スキゾイドパーソナリティ障害（Schizoid personality disorder, SPD）とは、パーソナリティ障害の一種である。DSM-5基準では奇妙・風変わりとされるクラスターA群内の一類型となっている。
シゾイドと呼ばれることもある。発音としては「スキゾイド」が正しい。
概要
主な特徴として、対人関係に価値を見出さず、進んで孤独になろうとし、感情の起伏がほとんどないなどが挙げられる。
DSM-IV-TRでは次の診断基準のうちの少なくとも4つ以上を満たすことで診断される。
- 家族を含めて、親密な関係をもちたいとは思わない。あるいはそれを楽しく感じない
- 一貫して孤立した行動を好む
- 他人と性体験をもつことに対する興味が、もしあったとしても少ししかない
- 喜びを感じられるような活動が、もしあったとしても、少ししかない
- 第一度親族以外には、親しい友人、信頼できる友人がいない
- 賞賛にも批判に対しても無関心にみえる
- 情緒的な冷たさ、超然とした態度あるいは平板な感情
周りの人間から見ると、常に一人であろうとして、友人を作らず、家族にさえ感情を出すことが滅多にない。テレビを見て笑うことはあっても、人に向けて笑いかける姿を思い浮かべられないはずだ。
彼らは自らの領域を侵されること、自分の意思が塗り替えられることを常に恐れている。また他人が自分と関わることで、その他人が変質してしまうという考えを持っている。ゆえに彼らは自分の意思を表現することはないのである。
呼称は「スキゾイド」「シゾイド」「統合失調質パーソナリティ障害」と様々ある。
生活面でも仕事面でも支障が出ることは少ない。自分のペースで作業をするので、一人での仕事が得意。
他の精神障害との関連
アスペルガー症候群と症状が似ていることと、スキゾイドがあまり知られていないことがあり、しばしば混同されることがある。
これは二者の違いが、アスペルガーは正常なコミュニケーションを取ることができないから他者と関わろうとしないこと、スキゾイドは最初からコミュニケーションを取ろうとしないこと、であり、
そのことを聞くと「自分は他人と上手く関わることができない」と言ってしまうため、区別するのが難しくなっているのである。
また他者に感情を抱かないという特徴が反社会性パーソナリティ障害と同じだが、反社会性パーソナリティ障害はむしろ「他者から自分に感情を向けさせるよう努力する」ので、スキゾイドは反社会性パーソナリティ障害と全く逆の行動を取っている。
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