タングステン(Tungsten)とは、白熱電球のフィラメントでおなじみの金属元素である。
概要
- 融点は3422℃と金属の中で最も高い。フィラメントに使われているのはそのためである。
- 発見:1781年に灰重石(タングステン酸カルシウム)から酸化物を分離し、1783年に酸化物を木炭で還元して金属を得た。
- タングステンは北欧語で「重い石」という意味。密度は金に匹敵する重い金属で、散弾銃用の鉛弾や釣り用の鉛のおもりなど有害な鉛を使った製品の代用品として用いられる事がある。
- X線のシールド材として鉛と共に使用される。
- タングステンの合金や炭化タングステンは極めて硬いため切削工具等に利用される。テレビ番組『ほこ×たて』に登場した「どんな金属にも穴を開けられるドリル」に対抗した「絶対に穴の開かない金属」の正体はタングステン合金のサーメット(セラミック粒子との複合焼結材料)で、本来はドリルではなく放電加工により穴を開ける。
- 極めて硬く比重が大きい対戦車用などの徹甲弾、APFSDS(砲弾)や対人用の散弾、新型のDIME弾薬などにも使われているが、劣化ウラン製のものより比重が劣る上に核燃料処理の際の副産物として大量に生産される劣化ウランと比べて、レアメタルであるタングステン製のものは高価で生産数も少ない。ただし加工コストの面からは劣化ウランよりも有利であり、劣化ウラン弾薬には放射能汚染の非難が付きまとうため、タングステン弾薬を使用する国も多い。
- 元素記号のWはドイツ語のヴォルフラム(Wolfram)から。タングステンを含む鉱石がスズ鉱石に混入すると鉱屑を作ってスズの精製を阻害することから、スズを狼のようにむさぼり食べるという意味で名づけられた。
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関連項目
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