クラシック・メタル(Classic Metal)とは、ロックミュージックのジャンルを表わす表記の1つ。
ジャンルとしてヘヴィメタルが成立する以前のヘヴィロック、もしくは多くのサブジャンルに枝分かれする以前の古典的な形態を保ったハードロック・ヘヴィメタル、あるいはHR/HMの古典に冠される傾向にある言葉である。
クラシック・ロックとされるものでHR/HMに類するジャンルの作品がこう呼ばれ、そう表記されることが2000年代から目立つようになった。アーティストとしてはジミ・ヘンドリックス、レッド・ツェッペリン、ブラック・サバス、フリー、エアロスミス、キッス、アイアン・メイデン、RAINBOWなど幅広くそのジャンル名が冠されている。現代の視点からは古典的なヘヴィメタルロックで、オルタナティブ・ロックやパンク、ニューウェーブに含まれないとこのジャンル名は貼り付けられる印象だ。
信憑性の高い説として「ヘヴィメタル」という言葉を本来的な金属物質の意味ではなく、用いた最初の例は、実はミュージシャンでも音楽評論家でもなく、ビート・ジェネレーションの作家として、ロックを含めたカウンターカルチャーの多くのアーティストに影響を与えてきた、ウィリアム・S・バロウズのSF小説『柔らかいマシン』の中で使用されたのが原点だと言われている。
その中に下記のような一節がある。
「重力の市民たちよ、我々は皆ヘヴィメタルに改造されるのだ!…我々のメタルから副産物が派生し、この惑星を金属の屑で覆われた塊に変えるなどという誹謗を信じてはならない…ヘヴィメタルは我々のプログラムされた未来であり、それに没入するのは時間の問題なのだ」
この小説の登場人物の若い殺し屋がヘヴィメタル・キッズと呼ばれており、そこから音楽評論家レスター・バングスが1966年にブルース・ロックグループのヤードバーズを「ヘヴィメタル・キッズ」と描写したのが最初だったようだ。
やがてエレキギターを用いた大音量でディストーションサウンドを活かした暴力的ロックミュージックに「ヘヴィメタル」の名が冠されて70年代にロックのジャンルを表わす言葉として一般化していく。
一般でハードロックはヘヴィメタルの母体であるかのように認識されているが、ジャンルを表わす表現としてはヘヴィメタルという言葉は、ハードロックという言葉よりも古くからある。60年代から70年代初期、現在ではハードロックと類せられるアーティストに、アシッド・ロック、ニュー・ロックなどの呼称が用いられていた。
またパイオニアである古典的なハードロックのアーティストたちは、自分たちはあくまでもロックを演っているという認識であったから、メディアからハードロック、ヘヴィメタルであると形容されることを一種の侮蔑表現と受け取り、そう呼ばれるのを嫌う傾向にあったが、70年代後半から80年代初頭に起こった新しいHR/HMの一大ブームのうねりや、NWOBHM(ニュー・ウェーブ・オブ・ブリテッシュ・メタル)などのムーブメントを経験したアーティストたちは、むしろ自分たちを積極的にヘヴィメタルだと認識、称するようになった。
そこから様々なサブジャンルが産まれ、ヘヴィメタルというジャンルは現在に至っている。
クラシック・メタルとはそれらのルーツを表わす表現であると言えよう。
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最終更新:2024/12/11(水) 06:00
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