自炊とは、
- 自らが食べるものを調理して用意すること。
- 所有する実物の本を自らのために電子書籍化すること。
調理する方について
自らが食べるものを調理して用意すること。
他人が用意してくれたものを食べた場合は自炊ではないし、他人のために用意することも自炊ではない。
一人暮らしをはじめたら自炊して食費を抑えるのが理想とされるが実際は出来合いのものを購入する者も多い。当然彼らの多くは調理スキルが向上しないままである。
ちなみにパンをトースターで焼くだけだったり冷凍食品を解凍しただけなら普通は自炊と認められにくいが米を炊飯器で炊いて米飯を作ることは自炊と言われやすい。何故だろう。
電子書籍化する方について
所有する実物の本を自らのために電子書籍化すること。
これによりお気に入りの本をどこでも読めるようになり、デジタルデータの保存にさえ気を配れば破損して読めなくなることもなくなる。
方法
一般的には裁断機で本の背付近を切り落とし連続読み込みが可能なスキャナーで読み込ませることで行われる。こだわりによっては1ページ毎に丁寧に根元から切り落としたりフラッドベッドスキャナで1枚ごとに読み込ませることもあるだろう。たいていは画像形式で保存されるが文庫本など活字が多いものはテキストファイルにしたり両方を組み合わせたりする。
たまにオークションに裁断済みの書籍が出品されている。これはどう考えても電子書籍化を前提としている。
最近では非破壊スキャナという上から開いた本をキャプチャするタイプのものも普及してきたため裁断して傷つけたり手間をかけたりせずにすませることもできる。ただしこの場合は補正能力を用いてもあまりきれいなデータを得られないし、本によってはスキャン自体が困難である。
自炊代行業
この電子書籍化は非常に手間がかかる。さらに機器はメンテナンスが必要であるし高性能であればあるほど高価格であり場所もとる。そのため実際に行う者は一握りの物好きくらいであった。
しかしそこに自炊代行業者というものが現れだした。以前は目立った存在ではなかったが、とある企業がテレビやネットで取り上げられたことからこの分野自体が有名になり、人々の依頼が殺到する。取り上げられて有名になった企業のサイトは告知する納期限を加速度的に大きくしていった。そしてその商売力を見込んで同業者が乱立するようになったのである。
これらはおおむね一冊100円から200円を基本料金として本を電子化してくれるというサービスである。実際に募集記事が打ち出されていたことがあるため企業の多くはパートタイマーを雇用しての効率的な流れ作業や内職としての依頼という形式を取った中間マージンで利益を得ていたと思われる。
こういった企業が爆発的に増えていったものの、個人で行うのはともかく著作権利者に無許可で他者に委託して行われると違法になるのでは?と言われていた。また、一部作家らはこれらの企業を著作権法違反ではないかと批判していた。
そして2011年には出版社や作家により一部業者が提訴され2013年には違法であるとの判決が下っている。
この影響を受けて数割の業者は営業を止めたものの、残った業者は依頼者が権利者側の権利を侵害していないことに責任をもつという前提で注文を受け付けることで言い分をたてて営業を続けている。
ちなみに権利者側の言い分は、法に触れる、無断アップロードにつながる可能性があるといういかにもな建前しかなく、彼らがその真意を語ったことはない。そもそも彼らが厳密な意味での法を守るほど生真面目で模範的な人間であったというわけでもないし、無断アップロードの取り締まり活動に積極的であったこともない上に、無断アップロードの実態についてどれだけ把握できているかは不明、さらにグレーであった期間や判決後にも自炊代行業の活動により実害があったという報告はなかったりする。
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