谷口広明(たにぐち ひろあき)は、日本のフリーアナウンサーである。愛称はボヤッキー。
概要
大阪府立羽曳野高等学校から追手門学院大学を卒業後、サラリーマン生活を経て、2000年に大阪の芸能事務所・昭和プロダクションに入り、フリーアナウンサーとして活動をスタートした。スポーツアナウンサー志望だったが、当初は音楽番組やイベントのMCなどが中心だった。
転機となったのは2001年。オリックス・ブルーウェーブ(現在のオリックス・バファローズ)のボールパークナビゲーター(スタジアムDJ)として初代のDJ KIMURAに代わり、球団統合前の2004年まで4シーズン、場内アナウンスを務めた。
2005年から活動の中心を首都圏に移し、スポーツアナウンサーとして本格的に活動を開始。プロ野球やサッカー、ラグビー、ウインタースポーツ、自転車など、幅広いジャンルの実況を手掛けている。
2011年10月に個人事務所「Sports Zone」を設立して独立し、現在に至っている。モットーは「感動のスポーツシーンをあなたに」。
ニックネームの「ボヤッキー」は、往年のアニメ「ヤッターマン」の悪党キャラに似た顔立ちに由来するもので、元々はスタッフ間のニックネームだったようである。
前掲のように、年間を通じてスポーツ実況を幅広く手掛けており、時にはいつ休んでいるのか分からないレベルで八面六臂の活躍を見せることもある。そんなこともあって、Twitter上には「#谷口寝ろ」というマニアックなハッシュタグも存在する。
ニコニコにおけるボヤッキー
ニコニコ生放送ではプロ野球チャンネルのうち、2012年シーズンから横浜DeNAベイスターズ主催試合(映像はTBS・東通・横浜DeNA制作の共同映像、音声はニコニコ制作)において実況を担当している。
当初、ニコ生では「グッチ」「タニー」などのニックネームで親しまれていたが、2013年9月18日の対東京ヤクルト戦(横浜)で実況を務めたギョニキが「谷口アナウンサーは、大前さんなどから『ボヤッキー』と呼ばれている」とゲロったのをきっかけに、内輪のニックネーム「ボヤッキー」が明るみになった。他のアナウンサーのニックネームは放送内で半ば自然発生的且つ強制的に付けられたものがほとんどで、ちょっと特殊なケースである。
ニコ生ではその他、2015年シーズンから放送しているパ・リーグ5球団ディレイ中継のうち、埼玉西武ライオンズ(映像・音声ともテレビ朝日・埼玉西武制作)、千葉ロッテマリーンズ(映像・音声ともTBS・エキスプレス・千葉ロッテ制作)、オリックス・バファローズ(映像・音声ともJ SPORTS・エキスプレス・オリックス制作)の3球団分で実況・リポーターを務めているほか、プロ野球はじめスポーツ関連番組の進行役などを務めている。
「『MC』とは?」
2014年4月25日の対阪神タイガース戦。DeNAの先発投手は三嶋一輝。
この三嶋、3ボール2ストライクのカウントを与えることがやたら多く、いつしかそれに「三嶋カウント(Mishima Count,略称MC)という呼称が付けられた。
その試合の2回表二死二塁、三嶋は阪神の打者・藤井彰人を0ボール2ストライクと追い込むものの、そこから3連続ボールでフルカウント、これに対し視聴者から「MC」というコメントが多数投稿される。
その後、藤井をファーストゴロに打ち取ってスリーアウトチェンジとなり、四球や追加点は免れた。
攻守交代のインターバル後、2回裏の先頭打者・筒香嘉智が打席に立った、その時である。
ボヤッキーが「先ほどあの、質問で出ていましたけども、「MC」っていうのは、なんなんでしょうねぇ?僕も分かりませんでした、「MC」。ぜひよろしければ、教えて下さい。」とつぶやいた。
これに対し視聴者は、すぐにコメントで先述の三嶋カウントのことを教えると、「あ~、素晴らしい!なるほど。」と納得したが、三嶋はこのカウントから四球を与えることが多い(ちなみに2013年のセ・リーグ最多与四球投手である)ため、全く素晴らしくはない。
なお、藤井へのボールカウントが3-2になった瞬間の放送枠経過時間が33分40秒辺りだった。なんでや!
ちなみにこの「MC」、三嶋以外の投手が3-2のカウントを与えた場合にも使われるようになり、「お前さん」こと大前一樹アナや「ゆうちゃん」こと節丸裕一アナがDeNA枠の実況を担当した際にも同様のことを訊く場面があった。
罰ゲームからの生還
ニコ生DeNA枠はTBSと球団、そしてニコニコの共同制作で放送しており、ニコ生のスタッフも球団の共同映像の制作に携わっている。その中でニコ生の実況アナウンサーが担当するケースが多いのが、試合後の監督インタビューである。勝った試合のインタビューであれば、ウキウキモードの中畑清の表情を伝えることができる「ご褒美」となるが、逆に負けた場合、敗戦の弁を淡々と語るキヨシから言葉を引き出さねばならない「罰ゲーム」となってしまう。特に2014年シーズンは、ニコ生の実況アナが罰ゲームを担当するシフトが組まれるケースが多く、ビハインドの展開になると実況アナはファンやユーザーから憐れまれている。
ボヤッキーが実況を担当した2014年6月21日の対埼玉西武ライオンズ3回戦は中盤までDeNAがリードしながら、西武が徐々に差を詰めて9回に6-6の同点に追い付き延長戦に突入。
10回表、西武は脇谷亮太の西武移籍後初となった1号ソロ本塁打で勝ち越し遂に逆転に成功、ボヤッキーの罰ゲームがちらつき始めた。
そしてその裏、先頭の白崎浩之が二塁打で出塁するも、続く多村仁志は遊ゴロ。同点の好機ではあるものの一死となり、ボヤッキーはインタビューのスタンバイのため実況ブースを退席し、映像は場内音声のみとなった。井手正太郎は空振り三振。遂に敗戦、そして罰ゲームが目前に迫った。だが西武バッテリーは金城龍彦との勝負を避け敬遠。ルーキー・嶺井博希との勝負を選択した。ところがその嶺井が、右越えへフェンス直撃の大飛球を放ち2者が生還。殊勲の逆転サヨナラ適時三塁打となり、8×-7のルーズヴェルト・ゲームでDeNAが勝利を収めた。
残念ながら勝利の瞬間を分かち合うことはできなかったが、罰ゲームを寸前で回避し、勝利の歓喜コメに沸くファン・ユーザーの元へと「生還」したボヤッキーの声は、どこか晴れがましく聴こえた。
ニコ生の実況アナが罰ゲームから生還した例は、2013年7月からコメ拾い実況が本格化して以来皆無だったが、これが「罰ゲーム生還」の第1例となった。
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