクドナルド店内らしき場所でじゃれあいつつポテナゲを食べている光景を描いている。

これまでの3作とは異なり、「日本のどこかにある青春」という投稿コメントはXの投稿には添えられず、TikTokの方にだけ添えられた。

「長いポテトみっけ！」

2023年 11月3日に投稿された、5番目の動画。4番目のものと同じく夕方のマクドナルド店内と思われる場所にて、父親とその息子と娘かと思われる3人がポテナゲを食べている光景を描いている。

「特別じゃない、しあわせな時間。」

2023年 11月5日に投稿された、6番目で最後の動画。自室らしき場所でスマートフォンを眺めてくつろぎながらポテナゲを食べている、女性らしき人物を描いている。

添えられた言葉は最初の投稿と全く同じ「特別じゃない、しあわせな時間。」というもの。最初の投稿では家族3人の団欒を描いていたが、こちらは自室内で（おそらく）1人でくつろぐ時間を描いており、対照的でありながら同じ言葉で表現されている。同じ「特別じゃない、しあわせな時間」にも多様な形がある、ということを示しているのかもしれない。

制作スタッフ

本記事「概要」でも既に触れたように、絵やアニメーションやキャラクターデザインは、主にイラストレーターの「浦浦浦ちゃん」氏が担当した。

「バズフィードジャパン」に掲載された、この短編アニメに関する同氏へのインタビュー記事によると、氏は1月にアメリカの大学を卒業したばかりのフリーのイラストレーターであり、実はこれが商業として初の仕事であったという。2023年 3月21日に氏が自らのInstagramに投稿した「🍜目指せラーメンマスター🍜」という動画を見た広告代理店の担当者から依頼を受けてこの仕事が決まったとのこと。

ツイートを読み込み中です
 https://twitter.com/urachan1629/status/1638124156201074688

また、「AdverTimes.」に掲載されたこの短編アニメに関する記事には「スタッフリスト」が掲載されており、本記事でも引用掲載する。

企画制作：連＋電通＋ギークピクチュアズ
クリエイティブディレクター：佐々木宏
企画＋コピーライター：花田礼
企画：取越和貴
アートディレクター＋イラストレーター＋キャラクターデザイン＋演出＋アニメーション：浦浦浦ちゃん
アートディレクター：浜辺明弘
プロデューサー：谷村直泰
プロダクションマネージャー：小和田司
音楽プロデューサー：丸橋光太郎
キャラクターデザイン：市村譲
アカウントエグゼクティブ（営業）：辻崎英介、清野絢、高崎祥子

以上のスタッフリストによれば、「アートディレクター＋イラストレーター＋キャラクターデザイン＋演出＋アニメーション」としてクレジットされている「浦浦浦ちゃん」の他に、「市村譲」氏もキャラクターデザインとしてクレジットされている。前述のように、「風が気持ちいい。夜はこれから。」でメインとされた怪物キャラクターの元イラストの担当者としてのクレジットか。

本シリーズの名称について

これらのアニメ動画シリーズ全体を指す公式の呼称はあまり明示的に示されていない。

だが、日本マクドナルドのTikTok 公式アカウントが本シリーズを投稿する際に付けていたハッシュタグ3つのうち1つが「#夜マックアニメ」だった。他のハッシュタグは「#ポテナゲ」「#赤とんぼ」。

さらに、2023年 11月5日に最後の動画「特別じゃない、しあわせな時間。」が投稿された後に続いてXに日本マクドナルド公式アカウントによって投稿されたコメント内に「これにて、9月からスタートした夜マックアニメシリーズ、いったん完結です。」とあった^[2]。また「浦浦浦ちゃん」氏もこの動画を引用した投稿内でも「僕が9月から制作しました夜マックアニメシリーズはこれにて終了です！」とあった^[3]。