概要
1997年、日産はル・マン24時間耐久レースに参戦するために新たなるレーシングマシンを開発した。それがこのR390GT1である。開発にはトム・ウォーキンショーレーシングと共同で行われた。
設計はトニー・サウスゲート、外装デザインはイアン・カラムが担当。
システム的にはトム・ウォーキンショーレーシングが保有していたレースカーのジャガーXJR15をベースにしており、そこに日産製V型8気筒3.5Lツインターボエンジンを搭載する手法で行われた。
出走カテゴリーはLMP1(ル・マンプロトタイプレースカー1)クラスではなく、GT1クラスとなった。そのため、1台だけイギリス登録の公道仕様車が制作された。この手法によるGT1クラス出走はトヨタのTS020 GT-Oneと同じやり方である。
レースに出たところ…
R390GT1は1997年のル・マン24時間耐久レースに出場。予選でポールポジションを取り、優勝候補のひとつと言われたが、現地でレギュレーション違反を指摘される。そこで急遽改修を行ったところ、ギアボックスの冷却トラブルが発生し残念な結果に終わった。(予選時点ではトランクスペースがメッシュ構造でギアボックスに冷却風が通る構造となっていたが、そこがレギュレーション違反であり、急遽トランクスペースを密閉構造にしたところ、ギアボックスの熱を冷やすことが出来なくなってしまいトラブルが発生してしまった。)
翌1998年はギアボックスを自社製→Xトラック製に変更。空力面の改善が図られ、フロントノーズ形状が変更され、リアオーバーハングが延長された。さらにウィリアムズF1チームからABSやトラクションコントロールシステムの提供を受け戦闘力を強化。
30号車(ジョン・ニールセン、フランク・ラゴルス、ミハエル・クルム)、31号車(エリック・コマス、ヤン・ラマース、アンドレア・モンテルミーニ)、32号車(鈴木亜久里・星野一義・影山正彦)、33号車(黒澤琢弥、影山正美、本山哲)の計4台が出走し、32号車が総合3位で表彰台入り、全車が10位以内に入賞するという快挙を成し遂げた。
登場作品
関連動画
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