キング石井とは、後に新日暮里と呼ばれるようになる新日暮里王国を建国し統治した、歪みねぇ王である。
好物であるりんごコーヒーはいつも欠かさない。
東京都真良河(まらかわ)区にある新日暮里は、今でこそ自然と共存しつつ大きなハッテンを遂げているものの、かつては屈強な森の妖精のみが住まう、いわゆる未開発地域であった。そんな、ノンケならば誰しも「いかん、危ない危ない危ない…」と思うような場所に、新天地を求め、数人の農夫やレスラー(後のスゲーボーイズ)を率いてヤって来た歪みねえ男がいた。彼こそが、後のキング石井である。彼らは森の木を切り倒し、自分達の家を建て、ちっちゃい集落を作った。
森の妖精達は、突然ヤって来たと思ったら森の木を超スピードで切り始めた彼らに対して、「どういうことなの…」という感情を募らせ始めた。一部の妖精は「何の問題ですか? 規模もちっちゃいし、構へん」と寛容の心を見せたが、「バーロー、このまま放っておいたら、あのだらしねぇ奴らに我々の土地を奪われてしまう。パンツを奪うように」と思っている妖精の方が大多数だった。中には、「このままではこの森はもう終わりだぁ! 森から出て行けぇ!」と考える過激派までいた。
そうしているうちにも、「ゲイが差別や偏見から解き放たれ、安心して住める場所」として少しずつ有名になっていたその集落は、どんどんその大きさを拡張していた。キング石井は、もはやこの集落は集落と呼ぶには大きすぎる、と判断し、『新日暮里王国』と名を改め、自らが初代国王の即位した。
事態を重く見た妖精達の王は、キング石井の元を訪れた。
「私のナウい息子達が苦しんでいる。あんたぁ達が勝手に木を切り倒した事に対して、お前人のものを! と思っている者も多い。一体どういうことなの…か、説明してほしい。我々の森をどうするつもりなのか。ここで一体ナニを成すつもりなのか」
彼の言葉を聞いたキング石井は、深く反省をした。本来なら、自然と、森の妖精と共に生きるべき自分達パンツレスラーが、彼らの事を考えず、ただ己の抱く野望に従って行動していた。自らのだらしねぇ行動を悟ったキング石井だったが、「森を離れる」という選択肢だけは、どうしても選ぶことができなかった。「ゲイが誰にも邪魔されず、安心して愛を語らい、安心してレスリングできる国を建てる」というのは、彼の夢であり、生涯を通した『哲学』とも呼べるものであった。その哲学を曲げるのはあまりにもだらしねぇ行いであり、また、この哲学を貫き通すことこそ歪みねぇ行いであると、彼は信じていた。
彼は妖精たちの王に、こう返事をした。
「いやぁ、スイマセーン。でも、我々はこの森を出て行くような事ははしない。ゲイの国を建てるという私の目標は、未だにハッテン途上だ」
この言葉を聞いた過激派(性的な意味で)の妖精たちは、「やっぱりな。あいつらはこの森を乗っ取る気だ。この森から出て行けぇ!」と激しく反発。キング石井の哲学は、彼らに伝わらなかったのである。
後に、新日暮里王国に過激派妖精たちが襲いかかる(性的な意味で)という事件が起こる。「どういうことなの…」と思った王国のレスラー達は彼らに反撃し、パンツを奪おうとする。だが、キング石井はそれを止めさせた。「どういうことなの…」という気持ちは、お互いに対する無理解から起こる。まずは、お互い理解し合う事。それが大切であると思ったのであった。
キング石井は、妖精達の王に、ヒトと妖精との入り乱れたレスリング大会を行ってはどうかと提案する。侵略するようにして相手のパンツを無理矢理奪うのではなく、あくまで正々堂々と、試合として戦う。そうすることで、被害は最小限に食い止められ、お互い悔いも残らないであろうと思ったのだ。人間から16名、妖精から16柱が参加した、このレスリング史上最大のケツ戦の模様は、当時の賢者達によって哲学書に記された。
伝承によれば、優勝したのは人間側のレスラーであったという。敗れた妖精側は、自らの土地を失う事を覚悟したが、キング石井はそうはしなかった。自分達はここを去らないが、妖精達が住むだけの土地は何が何でも確保する、と、そう決めたのである。その後、妖精達の王との協議の結果、森の妖精との土地分割が行われ、両者はその後争う事なく、ともに助け合いながら暮らすようになったのである。現在国連によって定められている新日暮里自治区の制定は、この会議の内容をもとに行われた。
その後キング石井は、レスリング大会に優勝したレスラーに、自らを『石井さん』と呼ぶ権利を与えた。キング石井は誇り高い人物であったので、こうして名前を呼ばせることは滅多になかったのである。更にキング石井は、彼にスゲーボーイズ二人と愛を育む権利までも与えた。その様子は、王の側近ですら思わずナウい息子を握りしめたくなるほど情熱的であったという。歪みねぇな。
彼は、ヒトと妖精との歪みねぇ友情の証として、森の妖精と結婚した。彼らの子孫こそが、森の妖精という名を日本中に知らしめることとなる、我らがビリー・ヘリントンであるという事が、新日暮里大学の研究チームによって明らかにされたのは記憶に新しい。男同士であるにも関わらず子供ってどういうことなの…という問いだが、それに関しては未だに解明されていない。新日暮里大学の遺伝子研究チームによる続報が待たれる。
新日暮里の一部に伝わる伝説によると、ギリシア神話のミノス王よろしく、死後はダーク♂サイドへと堕ち、地獄の支配者ルシファーになったとされる。生前の賢帝としての功績と照らし合わせると、俄かには信じがたい伝承であるが、或いは正史の伝えない帝政の暗部が、権力の目を逃れ口承で伝えられるうち、そのような伝説を生み出したのかもしれない。さらに伝説によると、悪魔となったキング石井は契約を結んだものの望みをなんでも叶えるのと引き換えに、契約から1年後、その者の魂を淫靡な快楽が支配する地獄へと連れ去るとされている。新日暮里で年間発生している失踪事件、原因不明の変死事件のうち数件は悪魔との契約の儀式を行った者の末路であるともまことしやかに語られているが、新日暮里自治政府、新日暮里警察当局はそのような事実は存在しないと否定している。
ちなみに本名はBlake Harper(ブレイク・ハーパー)。ゲイポルノ界において数多くの受賞歴のあるスーパー・ゲイ♂ポルノスターである。名前でググると、何と兄貴(Billy Herrington)の10倍弱のヒット件数(2009年8月現在)を誇る。歪みねぇ。
キング石井が優勝者に褒美を与える様子。
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最終更新:2024/05/26(日) 16:00
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