スケベ虫とは、ヌカカ(ハエ目ヌカカ科に属する昆虫)の別称である。
概要
ヌカカ(糠蚊)とはそもそも、1mm~1.5mmくらいの大きさの虫で、蚊よりも小さく、しかし同様に血を吸う衛生害虫である。奄美大島などの一部地域で見られ、鳥取県弓ヶ浜半島の干拓事業の際に大量発生したことから干拓虫(カンタクムシ)などとも呼ばれる。
最盛期は3月末から5月初旬にかけてで、蚊よりも早い。その小ささゆえに、ユーラシア大陸からジェット気流に乗って飛来してきているとの研究があり、単純に駆除等で対応するのはあまり効果がないとされる。
蚊と同様に吸血するのだが、厄介なのはその毒性。刺されたかゆみは一般に蚊よりも長く続き、化膿する場合がある。とても小さいため耳の中に入り込んで刺す場合があり非常に厄介。ヌカカが発生する地域では、農作業の際に耳に綿を詰めるなどして対策する人もいるらしい。
なぜ「スケベ虫」なのか
この虫は体が非常に小さいため、網戸を突破して刺してくる。
小さすぎるゆえになかなか目視できず感触もないため、いつのまにか刺してくる。
服を着ていても隙間から容易に侵入して刺してくる。
このようないやらしい生態のため、一部地域では「スケベ虫」「エッチ虫」などと呼ばれているそうだ。
「スケベ虫」はもともと一部地域での呼び名だった。しかし、2020年6月19日の産経新聞の記事「猛烈なかゆみ、網戸すり抜ける「スケベ虫」被害増加」からTwitterで話題となり、その後数日間に他のメディアでも取り上げられ、この名前が広まりつつある。
一部メディアでは「吸血スケベ虫」というさらにニッチな方面を連想させる呼び名になってしまった。確かに吸血するので、表現としては何ら間違いはないのだが…。
他の地域でのヌカカの方言
「スケベ虫」は鹿児島県奄美大島などの一部地域でのみ使われている。他の地域では呼び方が異なる。単に「ブヨ」と呼ばれることもある。
- モッコ(沖縄県石垣島)
- アーサ虫(沖縄県久米島)
- シロクロムシ(沖縄県座間味島周辺)
- シーベー(沖縄県本部町水納島)
- めまし、めまわし(茨城県周辺)
- めつぶし(茨城県・群馬県など)
- めまとい(茨城県など)
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関連項目
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