Unity3Dとは、Unity Software Inc.(ユニティ・ソフトウェア)によって提供されている、マルチプラットフォーム対応のゲームエンジンである。単に「Unity」と呼ばれることもある。というかそっちの方が多いかもしれない。
概要
Windows、MacOSXで利用できるゲーム開発環境で、2015年の時点では
- Windows(デスクトップとWindows Storeアプリどちらも)、OSX、Linux
- iOS(2013年5月21日より無料で可能)、Android(2013年5月21日より無料で可能)、Windows Phone 8
- Web(旧来のプラグイン方式の他、Unity5からはプラグイン不要のWebGLを用いる方式が追加。現在プレビューとして公開)、Flash(有料、※2013年4月に開発打ち切りが発表された)
- PS Mobile(betaが2014年2月よりスタート[4gamer記事]。ただしUnity5は未対応)
への出力ができる。
各種モバイル、VR、コンソール(承認プロセスはプラットフォームホルダーごとに異なる)にも対応している。→ マルチプラットフォーム | Unity
2023年9月に新しい料金システムを発表したものの、[1]これは開発者たちから大きな反発を受けたため、後にさらに変更を加えた料金システムを公表している。[2]
料金
個人、小規模チーム、学生は無償だが、ゲームスタジオや他業界の企業は有料で、料金はPlus、Pro、Enterpriseなどのプランによって異なる。→ Unity Store - Unity プラン(Plus、Pro、無料プラン)の比較。皆さんのプロジェクトにとって最適な 2D/3D エンジンをお選びください。
無料版でもかなり高度なゲームを作ることができるので、最初から商売を考えて始める場合でも、企業(年商100,000ドルを超えている)で導入する場合を除き、無料版をいじって学習するのがいいかもしれない。
また、2013年5月21日よりmobile向けの出力も無料版で利用できるようになった。[プレスリリース]
無料版の範囲で使える機能だけでもかなりの量があるので学習するのがかなり大変である。
Unity5では無料版とPro版で出来ることが大幅に変化し、これまではPro版限定だった
- パフォーマンスの最適化に必要な機能(LOD,Occulusion Culling, Profiler等)
- 高度なグラフィック機能(リアルタイムシャドウ、HDR、light probe、イメージエフェクト)
- アセットのストリーミング(シーンを実行しながら裏でデータを読み込む機能)
等の機能が無料で使えるようになった一方、有料プランの契約を結ぶことでより高い開発効率を上げる機能や、大規模な開発のための機能にアクセスできるようになる。
- スタート時のスプラッシュスクリーン変更
- プレイ状況の分析をサポートするクラウドベースのツール
- クラウドビルド(クラウドサービス側でゲームをビルドして、配信してくれる。自分で更新して配信する手間が省ける)
- エンジンバグへの優先対応・β版へのアクセス権
- アセットストアで月替わりの特別割引・無料アセットの提供
- (追加の条件および支払が生じるが)Unityのエンジンのソースコードへのアクセス
導入コストは上記で紹介したものだけで、売上に対するロイヤリティは一切かからず、100,000ドル以上の年商がない限りは無料でゲームをリリースし、どんなに売上ても100,000ドルに満たなければこれ以上のコストはない。100,000ドル以上の年商がある場合でも、pro版のライセンス料だけで良いので、かなり手頃な制作環境となっている。
新料金システム
2023年に新しい料金プランが発表されているが、これは2024年以降にリリースされる長期サポート版(LTS)を使用して作られたゲーム、及び開発中に対象の長期サポート版にアップグレードしたゲームのみが対象となる。→ 各UNITYプランへの変更点について
どんなの作れるの?
Unityは3Dゲームしか作れないという誤解があるが、ソーシャルゲームで使われる2Dゲームの実績もある。また、バージョン4.3(2013年秋頃登場)より2Dゲームを作成するための機能が強化されており、2D用の物理エンジン、スプライト周り、アニメーション関係の強化がなされた。2017年の新バージョンではRPGなどにほぼ必須のタイルマップ機能までも標準機能として提供される予定。Unityのみでつくられたサンプルプロジェクトがあるので参照すると幸せになれるかもしれない。
また、コーディングはできるけど、3Dモデル、BGM、サウンドFX等なんて作れない、あるいは逆に3Dは作れるけど他できないって場合、もっと究極的に"当方ボーカル、他のメンバー募集"なんて場合にも、Unity内に用意されているAsset Storeの仕組みを利用すれば、これらの足りない部分を補うことができる。下手に自前で作るよりクオリティが高い上に、値段もそこまで高くないので利用する価値はかなり高い。ある意味、クラウドソーシングしてるかのように、必要なものが手に入る。自分がやりたいことに集中できるのもUnityの特徴かもしれない。
特に著名なアセットの制作元はUnity社に買収されることがあり、便利なスクリプト機能が無料で使えたりする。また、Unity日本法人の取り組みとして「ユニティちゃん」およびそれに関係するアセット類などを継続的に提供している。これらを集めてプログラミングを進めるだけでも簡単なゲームなら十分に完成できるだろう。
関連動画
関連チャンネル
関連リンク
関連項目
脚注
- *Unity のプランの価格設定とパッケージの更新 2023.9.12
- *コミュニティへのご報告 2023.9.23
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