PT-76(ПТ-76)とは、ソビエト連邦で第二次世界大戦後に開発・運用された水陸両用の軽戦車である。
正式名称は「LEGKIY PLAVAYUSHIY TANK PT-76」で軽水陸両用戦車PT-76という意味。「76」の数字は主砲口径から。
概要
広大な国土に多数の川や湿地を持つソ連は1930年代以降にT-38やT-40など多数の水陸両用戦車を運用してきたが、武装はどれも重機関銃のみで第二次世界大戦時には火力不足が問題となった。
戦後直後の1947年からT-80軽戦車をベースに76.2mm戦車砲を搭載したK-90水陸両用軽戦車が開発されたが、水上浮航時の安定性が悪く、不採用となった。
この欠点を改善するために1949年よりオブイェークト740として開発されたのが本車両となる。
より大きな車体を持つ本車両は良好な性能を発揮し、1951年には制式化。
1951年から1967年まで約12000両が生産された。この内の10000両がソ連国内向けで2000両が東側諸国や友好国に輸出された。
また、中国ではライセンス生産もされている。
構造
水上浮航時用に車体前部上面には可動式の波切り板があり、推進用に車体後部に2基のウォータージェットが搭載されている。
性能
| 最高速度 | 44km/h(水上10.2km/h) |
| 行動距離 | 250km |
| 主砲 | 76.2mm戦車砲D-56T (48口径、40発搭載) |
| 副武装 | SGMT重機関銃 (1000発搭載) |
| 装甲 | 15mm~6mm |
| エンジン | V-6 水冷6気筒ディーゼルエンジン 240馬力 |
| 乗員 | 3名 |
バリエーション
- PT-76B - 1959年から生産された改良型。主砲を76.2mm戦車砲D-56TSに変更し、PAZ放射線防護システムを追加。増加燃料タンクが装備されたため航続距離が伸びている。
- PT-76M(オブイェークト907) - エンジンを300馬力のV-6Mに変更し、車体形状を変更した改良型。量産されず試作のみ。
- 60式水陸両用戦車 - 中国がライセンス生産した車両。
派生型
- ASU-85 - 完全密閉式の固定戦闘室に85㎜戦車砲を装備した空挺戦車。
- BTR-50 - 本車両をベースとした装甲兵員輸送車(APC)。
- ZSU-23-4 シルカ - 4連装の23mm機関砲を装備した自走式高射機関砲。
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関連項目
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