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トリクロルメチアジド(Trichlormethiazide)とは、チアジド系利尿薬である。販売名フルイトラン®

概要

有機化合物
トリクロルメチアジド
トリクロルメチアジド
基本情報
英名 Trichlormethiazide
化学 C8H8Cl3N3O4S2
分子量 380.66
化合物テンプレート

トリクロルメチアジドは、高血圧症心不全の治療に用いられるチアジド系利尿薬である。1960年に承認されて以降、2mg錠剤が製造販売されてきたが、チアジド系利尿薬を低用量で使用する向きが強くなり、2009年から1mg錠剤も製造販売されるようになった。

ちなみに、塩野義製薬株式会社が製造しているフルイトラン®錠1mgの形をした錠剤、フルイトラン®錠2mgは淡いピンクの形をした錠剤である。ジェネリック医薬品のトリクロルメチアジド錠にも、先発医薬品に倣っての形をしたものがある。かわいい

効能・効果

用法・用量

医薬品添付文書には、トリクロルメチアジド2~8mg/dayを1~2回に分けて経口投与(適宜増減)と記載されている。しかし、チアジド系利尿薬は用量依存的に副作用発現頻度が上昇するため低用量での使用が推奨されており、トリクロルメチアジドも低用量(0.5~2mg/day)で使われることが多い。[1]

作用機序

腎臓の遠位尿細管にあるNa+/Cl-共輸送系を抑制する。Na+の再吸収が抑制されると、Na+に伴うH2Oの再吸収も抑制されるため、尿量が増加する。弱いが炭酸脱水酵素阻もある。

体外へ排される分量が増加することで、浮腫(むくみ)が善する。循環血液量の減少および末血管の拡により血圧が低下、前負荷(心臓の収縮直前に心筋にかかる負荷)も軽減する。

一方、Na+/Cl-共輸送系の抑制により尿細管内のNa+濃度が上昇すると、Na+/K+交換系が活性化してK+進するため、血液中のK+濃度が低下する傾向にある。

禁忌・副作用

急性腎不全、低カリウム血症、低ナトリウム血症、デスモプシンミニリンメルト®)投与中の患者への投与は禁忌。ジギタリス製剤との併用は禁忌ではないが注意を要する。

副作用として、低カリウム血症、低ナトリウム血症などの電解質異常をきたすことがある。また、高尿酸血症、耐糖異常(高血糖)、高トリグリセリド血症といった代謝系へのがみられる。ほかに、光線過敏症の報告もある。

同種同効薬

アジド系利尿薬として、クロロチアジド、ヒドロクロロチアジド、ベンチルヒドロクロロチアジド(ベハイド®)、ヒドロフルメチアジド、メチクロチアジド、ベンロフルメチアジドなどがある。また、チアジド系に類似の利尿薬として、インダパミドナトリックス®テナキシル®)、トリパミド(ノルモナー®)、メフルシドバイカロン®)、クロルタリドンなどがある。

利尿薬全般の説明は、利尿薬の記事を参照。

関連項目

脚注

  1. *高血圧治療における利尿薬の用量についてexitpdf注意)
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