ドイツ語とは、ドイツ語でどいちゅ☆である。
概要
ドイツ語 |
|
総話者数 | 1億3000万人 |
話者数の順位 | 10-11 |
言語系統 | インド・ヨーロッパ語族 ゲルマン語派 西ゲルマン語群 |
通用地域 | 大陸ヨーロッパ、アフリカ南部の一部など |
公用語採用国 | ドイツ連邦共和国 オーストリア共和国 スイス連邦 リヒテンシュタイン公国 ベルギー王国 ルクセンブルク大公国 欧州連合 |
言語コード | |
ISO 639-1 | de |
ドイツのほか、オーストリア、スイス北部、リヒテンシュタインやルクセンブルクなどでも使用される言語。欧州連合(EU)の公用語の一つともされている。総話者数は約1億3000万人と、日本の人口と同じ程度である。
発音がなんとなく中二病的なカッコ良さを持つためか、漫画やアニメやゲームなどで大変よく見かける言語である。しかし正しい使い方をなされている例は少ない(ドイツ人が見ると失笑せざるを得ないような間違いだらけである)。
同族言語である英語においては衰退消滅してしまった文法要素(名詞性、曲用(いわゆる格変化)など)がドイツ語では生きており、とっつくづらいかもしれない。しかし、動詞の活用(いわゆる人称変化や時制)の複雑さはフランス語ほどではない。また、英語と綴りが同じ語や似ている語も多いが、語彙の面では北欧語との方が共通性が高い。
現在の標準ドイツ語は、宗教改革で有名なマルティン・ルターがチューリンゲン方言のドイツ語に翻訳した聖書が大本になっている。ドイツは近代まで多くの領邦に分かれていたので、方言の差が大きい。大別すると、低地方言(北部の方言。オランダ語と酷似)、中部方言、高地方言(南部の方言。オーストリアやバイエルンなど)に分かれる。
初めてのドイツ語
Alphabet(アルファベート)
A,a アー |
B, b べー |
C, c ツェー |
D,d デー |
E,e エー |
F,f エフ |
G,g ゲー |
H, h ハー |
I, i イー |
J, j ヨット |
K, k カー |
L, l エル |
M,m エム |
N,n エン |
O,o オー |
P,p ぺー |
Q,q クー |
R,r エル |
S,s エス |
T テー |
U,u ウー |
V,v ファオ |
W,w ヴェー |
X,x イクス |
Y,y ユプスィロン |
Z,z ツェット |
ẞ,ß エスツェット |
Ä,ä アーウムラオト |
Ö,ö オーウムラオト |
Ü,ü ウーウムラオト |
ウムラウト付きの文字が使えない場合、aeのようにeを後ろに続けて書くことで代用する。エスツェット(元々は音節頭で使われていた s の異型と z がくっついた合字)が使えない場合、ssで代用する。ベータ(β)など見た目が似ている物で代用するのは正しい方法ではない。もともと正書法ではエスツェットは小文字しかなく、大文字で書く際はSSで代用していたのだが、2017年になって大文字のẞも採用された。なお、スイスではエスツェットは使用されていないため、SSとするのが正式である。
発音上の注意
ドイツ語は、ローマ字読みに近いため日本語ではカタカナで表記されることが多いが、実際の発音とは大きな隔たりがあることが多い。
例えば、einsは「アインス」と書かれることが多いが、実際の発音は「アインツ」に近い(ツという感じでスという音)。これは、「n」が口を開けたまま舌を口の上の方につける音のため、そのまま「s」音を出すと「ツ」に近い口になるため。einundzwanzig (「21」)でも「アインウントツヴァンツィヒ」ではなく、「アイヌンッツヴァンツィッヒ」や「アイノンッツヴァンツィッヒ」というように聞こえる(厳密には ein と und の間に息を飲み込むような音(声門閉鎖音)が入るが、これは舌を上につけたままでも発音できる。こうした現象は英語にも見られる)。
また、音節語末の子音はあくまで「子音だけの音」を発音する。そして語末および複合語(後述)の意味の切れ目では有声音(カナ書きで濁音)は無声音(同じく清音または半濁音)になる。そのため、「und」の最後は「ト」という発音というよりは、「トゥ」と息だけ漏らす擦れたような音になる(「ゥ」は間違っても発音しないように)。
アクセントは英語や他の欧州諸語と同じ強勢アクセントで、アクセントのある開音節(子音で「閉じない」音の区切り)の母音や同じ音節内で2度繰り返された母音は長く発音される(閉音節母音にも長く発音されるものが少なくない。例: nach (ナーハ「~(の方向、場所)へ、~の後に、~によれば」)⇔Bach(バッハ「小川」))。
以下では日本語およびローマ字と比較しながら、特に注意すべき発音について、文字ごとに解説する。
「a」は、「ア」で基本的にいいが、日本語の「ア」よりもはっきりと口を開けて発音する。二重母音「au」はアウとアオの中間くらいの響きで、「u」の時に唇をきちんと丸くするとそれっぽい。
「c」は基本的には「ツァ」行で、ラテン語由来の一部の単語に見られるものの(例:Cäsar(ツェーザル「(人名)カエサル(英語 Ceasar シーザー)」)、殆どは同じ発音の「z」に置き換わっている。「ch」は同じ音節内の「硬い」母音(a, o, u, au)の後では「カ」「コ」「ク」を強くかすらせて出す「ハ行」、それ以外では「ヒャ行」(例:Buch(ブーフ「書物」)→Bücher(ブューヒャ「書物(複数形)」)。ただし、一部の外来語では例外的な発音となる(例:Chance(シャ(ー)ンス/シャ(ー)ンセ「機会、偶然」<仏語 chance より)。
「d」は「ダ・ディ・ドゥ・デ・ド」。「dsch」はこの4文字で「ヂャ行」の子音を表す(例:Dschinghis Khan(ヂンギス・カーン「(人名・グループ名)ジンギスカン」))。
「e」は語中の位置によっては「エ」の音ではなく、「イ」の口で「エ」と発音するため、日本人には「イ」に聞こえる(特に長く発音されるエは顕著で、殆んど「イー」に聞こえる)。またアクセントの無い最終音節での「e」は曖昧母音(英単語の語尾「-er」での「e」の音)なので、はっきりと「エ」と発音せずにエともアともオともつかないファジーな(死語)感じでいけばgut 。なお、日本語の「エ」は「ä」の音である(後述)。また、二重母音「eu」は「エウ」ではなく例外的に「オイ(oü)」のようになるので注意(例:Euro(オイロ「(貨幣)ユーロ」)。
「g」は「ガ行」で、同じ語源をもつ英単語では「ジャ行(厳密にはヂャ行)」になってしまうものも、ドイツ語では「ガ行」で発音される(例:Georg「(人名)ゲーオルク(英語 George「ジョージ」)」。しかし、一部の外来語では「ジャ行(オーストリアとスイスでは「シャ行」)になる場合がある(例:Garage(ガラージュ/ガラージェ(墺・瑞 ガラーシュ/ガラーシェ)「ガレージ」<仏語 garage より)。また音節末の「-ig」「-ich」は標準的には「-ィッヒ」(「ヒ」は「ヒャ行」の母音)と発音されるが、「-ィック」と発音されることがままある(例:lustig(ルスティッヒ/ルスティック「可笑しい」)。これは「-ィッヒ」という発音が、元々「-ィック」が無意識的に自然変化したものだからである。よって活用の中や派生語では「-ィック(グ)」となる(例: König(ケーニッヒ「王」、複数形 Könige(ケーニゲ))>女性形 Königin(ケーニギン))、形容詞形 königlich(ケーニックリッヒ「王の」))。
「h」は「ハ・ヘ・ホ」。音節内で母音のすぐ後ろにつく場合には、hは発音されずその母音は長めに発音される。また「ch」「ph」などごく一部の子音の後ろに付くとその子音が特殊な発音になる。
というかぶっちゃけ、単語の最初に来た時以外に発音されることはあんまりない。
「i」は短いイなら大体日本語のイで大丈夫。長いイーではしっかりと唇を横に引く。
「j」は、「ィヨット」という感じに発音する。なので、日本語で書くと「ヤ行」の音を担当する(実際は母音の前に小さい「ィ」を入れる感じ。
「l」音は、日本語にはない音(ただし、人によっては使う人も少数存在する)であり、実は日本人にとって習得が困難な音である。舌を上あごの歯の付け根に当て、「ル」と発音する。ここで注意するべきことは、舌を上の歯の付け根に当てる時間が極端に短いとはじき音のrになってしまうことである。たいていの日本人はL音を出すことができず、日本語のラ行、つまりはじき音のrで代用することが多い。しかし、Lを日本語のラ行で代用してしまうと意思疎通に支障をきたしてしまうため、Lを日本語のラ行で代用することは避けるべきである。
「m」はアルファベットとしてはしっかりと口を閉じて「エム」。要するに「マ行」。
「n」はアルファベットとしては口を開けたまま、舌を上の方にしっかりとつけて「エン」と発音する。要するに「ナ行」。また「ng」は2字で1つの音(日本語では鼻濁音の「ガ行」)を表し、後に母音が来ても英単語の大部分のように「g」の音が添えられることもない。したがって Schrödinger などは最後の「ガァ」を鼻濁音、できなきゃ「んぁ」てな感じでで発音しよう。んぁ。
「o」は、欧州のどの言語でもいえることだが、日本語の「オ」よりも意識的に唇を丸くして発音する。
「p」は「パ行」。「ph」は英語と同じく「f」と同じ「ファ行」の発音。「pf」はカナ書きでは「プフ」などとされることが多いが、実際には「f」のように突き出した下唇を軽く噛んでから軽く破裂させるように「p」と発音すれば大体この音になる。よって「プフ」よりも「プ」の方がまだ無難な表記といえるかもしれない(例:Kämpfer (ケンプァ「闘士」。昔の日本人はこの音を「ケンペル」と表した。そう、18世紀の欧州に広く日本の文化を伝えた名著『日本誌』の原著者であるドイツ人医師エンゲルベルト・ケンプファーである))。
「r」音は、標準ドイツ語では有声口蓋垂ふるえ音 [ ʀ ]である(フランス語は有声口蓋垂摩擦音[ ʁ ]であり、ドイツ語のRとは異なる)。これは、喉の奥をガラガラと鳴らせる音で、日本人は出すのに苦労をする傾向があるが、かすらせる程度の音でも問題無い。南ドイツでは巻き舌で「r」音を表すが、あまりやりすぎると「バイエルンの片田舎のおっさん」扱いを受けるので注意(例:Rammstein)。また長母音の後や接頭語「er-」「ver-」等の「r」、アクセントの無い語頭以外の「er」は、母音化して殆んど日本語の「ア」に近い音になる(「アー」と長く伸ばさない!)。 よって先程の「バイエルン(Bayern)」は標準音では「バイアン」に近い。
「s」は、音節の頭であれば濁って「ザ・ズィ・ズ・ゼ・ゾ」になる(南部では濁らず「サ・スィ・ス・セ・ソ」のまま)。それ以外では「サ・~」。「ss」は常に「サ・~」で、同じ音節の母音は常に短音となる。「sch」はこの3文字で「シャ行」を表す。
「t」は「タ・ティ・トゥ・テ・ト」。「th」でも同じ。しかし名詞語尾「-tion」は元の中世ラテン語を反映し「ツィオーン」と発音されアクセントが置かれる。「ts」は「ツ」だが語尾にしか現れず、「tsch」は4文字で「チャ行」を表す(例:Deutsch(どいちゅ☆「ドイツ語;(ドイツで)国語」)。
「u」は、欧州のどの(以下略)、日本語の「ウ」よりも唇を丸く窄め、突き出すようにして発音する。
「v」は英語で言うところの「f」である。上の歯が下唇に軽く触れる(噛んではいけない)ようにしてそこの隙間から息を出して発音する。多くの外来語では下の「w」と同じ発音になる(例:Revolution(レヴォルツィオーン「革新;革命」)。
「w」は、「f」の音を濁らせて発音する。英語の「v」のように強い摩擦を付けないので、「ヴ」と「ウ」(ワ行子音)の中間のような響きを持ち、南部ではワ行子音で発音される。日本で伝統的にワ行で転写されているのはそのためである。
「z」は濁らず「ツァ行」に近い音になる(例:Salz(ザルツ「塩」)、zweiundzwanzig(ツヴァイウンッツヴァンツィッヒ「22」))。
「ß」は「ス」。語頭には決して現れず、直前の母音は長く発音される(旧正書法では短く発音される場合もあった)。
ウムラウトについて
ウムラウト(Umlaut)は、直訳すると「変音」である。普通は「変母音」と訳す。
これは、a,o,u,auが単語中でä,ö,ü,äuという頭に「・・」を付けた形になり、音が変わることである。多くは人称変化や語形変化に伴って見られるが(例:Kämpfer <Kampf(カンプ「闘争」))、それらとは無関係に最初からそういう音である場合も多い。
ウムラウトが表示できない環境では「ä」は「ae」、「ö」は「oe」、「ü」は「ue」と表記する。これは、発音をそのまま表記したものと見なせる。もともと、「・・」は「e」の字の略記に由来し、古い文献では文字の上に小さな「e」の字を乗せた書体も見られる。
「ä」は、「a」の口で「e」と発音するので、「ae」。これは日本語での「エ」そのものである。前述したが、「e」の音は日本語の「エ」ではなく「イ」に近い。また、二重母音「äu」は「eu」と同じ「オイ(oü)」の発音(例:Fräulein(フロイライン「未婚の若い女性;お嬢さん」<Frau(フラウ「(男性に対して)女性;既婚女性;ご婦人」)。
「ö」は、「o」の口で「e」と発音するので、「oe」。ややくぐもった感じの「エ」に聞こえるかもしれない。
「ü」は、「u」の口で「e」と発音するので、「ue」。この「e」は日本語で「イ」に近いので、「ウの口でイと発音する」と解説する教科書も多い。この音はほとんど「ユ」に聞こえる。
ウムラウトは、ドイツではその読みで呼ばれることが多く、「アー・ウムラウト」とか言っても現地では変な顔をされる。
簡単な単語
Wiederholen Sie nach mir.(ヴィーダーホーレン・ズィー・ナーハ・ミーア、私の後に続いて繰り返してみましょう。)
私は:ich(イヒ) 君は / あなたは:du / Sie(ドゥー / ズィー) 彼は/彼女は/それは:er/ sie/ es(エア/ズィー/エス) 0:null(ヌル) 4:vier(フィーア) 5:fünf(フュンフ) 10:zehn(ツェーン) |
高貴な:edel(エーデル) 山:Berg(ベルク)(m) |
…などなど:usw. (und so weiter 、ウント・ゾー・ヴァイター)
簡単な挨拶など
参考までに仮のカタカナも添えておくが、正しい発音については下の「発音上の注意」を参照してほしい。
- Guten Morgen! (グーテン・モルゲン) おはようございます
- Guten Tag! (グーテン・ターク) こんにちは
- Guten Abend! (グーテン・アーベント) こんばんは
- Hallo! (ハロー) やあ、ハロー
- Gute Nacht! (グーテ・ナハト) おやすみなさい
- Danke! (ダンケ) ありがとう
- Auf Wiedersehen! (アウフ・ヴィーダーゼーエン) さようなら
初級文法
名詞関係
名詞の格は4つ。(格は日本語の「てにをは」におおよそ相当すると考えてよい。例:1格「私は」、2格「私の」、3格「私に」、4格「私を」)
名詞の格によって前の定冠詞(der(デア)など)、不定冠詞(ein(アイン)など)、形容詞(gut(グート、「良い」)など)が姿を変える。これを曲用(いわゆる格変化)という。ドイツ語の名詞の最大の特徴は、インド・ヨーロッパ語族によく見られる名詞の格変化をほとんど冠詞に丸投げしているという点である。
名詞には性別(男性・中性・女性)があり、かならず大文字で始まる(ただし、インターネット上での文字コミュニケーションなどではこの規則が無視されることもままある)。なお、生物以外の名詞にも性別が割り振られており、また生物であっても生物性と一致しないことも多い(例: Wagen(ヴァーゲン「車」:男性)、Uhr(ウーア「時計」:女性)、Kind(キント「子供」:中性)、Mädchen(メートヒェン「少女」:中性))。
また名詞の複数の作り方は1.無語尾(要するに単数と同じ)、2.-e、3.-er、4.-(e)n、5.-sの5通りある(5以外は名詞の中の母音がウムラウトになることも)。
定冠詞のついた名詞の格変化 | 男性名詞 | 女性名詞 | 中性名詞 | 複数 |
---|---|---|---|---|
1格(主格) | der Wagen | die Uhr | das Kind | die Kinder |
2格(属格) | des Wagens | der Uhr | des Kindes | der Kinder |
3格(与格) | dem Wagen | der Uhr | dem Kind | den Kindern |
4格(対格) | den Wagen | die Uhr | das Kind | die Kinder |
ちなみに不定冠詞の変化は下のようになる(名詞そのものの部分は同じ)
不定冠詞の格変化 | 男性名詞 | 女性名詞 | 中性名詞 |
---|---|---|---|
1格(主格) | ein | eine | ein |
2格(属格) | eines | einer | eines |
3格(与格) | einem | einer | einem |
4格(対格) | einen | eine | ein |
名詞を繋げて作った新たな名詞を複合名詞という。複合名詞は英語のように2語以上で表したりハイフン「-」で繋いだりせず、そのまま続けて一つの名詞とするのが原則である。だから Baumkuchen(バウムクーヘン=「樹木」のような「ケーキ」)のように短い単語ならともかく、Donaudampfschiffahrtselektrizitätenhauptbetriebswerkbauunterbeamtengesellschaft(ドーナウダンプシッフファーアツエレクトリツィテーテンハウプトベトリープスヴェアクバウウンタベアムテンゲゼルシャフト「ドナウ汽船電気事業本工場工事部門下級官吏組合」)のようなものになると、もうどこで切っていいやら。
動詞関係
動詞の活用(直説法現在形) | 単数 | 複数 |
---|---|---|
1人称 | lerne | lernen |
2人称 | lernst(敬称はlernen) | lernt(敬称はlernen) |
3人称 | lernt | lernen |
ドイツ語の動詞そのものは大きく不定詞・過去形・過去分詞の3通りに変化する。
動詞の3基本形 | 不定詞 | 過去基本形 | 過去分詞 |
---|---|---|---|
弱変化動詞(規則変化動詞) | -en | -te | ge-+-t |
強変化動詞 | -en | そのまま(幹母音が変化) | ge-+-t(幹母音が変化) |
混合変化 | -en | -te(幹母音が変化) | ge-+-t(幹母音が変化) |
弱変化というのは、現在のドイツ語においては要するに規則変化のことでほとんどの動詞がこの変化をする。
一方強変化とは、要するに英語のdrink/drank/drunkといった不規則変化のことである。昔は動詞の中の母音を変えることで時制の変化を表していた名残りが、一部の動詞に残っているのである。
混合変化は読んで字のごとく、上の二通りの変化が一緒に起きている。
この中に入らない特殊な変化をする動詞として、英語のbe動詞にあたるsein、英語のhaveにあたるhaben、英語のwillにあたる(正確にいえばちょっと範囲が違う)werdenの3つがある。
強変化動詞は全部で193個、混合変化は全部で9個と、動詞全体の中では少数派で、さらにそのうち数十個は歴史の長さから規則変化動詞よりも使う頻度が高いので、正直丸覚えしてしまった方があとあと楽になるかもしれない。
過去形語尾 | 単数 | 複数 |
---|---|---|
1人称 | - | -(e)n |
2人称 | -st(敬称は-(e)n) | -t(敬称は-(e)n) |
3人称 | - | -(e)n |
とはいえ単数の1人称と3人称に何もつかない以外はほとんど現在形と一緒である。
では残りの時制はどうやって表すかというと、そこは英語と同じで違う動詞と不定詞を組み合わせるのである。未来はwerden+不定詞、完了はhaben+過去分詞(変化に関する動詞など一部はsein+過去分詞)、受動はwerden+過去分詞となる。
ただしドイツ語には英語ではほぼ消えかかっている「法」というものが存在し、要求を表す接続法Ⅰ、非現実を表す接続法Ⅱ(要するに英語の仮定法)の2つが存在する。接続法Ⅰは不定詞の語幹に、接続法Ⅱは過去基本形(母音をウムラウトすることも)に以下の語尾をつける。
接続法語尾 | 単数 | 複数 |
---|---|---|
1人称 | -e | -en |
2人称 | -est(敬称は-en) | -et(敬称は-en) |
3人称 | -et | -en |
うん、ぶっちゃけやや脅したわりに上の現在形の表とほとんど一緒である(正直接続法Ⅰはほとんど見分けがつかない)。
正直動詞の活用については必要以上におびえることもないんじゃないのかな?、ってくらい噂と違って結構覚えることは少なかったりする。
その他
数字の数え方は、原則として1の位を10の位の前に持ってきて、21~99ではその間を und で繋ぎ一語とするのが特徴。
例: sechsundneunzig(96 < sechs(6) und neunzig(90))。
さらに付け加えるなら、100の位以上は普通にそのまま前についていく。
例:zweihunderteinunddreißig(231 < zweihundert(200) ein(1) und dreißig(30))
ニコニコ動画ドイツ語版
かつてドイツ語版ニコニコ動画が存在したが、2011年12月8日にサービス終了となった (参照)。
関連動画
関連項目
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