間違えて教師を「お母さん」(お父さん)と呼んでしまう現象とは、まあ読んだとおり、そういう現象である。
(正直、このタイトルは辞書・辞典サイトの記事としてどうかと思います。しかし、この現象を指すいい感じの名称が見つからなかったのでこうするしかなかったんです。もっといい名称を知っている/思いついた人はこの記事名を変更してくださいね)
概要
要するに、教師に向かって「先生!」と呼ぶべき状況で、間違って「お母さん!」「ママ!」「お父さん!」「パパ!」などと呼んでしまうアレ。
自分にそんな体験が皆無のために「そんなことあるゥー?」と信じがたく思った人もいるかもしれない。そんな人は「先生 お母さん 間違って」などのキーワードでインターネット検索してみよう。少なからぬ体験談が見つかるはずだ。つまりそれほど珍しい現象ではないと思われる。主に小学校の児童がやらかしてしまうようだが、中学校以上での体験談もあるようだ。インターネット上では、「間違えた側」ではなく「間違えられた側」である教師の体験談も見つかる。教師の間では「時々起きる事」と認識されているらしい。
ちなみに、この現象は日本特有のものではないらしい。例えば英語で「accidentally call mom」などで検索すれば、体験談を語っている英語圏の人々がたっぷり見つかる。もし昔この間違いをしてしまって「思い出すのも恥ずかしい」と悔やんでいる人がいたら安心されたい。あなたの仲間は世界中にいる!
この現象について語られるときは「お父さん」ではなく「お母さん」の方で語られることが多い。男性教師を「お母さん」と呼んでしまった体験談すらある。もちろん「お父さん」バージョンの体験談も皆無ではないが。子どもにとって父親よりも母親の方が近しい関係にあるケースの方が多いために、「お父さん」よりも「お母さん」と呼んでしまう事の方が多いのではないか?とも推測できるが、統計などがあるわけではないので確実なところは不明。
頻度
「どのくらいの頻度で起きるのか」については、インターネット上でのアンケートや少数を対象とした質問の記録などはある。
日本のニュースサイト「しらべぇ」に2015年8月24日に掲載された記事によれば、全国20〜60代の男女1345名に対して「学校の先生を「お母さん」「お父さん」と呼んだことがある?」とアンケートしたところ、「呼んだことがある」と答えたのは13.9%だったという。[1]
アメリカ合衆国のサイト「Newsday」に2018年4月23日に掲載された記事によれば、「fourth grade」(日本で言う小学校4年生)の生徒で調べたところ、18人が「Yes, I have called my teacher mom or dad」(はい、先生をママ(パパ)と呼んだことがあります)と答え、42人が「No, I never have done that」(いいえ、そんなのしたことないです)と答えたという[2]。
また、フジテレビのテレビ番組『VS嵐』の2018年8月9日放送回で、企画の一つとして「学校に関する2択」を行ったとき、「先生を「お母さん」と呼んだことが?」という質問に対して回答者6名(「嵐」メンバー5名と、ゲストのhaderu(田村淳))のうち3名(松本潤、櫻井翔、haderu)が「ある」と解答している。
原因は
教師と児童との関係が十分に打ち解けている(ラポールが形成されている)状況で起こりやすいようである。「心を許している教師を呼ぶときに、とっさに児童にとって最も近しい関係の人物、すなわち両親を呼ぶときの癖が出てしまう」ということではないかと思われる。逆に言えば、親しみのない教師を呼ぶ場合や、家庭環境がやや特殊で両親にも心を許せていない場合などには、この間違いは起きにくいのかもしれない。
原因について心理学者などによる学術的な検討がないのか気になるところだが、この現象を記述している学術報告などは見つけることができなかった(見つけた人はここに書きこんで欲しい)。ただし、この現象そのものではないが心理学分野で「人間が親しい関係の人の名前を呼び間違えることがあるのはなぜか」を検討している研究はあるようで、そういった研究は参考になりそうだ。
たとえば「人々は親しい相手をカテゴリー分類している。同じカテゴリーに入る相手同士を呼び間違えやすい傾向がある。つまり家族を呼ぶときは別の家族と呼び間違えやすいし、友人を呼ぶときは別の友人と呼び間違えやすい」という研究結果があるらしい[3]。これを参考にすれば、「児童は教師を無意識に「家族」のカテゴリー分類に入れてしまうくらい親しみを持つことがあり、そのせいで家族のような呼び間違い方をしてしまうのだ」ということになるだろうか。
関連動画
関連静画
下記の漫画でのこの現象の相手は「教師」ではない。しかし静画説明文にて投稿者が「僕は女の先生を「お母さん」と呼んだ経験があります。」と自らの体験を語っている。
アンケート
関連項目
脚注
- *先生を「お父さん・お母さん」と呼んだ経験者は◯割!教師の声を聞いてみると… – ニュースサイトしらべぇ
- *Have you ever accidentally called your teacher ‘mom’ or ‘dad’? | Newsday
- *Deffler, S. A., Fox, C., Ogle, C. M., & Rubin, D. C. (2016). All my children: The roles of semantic category and phonetic similarity in the misnaming of familiar individuals. Memory & Cognition, 44, 989–999.
- 14
- 2700pt
- ページ番号: 5582336
- リビジョン番号: 3124146
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