日本海寒帯気団収束帯とは、冬季に発生する気象現象及び気象用語である。
概要
主に、日本列島の日本海側に大雪をもたらす原因の1つで、通称「JPCZ」と呼ばれている。「JPCZ」は「Japan sea Polar air mass Convergence Zone」の頭文字から取った略語である。
メカニズム
朝鮮半島北部には、白頭山をはじめとした2700m級の高山が連なる長白山脈がそびえ立っている。この山岳地帯に西から蛇行した偏西風がぶつかり、偏西風が強制的に二分される形となる。別れた偏西風は、山岳地帯の両端を迂回しながら日本海に抜けていく。この時に、上空に強い寒気が南下してきていると、日本海に抜けた偏西風は筋状の雲を発生させる。天気予報の衛星画像でよく見る筋状の雲はこの時に発生した雲のことである。
通常であれば、並行してそのまま日本列島に流れていくのだが、場所や気象条件によっては平行せずに日本海上で合流し、収束して日本列島に流れていくことがある。このときに合流している場所では激しい対流が発生しており、加えて日本海の海水温が高いと多くの水蒸気が発生し、上昇気流が発生する。この時に雪雲が断続的に発生し、日本列島に流れていくのである。この現象のことを日本海寒帯気団収束帯、JPCZと呼んでいるのである。
天気図においては、等圧線が「く」の字になっていることが多く、「く」の頂点部がJPCZの発生地になっていることが多い。これによって大雪予報がしやすく、判断材料の1つとなっている。
冬に日本海で、寒気の吹き出しに伴って形成される。水平スケールが1000km程度の収束帯。この収束帯に伴う帯状の雲域を、「帯状雲」と呼ぶ。強い冬型の気圧配置や上空の寒気が流れ込む時に、この収束帯付近で対流雲が組織的に発達し、本州日本海側の地域では局地的に大雪となることがある。
日本海寒帯気団収束帯がもたらす気象災害
日本海寒帯気団収束帯が発生すると大雪警報が発令されるほどの降雪が発生しやすく、ときおり災害レベルの被害をもたらすことがある。特に影響を受けやすいのが鉄道や道路などの交通インフラで、国道や高速道路などで車がスリップ事故を起こしたり、その事故の渋滞などに起因して長期間の車立ち往生災害に発展することが多い。鉄道においても車と同じく積雪により運転見合わせとなったり、除雪対応で大幅な遅延や運休が発生することが多い。
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関連項目
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