ヒュンダイ・ソナタとは、韓国の自動車メーカーである現代自動車(ヒュンダイ)が製造/販売している中型セダンである。なお、『冬のソナタ』とは全く関係ない(そもそも、こちらの方が10年以上も前に登場している)。
概要
1983年より発売が開始されていた同社の準中型セダン「ステラ」(フォード・グラナダがベース)の上級モデルとして1985年から販売が開始された。
1988年からは独自モデルとして開発され、韓国国内でトップシェアを誇る中型セダンとなる。
初代(開発コード:Y1)
準中型セダン「ステラ」をベースに開発され、1985年7月に発売された。
当時の韓国車としては最大の排気量であった1997ccのエンジンを搭載、当時提携関係にあった三菱自動車のシリウスエンジンであるとされている。1987年には1800ccエンジンが追加された。
韓国国内で初のクルーズコントロール/パワーシート/4速オートマチック装着車として当時の新聞広告、テレビCMなどで宣伝された。
外装を含めステラとの差別化に失敗し、韓国国内では大失敗といわれるほどのモデルであった。
2代目(開発コード:Y2)
1988年に2代目となるソナタが発売された。
ギャランΣ/デボネアVなどの三菱車をベースとしており、エンジンも三菱設計の1800cc/2000ccエンジンが搭載されていた。
1990年にはグレンジャーに搭載されていたものと同じ2400ccエンジンが追加された。
1991年にフェイスリフトを実施、フェイスリフト前のモデルと区別するために「ニューソナタ」と表記されることが多い。
フェイスリフトと同時にDOHCエンジンが追加された。
3代目(開発コード:Y3)
1993年5月14日発売、プラットフォームは初代ディアマンテと共有。旧モデルとの区別のために「ソナタII」と呼ばれる。
エンジンは1800ccSOHC/1800ccDOHC/2000ccSOHC/2000ccDOHCを設定。
1995年には派生車種であるマルシア(MARCIA)が発売された。
マルシアには2000ccDOHC(L4)/2500ccDOHC(V6)が搭載される。
1996年にフェイスリフトが行われ、名称を「ソナタIII」に変更。
1997年には現代グループ創立50周年を記念して特別仕様車「スペシャルエディション」が設定された。
4代目(開発コード:EF)
1998年3月17日に発売を開始、プラットフォームは二代目ディアマンテと共有(この頃のヒュンダイ車は、XG・サンタフェ・トラジェ等にも同じく二代目ディアマンテのプラットフォームを使用していた)。旧モデルとの差別化のため「EFソナタ」と呼ばれる。
開発コードのEFは「Elegant Feeling」の略称であるとされている。
エンジンは1800ccDOHC(L4)/2000ccDOHC(L4)/2500ccDOHC(V6)の3種類を設定。
1999年には外装デザイン(グリル、ランプ類)の一部変更を受けた。
同年7月4日には起亜自動車から兄弟車の「オプティマ」が販売されている。
EFソナタとの違いは外装デザイン、インパネデザイン等にとどまり、エンジンやプラットフォームはEFソナタと同等である。
2000年にはインパネデザインをオプティマと同じものに変更、更に無段変速機であるスーパートロニクスCVT(オプティマでの名称はSS-CVT)搭載車が追加された。
2001年にフェイスリフトを実施、旧EFソナタとの差別化のため「ニューEFソナタ」と呼ばれる。
主に外装デザインのみの変更で、インパネは引き続き同じデザインのものが使用されている。
変更されたデザイン(主にフロント)はメルセデスベンツのCクラスを強く意識したようなデザインとなっている。
5代目(開発コード:NF)
2004年9月1日に発売を開始、通称は開発コードを取って「NFソナタ」と呼ばれる。
外装デザインは北米におけるアコード(日本名インスパイア)を強く意識したデザインとなっており、自動車関連サイトは元より地元の新聞でもある朝鮮日報でもたびたび類似性が指摘されていた。(その影響かどうかは不明だが、2005年にアコードのリアデザインがまったく違う印象のものに変更されている)
エンジンは2000cc(L4)/2400cc(L4)を設定、2005年6月からはグレンジャーに設定されているものと同じ3300cc(V6)も用意されていた。
2007年11月にはフェイスリフトを実施、本国では「ソナタトランスフォーム」とCM上では呼ばれていた。
外装デザイン(特にフロント)はもちろんのこと、インパネデザインも大幅に見直されている。
このフェイスリフトにより3300ccエンジンが廃止され、2000cc/2400ccエンジンの性能がアップしている。
6代目(開発コード:YF)
2009年9月17日に発売を開始。本国では差別化のために「YFソナタ」と呼ばれることがある。
エンジンは2000cc(L4)のみの設定であったが、2010年1月には2400cc(L4)を追加(この2400ccエンジンは直噴エンジンであり、「GDI」の名称が使用されているが、三菱自動車と直接的な関係はない)
2011年にはハイブリッドモデル「ソナタハイブリッド」を発売。
同年には2000cc T-GDi(ターボ)を追加、同時に2400ccが廃止された。
2012年モデルでは2000ccNAエンジンをCVVL(可変バルブ機構)を搭載したモデルに変更している。
2012年にはフェイスリフトを実施、車名を「ソナタ ザ・ブリリアント」に変更した。
外装デザインに変更した。
2014年3月にはガソリンモデルの生産を終了、同年12月にはハイブリッドモデルの生産が終了した。
7代目(開発コード:LF)
2014年3月発売、当初はガソリン/LPGモデルのみの販売であった。
当時の現代自動車のデザイン理論「Fluidic Sculpture 2.0」に基づき、さらに「Inner Force」と呼ばれるデザインの美しさを融合した。
搭載されるエンジンは2000cc CVVL/2400cc GDi/2000cc LPiの3種。
2015年2月には2000cc T-GDiエンジンを追加。
このモデルではスポーツサスペンション等を装備、主に若者をターゲットに開発されていた。
同年7月にはエンジンに1600cc T-GDi/1700cc e-VGTディーゼルの2種を追加、2400ccが廃止された。
2017年3月にはフェイスリフトを実施、車名を「ソナタニューライズ」に変更した。
外装デザインを大幅に変更、リアのナンバー位置をトランクフードからEFソナタ以来となるリアバンパーに変更した。
8代目(開発コード:DN8)
搭載されるエンジンは2000cc CVVLのみ、2019年後半にはハイブリッド、ターボなどが発売予定とされている。
日本での販売
2000年代前半にニューEFソナタが導入されるという噂があったが、結局実現には至らなかった。
2005年9月にNFソナタの販売を開始(名称は単に「ソナタ」)、日本仕様は右ハンドルのみの設定。
設定されるエンジンは2400ccのみで、価格は同クラスの日本製セダンと同じぐらいの210万円弱からのスタートとなる。
もともと日本国内におけるヒュンダイのブランド力が皆無であり、価格も日本製セダンと同じぐらいであったことから売れ行きは芳しくなく、2009年11月にはモデルチェンジされることなく販売が終了された。そしてヒュンダイ自体も、販売の低迷から2009年度の終わりと共に日本の乗用車市場から完全に撤退した。
キャッチコピー
初代:「頂上の技術」
2代目:「Y2の神秘」(ソナタ)
3代目:「神・話・創・造」(ソナタII)/「名品の完成」、「韓国車の代名詞」(ソナタIII)
4代目:「DREAM TECHNOLOGY」(EFソナタ)/「ソナタ最高の作品」(ニューEFソナタ)
5代目:「名車の感動」(NFソナタ)
6代目:「Art of Technology」(YFソナタ)
関連項目
- 現代自動車 / 現代自動車の車種一覧
- オプティマ(EFソナタの兄弟車)
- ロッツェ / ロッツェアドバンス / ロッツェイノベーション(NFソナタの兄弟車)
- K5(YFソナタの兄弟車)
- マグナス / トスカ(ライバル車)
- SM5(ライバル車)
- 自動車
- 自動車製造会社一覧
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