HSV-010とは、SUPER GT・500クラスに参戦している、ホンダ(本田技研工業)の開発したレーシングカーである。
概要
ホンダは自社のフラグシップであるNSXの製造を2005年で終了した。
NSXはSUPER GTにも参戦していたが、SUPER GTがFR車(フロントエンジン・リア駆動車)をGT500の参加レギュレーションとしている為に、MR車(ミッドシップエンジン・リア駆動車)のNSXの参加が「特認」とされていた事や、それに伴う性能調整、また、長年の参戦でSC430やGT-Rを相手に苦戦する事が多くなり、NSXの生産終了と合わせて、新たな車両での参戦が計画された。
ホンダではNSXの後継車両となる新たなスポーツカーの開発が始まり、2003年の東京モーターショウなどで「HSC(Honda Sports Concept)」が発表された(ただし、これはNSXの後継車両とはアナウンスされていない)。
このHSCはNSX同様にミッドシップで、V型6気筒エンジンを搭載していた。
また、ホンダの北米ブランドであるアキュラブランドで「Acura Advanced Sports Car Concept」が、NSXの後継車両として公開された。
ホンダはこれをアキュラブランドで日本でも展開する予定でいたが、2008年の世界不況の影響から開発、販売の計画は全面的に中止となってしまう。
市販車としてのNSX後継車両の開発は中止させたが、SUPER GT参戦車両としてのNSXの後継車両の開発は続け、それによって生み出されたのがこの「HSV-010」である。
HSVは「Honda Sports Velocity」の略。「Velocity」は「速さ」を意味する。
SUPER GTのレギュレーションに準拠した形となっていて、これまでNSXの後継として開発されていた車両と異なり、FR車で3.4リッター V型8気筒エンジンを搭載。コーナリング性能にこだわったと言われている。
また、エンジンサウンドにも力を入れているらしく、その音色はレーシングマシンらしく甲高い。
ホンダはこの車両を前年までNSXで参戦していたホンダ陣営のチームに供給し、SUPER GT 2010年シーズンに乗り込んだ。
開幕戦の鈴鹿では実質的なエースチームであるウイダー ホンダレーシング(童夢)とARTA、そしてナカジマレーシングの3チームの車両が同士討ちクラッシュを起こし、ウイダーとARTAの2台は大破。
ウエイト感度が高く、かつセッティングが難しいのが原因ではないかと言われ、序盤は実力を発揮しきれずにいた。
しかし、中盤以降で徐々に才能を開花させ、最終的にウイダーホンダレーシング(童夢/小暮・デュバル組)がシリーズチャンピオンを獲得している。
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