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この記事は第124回オススメ記事に選ばれました! よりニコニコできるような記事に編集していきましょう。 |
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この記事では実在の競走馬について記述しています。 この馬を元にした『ウマ娘 プリティーダービー』に登場するウマ娘については 「ツインターボ(ウマ娘)」を参照して下さい。 |
ツインターボとは、1990年代前半に「破滅的なバカ逃げ」というレーススタイルでマニア的人気を博した、非常にファンの多い競走馬である。
(自動車エンジンの「ツインターボ」の項目をお探しの方は即刻ヤフーでググれ)
がいよう
父:ライラリッジ 母:レーシングジイーン 母父:サンシー
1988年4月13日、北海道静内町に生まれる。
牡馬であるにもかかわらずかなり小柄。レースで走れば周りの馬より一回りから二回りも小さい馬体で非常に目立った。新馬戦以外では生涯通して常に420kg~400kg台であった。デビュー初戦から逃げの戦法をとり、競走馬生活を終えるまで(武豊が騎乗して後方からの競馬になった帝王賞を除き)ただひたすら逃げ続けた、小さな逃亡者。4歳(旧表記。以降も同様)時のラジオたんぱ賞で重賞初勝利。その後、七夕賞・オールカマーをぶっちぎりの逃げ切りで制す。6歳時の重賞2連勝の印象が強いせいか晩成と勘違いされやすいが、4歳時にラジオたんぱ賞1着やセントライト記念・福島記念2着などがあるため特に晩成というわけではない。晩年は上山競馬に移籍して11戦1勝、しかも勝ったのは初戦のみ。他のレースは全て2~8秒遅れての最下位もしくはブービーであった。
引退後は宮城県で種牡馬となるが、98年心臓発作のため11歳で死亡。
産駒は5頭のみ。既に全頭が引退し、ツインターボの血は残っていない。
まあそんな能書きはツインターボの魅力を語るに際してどうでもいい事なので、関連動画を見なさい。
ツインターボ。
彼が一たび走ればスタンドからは笑いが沸き起こり、向こう正面に達する頃には地鳴りのような歓声に変わり、レースが決する頃にはみんなターボのことをすっかり忘れている。なぜか? ツインターボは、ゲートが開くと同時にロケット花火のように飛び出し、ペースなどという単語を微塵も感じさせない破滅的な大逃げを打った末に逆噴射を起こし、ともすれば故障発生にしか見えないようなムーンウォークを見せ、最後は歩いてゴール板の前を通過する。彼の古馬時代はほとんどがそのような競馬ばかりであり、勝ったレース以外では掲示板にすら載っていない。古馬になってからは25戦してたったの3勝である。もっと言えば、七夕賞・オールカマー・上山競馬移籍後初戦勝利以外ほぼ全てが、惜しいというにも憚られる惨敗である。そんな愚直な競馬しかできなかった一介の逃げ馬が、GIII1着やGII2着など成績的に言えばかなり善戦していた4歳時を遥かに凌ぐ勢いで、惨敗続きの古馬時代に人気を呼んだ。21世紀の競馬ファンならば確実に首をひねるであろう不可解な逆転現象である。
一体、ツインターボの魅力とは何なのか。
それはターボを心から愛するファンが答えてくれるはずである。
「何故こんな馬が好きなのか?」とファンに訊けば、彼らは、
「だって、見ていてゾクゾクするじゃないか」
「それでこそツインターボでしょう?」
と口を揃えて言うだろう。
そう、ツインターボとは、「様式美」なのである。
美しくも儚い大逃げとその直後の急激な逆噴射、それがツインターボの競馬であり、勝ち負けを争うレースとは別世界の物語なのである。近年の日本競馬界が侵されている重病、「スローペース症候群」。スタートからテレテレと走り、最後の直線に向いたらヨーイドン! そのような競馬ばかりが目立つようになって久しくなった。だがスローペースや差し・追込みが悪いわけではない。みんながみんな同じ事をしてしまったら、特徴も何もなくなってしまう。毎度毎度レースを見れば同じような展開ばかり……そんな時代に現れた逃げる救世主、それがツインターボ。後方で牽制しあう有力差し馬達を尻目に何処吹く風とばかりに破滅的なペースでガンガン加速していく。「ターボについていったらお終いだ。どうせ最後はバテて歩くんだから」と考えて有力馬が揃って控えたら、もうそこはツインターボの桧舞台。ネタ馬扱いされていた馬が、良血の強豪馬に泡を吹かせる――そんなマンガのような胸のすくレースを夢見て、今日もターボの逆噴射を眺める。その夢がいつか現実のものとなる日が来ると信じて。
そして彼は、七夕賞とオールカマーで、その夢を2度も現実化させた。
ツインターボが伝説になった瞬間であった。
ただし、この話にはオチもある。
夢のような重賞2連勝、その期待は天皇賞(秋)においてツインターボというネタ馬を3番人気にまで押し上げた。
結果は言わずもがなのビリッケツ。これ以上無いという負けっぷりであった。
ターボの死から20年が経とうとしている現在も、競馬ファンは未だにターボを愛し、オールカマーの逃げっぷりを堪能している。JRAが行った「20世紀の名馬アンケート」では91位にランクインされ、動画は芝生の群生地・字幕職人の巣と化していることからも、その根強く深いファン層が見て取れるようである。
時代は変わり、21世紀になった。世の中がディープインパクトやコントレイル、アーモンドアイ等数々の名馬に酔いしれる中、私達はファストタテヤマやゴールドシップやマルカシェンク等数々の個性派に笑い、時には感動を覚えている。だが、これからいくら新しい個性派が出てこようとも、永遠の大将格として、ツインターボはこれからも未来永劫愛され続けることだろう。
ファンに笑われながらも、
勝つため、そして生き残るため、
不器用に愚直に1990年代を駆け抜けたツインターボ。
その短い生涯は、
強烈で鮮烈で美しい、
胸躍る『大逃げ』の代名詞として、
サイレンススズカと共に今も、語り継がれている。
けっとうひょう
*ライラリッジ 1981 鹿毛 |
Lyphard 1969 鹿毛 |
Northern Dancer | Nearctic |
Natalma | |||
Goofed | Court Martial | ||
Barra | |||
Riverside 1966 鹿毛 |
Sheshoon | Precipitation | |
Noorani | |||
Renounce | Big Game | ||
Refreshed | |||
レーシングジイーン 1982 鹿毛 FNo.3-e |
*サンシー 1969 黒鹿毛 |
Sanctus | Fine Top |
Sanelta | |||
Wordys | Worden | ||
Princesse d'Ys | |||
マスタジョウオー 1977 鹿毛 |
*ファバージ | Princely Gift | |
Spring Offensive | |||
ハードホープ | *ダイハード | ||
メジロホープ |
父ライラリッジは米国で条件戦で13戦2勝を挙げた軽度だが、半姉にGI3勝のRiverqueenがいる良血を買われて日本で種牡馬入りした。産駒はツインターボ以外は重賞勝利馬はいない。
母レーシングジイーンは11戦1勝。産駒は他に中央で4勝したゲーリーミナレットなどがいる。
母父サンシーはフランスで走りグレフュール賞、ノアイユ賞のほかジョッケクルブ賞2着など14戦6勝。代表産駒にハギノトップレディなどがいる。
かんれんどうが
かんれんこうもく
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