CPUダービーとは、ユーザーを介さずにCPUのみでシミュレーションゲームをプレイする事である。
概要
「信長の野望」や「三國志」等の複数勢力が陣取り合戦を行うようなシミュレーションゲームには、0人プレイ(観戦モード)の機能が付いている事が多い。
そもそも0人プレイは、そのゲームをプレイする前にCPUだったらどういうアルゴリズムでプレイするか、動きを観察するなどの目的でこのモードは使われる。たいてい各勢力の強弱やルールに沿ってシミュレートされていくが、決まった勢力が統一(ゲームクリア)するか、一進一退のgdgdな状況のまま延々と続くなど、ずっと見ようと思うものではない。
だが、そんな0人プレイを最後まで楽しめる作品がちゃんと存在するのである。「信長の野望 天翔記」がその最もたる例である。というのもこのゲームの特徴は
- 一度戦争を起こすと、当事者間以外の周辺勢力も戦争に参加することができる
- 最大9箇所の拠点が巻き込まれるため、一度の戦争で勢力図ががらりと変わることがある(中規模程度の勢力でも油断ができない)
- 平時でも野望の高い軍団長が独立することがあり、統一間近の勢力でも油断ができない
というコーエーのシミュレーションゲームにしては珍しくCPUがダイナミックな動きを見せるため、どのシナリオでもたいていどこかの勢力が全国統一し、かつ統一勢力は最後までどことは読めない。
ちなみに同じコーエーゲームの三國志では、『三國志V マスターブック』において各シナリオごと、各勢力を馬にたとえてどの勢力が統一するか(最後まで生き残るか)シミュレーションするというコーナーを設けており、これがCPUダービーの元ネタかもしれない。
信長の野望 天翔記のCPUダービー
CPUダービー動画の元祖は、やたのまが氏が「信長の野望 天翔記」(セガサターン版)において、0人プレイ(観戦モード)でどの勢力が統一するか、あらかじめ視聴者に1位2位3位ビリを予想させて、集計を取ったところで実際のプレイ動画を流し、ルールに従い視聴者の予想順位を発表するという企画をしたのが始まりである。
その後、akiya氏が上記の企画を継承し、同じ天翔記のWindows版においてこのCPUダービーを開催、今に至っている。
天翔記のWindows版(パワーアップキット版)は相当細かくCPUのアルゴリズムを設定でき、また改造シナリオも用意できるため、何度レースを開いてもどこが勝つか予想がつかず(過去のレース等で傾向と対策を見ることはできるが)、全く飽きさせない工夫がされている。また氏のBGMのチョイスや演出の上手さも、多くの視聴者の支持を得ている理由といえよう。
akiya氏のCPUダービーの他、「東方天翔記CPUダービー」という企画も開催されていたが、現在は無期限休止中である(該当項目を参照のこと)。
また「デレマス天翔記・CPUダービー」という企画も存在する(同じく該当項目を参照)。
akiya氏主催の天翔記CPUダービーの概要
2007年以来、70回以上に渡って続いている長寿シリーズとなっている。たびたびルール変更が行われているが、2022年春の時点でのルールは以下の通り。(ルールは毎回のOPでも解説されている)
- 上位1・2・3位となる大名家を予想する。
ピタリ当たれば上からそれぞれ20P、12P、8P。的中者が一人だけならポイント倍増。順位違いはひとつ4P。 - ワースト3に入る大名家をひとつ予想する。
順位に関係なく8P。的中者が一人だけならポイント倍増。降伏は含めず。 - 軍団長の独立回数予想。
ピタリ10P、1回違い4P。 - 討取・梟雄予想。討取・暗殺・独立などで暴れる武将を予想する。
各行動ごとにポイントが設定されており、予想した武将のポイントがそのまま得点となる。1位の武将は+4P。 - 天下が統一される、ゲーム終了する年を予想。
ピタリ10P、1年違い5P、2年違い3P。
レース開始時には予想の集計から参考オッズも発表される。下位予想における神保や一条は1倍台も珍しくない。そんな参加者の予想を覆すようなCPUの大暴走もたびたび見られるのだが・・・。
一度滅亡した大名家が、旗揚げや軍団長独立で復活した場合(家紋が同じなら)敗者復活としてレースに復帰する。残り2家となって、3位まで確定した状態で別の家が復活した場合は、一度3位になった家も3位扱い(同着)となる。特に甲斐武田家は独立の頻度が高く、滑り込みに定評がある。
ゲームスタート時点で大名ではない家が旗揚げや軍団長独立をしても、順位には関係ない空馬とみなされる。稀にこの空馬が天下統一してしまう事もあるが、この場合は最後に滅亡した家が優勝となる。
大名死亡時の跡継ぎが別の大名家の一族だった場合、勢力を乗っ取ったとみなされる。この勢力が優勝した場合に限定して、乗っ取った大名に予想した人にもボーナスポイントが入る。しかし、天下を統一する勢力は後継人事も盤石な場合が多く、非常にレアなパターンである。狙って予想するのはほぼ不可能。
以下、小ネタなど。
- BGMに三國志IIの「魏の戦闘テーマ」が流れたら軍団長独立の合図である。「いつものBGM」「いつもの音楽」として親しまれると同時に、波乱の展開に期待する視聴者多数。
- 序盤に一度オプーナのBGMが流れる事が多い。
- 征夷大将軍就任イベントが発生すると、大抵は嵐世記の「覇天への路」がBGMとして流れる。ほぼエンディング一直線・・・なのだが、ごく稀に将軍就任後にひっくり返される事もあるからCPUダービーは分からない。実際、新将軍家が滅亡して覇天への路が2回流れたレースもある。
- 自作シナリオ・改造シナリオによるレースもたびたび行われている。特に領地入れ替えレースは毎回波乱の展開となる。
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関連項目
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