香風智乃(かふう ちの)とは、Koiによる日本の四コマ漫画、「ご注文はうさぎですか?」に登場するキャラクターである。誕生日は12月4日。血液型はAB型。愛称は「チノ」。名前の由来は「カプチーノ」。
アニメ版での声優は水瀬いのり。
概要
立場、容姿など
作中で物語の中心となっている喫茶店、「ラビットハウス」の一人娘。作品のもう一人の主人公であり、メインヒロインと言えるポジションである。作品のシンボルともいえるキャラクターであり、キャラクターソングの数も作中もっとも多い。原作初期及びテレビアニメ1期のときは中学2年生。原作4巻及びテレビアニメ2期からは中学3年生。原作9巻からは高校1年生。
容姿としては、今時のアニメキャラには珍しい小さくて控えめな口に水色のロングヘアと、「×」型の髪留めが特徴的。 服装や状況によって髪型を変えることがあり、お団子だったり、小さめのツインテールだったりすることもある。
また、よく頭の上にティッピーを乗せているが、リゼ曰く「意外とバランスとりにくい」とのこと(リゼの身体能力を考えると、実は結構凄いことをしているのかもしれない)。
身長は144cm。なお、この身長、小学六年生女子の平均身長よりも若干低い。また、親友であるマヤはその4cm低く(140cm)、メグは1cm高い(145cm)。なんにせよ、全員平均身長を下回っている(無論、あくまで現実的に考えた場合の話である)。
性格
年齢は13歳(途中から14歳→15歳)。その割には大人びた言動が目立ち、クールな印象を与えている。自称姉であるココアの言動に、呆れたりバッサリ切り捨てたりすることも多く、どっちが年上なのか分からないこともしばしばである。
ただ、コ-ヒーに砂糖とミルクが必須だったり、「酵母菌」を「攻歩菌」と言う危険な菌と勘違いしたり、身長やスタイルについて悩んだり、明らかに正体がバレバレな怖い話で一生懸命怖がらせようとしたり、映画で感動して泣きそうになったりと、子供らしく、また可愛らしい一面もたくさん持ち合わせている。
そんなクールで可愛らしい彼女だが、作中では全くと言って良いほど笑っているシーンがない。しかし、怒ったり、拗ねたり、驚いたり、泣きそうになったりと、それ以外の表情は案外豊かであり(といっても、やはり真顔であることが多いのだが)、単にココアが確認していないだけで、他のメインキャラ達の前では、何度か笑顔見せたことがあるようである。
そんな事情もあってか、2巻の第1話はそのことを題材にした話となっており、最後のコマで、コーヒーに映っているという形だが、ようやくその笑顔を読者に見せてくれた(一応、その前に、口元だけと、ココアの妄想で見せてはいるのだが、明確且つ本物の笑顔はこのシーンが初である)。ちなみに、この話の中では、何とかして自分を笑わせようとするココアに対し、「見下すような嘲笑」を見せていた。 どうやら、母親(もしくは祖母)譲りであるようで、祖父もよく笑われていたらしい。
誰に対しても敬語で話すのは、周りがお客さんや年上ばかりだったため、癖が直らない……というのが理由。無理に話そうとするともぢもぢしてしまう模様(そしてトイレを我慢していると勘違いされてしまった)。なお、顔を隠せば積極的になれるようで、文化祭のときにはティッピーの被り物を被ったことでアグレッシブにココアたちのクラスの店を宣伝し、ちゃっかりラビットハウスの宣伝までしていた。
ココアとの出会いをきっかけに引っ込み思案だった性格に変化が見られるようになり、本人もその変化を自覚し、受け入れるようになっている。これまでは動物に懐かれない体質だったが、ココアと出会って1年後の秋には野良うさぎに懐かれるようになる。この頃から、やんちゃな一面も見られるようになり、頭にワイルドギースを乗せた「グレチノちゃん」となり周囲を驚かせたこともある。一方でココアのポンコツな部分までもが伝染しているようである。
他キャラとの繋がり
親友が2人(メグとマヤ)、メインキャラの4人(ココア、リゼ、千夜、シャロ)、そして青山ブルーマウンテン(青山さん)と繋がりがある。
- メグとマヤ:二人との交流は、2巻から明確に描写されるようになっており、立ち位置としては、やはりツッコミに回ることが多いようだ(メグも真面目な方なのだが、いかんせん天然ボケが多い)。学校での交流が主であったが、2巻の7話からは頻繁にラビットハウスへ訪れるようになり、時々仕事の手伝いもしてくれている。ちなみに、リゼからはまとめて「チマメ隊」と呼ばれていたりする(それぞれの名前の頭文字から)。高校はココアと同じ学校に進学したため、2人とは離れ離れになるが、チマメ隊の絆そのものは以前と変わりはない。
- リゼ:同じくラビットハウスで働く者として、ココアよりも前に知り合っており、付き合いはそれなりに長いようである。一緒に居るシーンも多く、何かと相談相手になってもらったり、バトミントンの練習に付き合って貰ったり、(勘違いであったが)バイトを辞めるかもしれないとなったら必死に止めたりと、信頼や親交の深さが窺える。
- 千夜:甘兎庵とラビットハウスの「競い合っていた」と言う過去に関係なく、悩みを相談するほどの仲となっている。ただ、ネーミングセンスの波長は合わない様子。後に千夜自身は両店の「深い因縁」に関してあまり関心がない(むしろよく分かっていない)ことを知り、一時凹んだりもしたが、最終的には「お互い、立派な看板娘になろう」と指切りをし、より仲が深まったようである。
- シャロ:「お嬢様」として尊敬と憧れの念を抱いており、「シャロさんのような姉が欲しかった」と口にするほど。後に本当は貧乏であることを知り、そんなこと関係なしに憧れていると必死にフォローしていたが、恐らく「気遣い」からではなく「本心」からの言葉であると思われる。
- フユ:ココアが「昔のチノちゃんみたい」と語ったとおり、ココアと出会って間もない頃の内気だったチノに性格が似ており、チェスと腹話術を特技とするなど共通点が多い。旅行先の都会のスパのプールで初めて出会い、チェス勝負で初めて負けた相手。後日、駅で迷子になっていたときに偶然再会し、一緒にティッピーのぬいぐるみを探したときに仲を深める。さらに、進学した高校のクラスメイトとして運命的な再会を果たし、自分の生まれ育った街の素晴らしさを伝えながら新たな絆を育んでいる。
- ナツメとエル:都会で出会ってから二人から気に入られており、専属のバリスタにしたいと思われている。
- 青山ブルーマウンテン:[1]:ラビットハウスにメグとマヤが訪れるようになると、この二人がココアやリゼと打ち解け親しくなっていったため、チノは疎外感を味わうようになった。そんなときに、気持ちが沈んでいたチノに声をかけ、相談に乗ってくれたことで知り合うこととなった(場所は甘兎庵)。その後も何度か交流を深めており、祖父との関係も知り、他人より一歩進んだ関係となっている。チノは彼女のことを「青山さん」と呼んでいる。
- 真手凛:コーヒーは苦手としているが、チノが入れたコーヒーは甘さによってチノの優しさに包まれていると感動し、おいしく飲んでいる。後に自身が執筆する雑誌の喫茶店特集でラビットハウスを紹介している。リゼと3人で新振り回され隊を結成し、青山の鬼ごっこに付き合っている。
- モカ:ココアを遥かに凌ぐ頼れる姉オーラの前に一瞬で虜になっており、母親のような安らぎを感じるほど。モカの放つ元祖「お姉ちゃんに任せなさい」を見てココアが茶番に見えた。モカとココアの仲睦まじい姉妹の姿を羨ましく感じていた。その後、モカからココアたちの写真を撮って送るよう頼まれている。
本人はあまり人と接するのが得意ではないようであり、メグとマヤの関係に対しても、「あの二人が積極的に話しかけてくれなかったら、友達になっていなかった」 とのこと。
他の交流も、ラビットハウスに縁があったリゼはともかく、千夜、シャロに関しては、ココアとの繋がりがなければ、まず知り合うことはなかったと言え、リゼとも、最初の頃は「軍学校のようだった」らしい。
ただ、ココアと知り合ってから、誰かと話す機会が多くなったこともあり、少しづつ他人と話すことへの苦手意識が克服されつつあるようである。「お爺ちゃんとしか話そうとしない自分を思う必要は、もうない」と言っている辺り、昔と比べれば大分成長しているようである。自分よりも幼い子供に対しても積極的に話しかけて、「お姉ちゃんらしさ」を見せるようにもなる。また、これまで木組みの街から出たことがなかったが、4巻11話でみんなと山遊びに出掛けたことで初めて街から出ている。また、7巻ではココアたち一同を外のセカイ(大都会)への卒業旅行に誘っている。
ココアに対する想い
姉を自称され、迷惑がったり、呆れたりする描写が多い。しかし、ココアから「姉妹みたいだね」と言われたことに対し、小声で「ココアお姉ちゃん…ですね」と言ったり、なかなか目覚めないココアに対して、これまた小声で「…お姉ちゃんの ねぼすけ」と言ったこともある。どちらもココアにしっかり聞かれ、後者に関しては、明らかに目覚ましより小さい声なのに飛び起きたりした。
また、3巻の11話でブランデー入りのチョコで酔った際には、見境なしとは言えココアのことをはっきり「お姉ちゃん」と呼んだりした。更に、お互いにニンジンを残してリゼに咎められた際には、「お母さん大目に見て?」「お姉ちゃんの言う通りです」と、ネタ的とは言え、姉妹らしく振る舞ったりも。
他にも、ココアのためにメグとマヤと共にスコーンを焼いてプレゼントしたり、ココアが不在の際、気付いたらミルクココアを作りまくって深刻なココアシックに陥ったり、熱を出した際には必死に看病したりと、その仲や想いは日に日に深まっているようだ。作中のキャラクターの中でもっともココアからの影響を受けており、大人しい性格に変わりはないが、ツッコミをすることで次第に声を張り上げることが増え、周囲からはココア化していることが指摘されるようになる。また、ココアのことを自然に「姉」と呼ぶことも見られるようになる。
ちなみに、彼女が昔作った写真立てをココアが褒めようとし、上手くいかなかった後、「お前の母親と、褒め方が同じじゃ」とティッピーが述べ、それに対して「ぜんぜん違いますよ…」と否定しながらも、微笑みを浮かべたこともある(先述にもあるが、これは彼女が作中で初めて笑顔を見せたシーンである)。
中学3年生になり卒業後の進路に悩んでいたが、ココアの通う学校の文化祭に招待され、ココアの楽しそうな学校生活を見たこと、文化祭の雰囲気が気に入ったこと、そして色々な人を知りたいと思ったことを理由にココアと同じ学校に進学することを決意する。親友であるマヤとメグとは離れ離れになることになったが、かつての引っ込み思案だったチノが1人で決めたという大きな成長が表現されたエピソードであり、やはりココアとの出会いがもたらした変化でもある。
将来の夢と才能
家の仕事を継ぎ、立派なバリスタになることが夢。バリスタであった祖父を尊敬し、またよく遊んでもらったこともあって、自他ともに認めるお爺ちゃんっ子だったようである。
そんな祖父のコーヒー占い(カフェ・ド・マンシー)は、「当たり過ぎて怖い」ほどだったらしく、彼女もカプチーノなら「良く当たる」と評判になるくらいの腕前を見せている。他にも、香りだけでコーヒーの銘柄が分かったりと、バリスタとしての才能は十分に持っているようだ。
家事全般はこなすことができ、裁縫もできる。一方、運動神経は低く、体力もあまりない。泳ぎも苦手としており、犬かきで2mほどというレベル。体育系のイベントがあるときはリゼに特訓をお願いしている。
その他の素質としては、某巨匠の如くの画力が挙げられ、彼女の絵に「1億出す」との申し出がされた逸話まである(1巻カバー裏参照)。だが、迷惑なので本人は追い払ったとのこと。 なお、本人自身はあまり自分の画力を快く思っていなかったが、青山さんの言葉もあり、個性として昇華。「時代を変える力強い絵」と評された(ただ、趣旨は違ったために、点数は低かった)。
また、趣味でチェスを嗜んでおり、その実力は初心者とはいえ将棋を嗜んでいた年上の千夜に勝つほどである。同い年のフユに負けるまでは、同年代に負けたことがなかった。趣味関連では、他にもパズルやボトルシップも嗜んでおり、シャロ曰く「老後も安心の趣味」とのこと。
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