テオレーマ 単語

9件

テオレーマ

3.5千文字の記事
  • twitter
  • facebook
  • はてな
  • LINE

テオレーマ(英:Teorema)とは、2016年生まれ日本競走馬鹿毛

世界1位の末脚と濃厚すぎる欧州血統が日本で出会って生まれた大器晩成ダートである。
名の意味は「スペイン語で『定理』」。

な勝ち
2021年:JBCレディスクラシック(JpnI)、マリーンカップ(JpnIII)
2022年:TCK女王盃(JpnIII)

とんでもない(母の)血統

ジャスタウェイ*スターズアラインド、Sea The Starsという血統。……と書くだけでは彼女の血統の凄まじさは1mmも伝わらないであろうから、もう少し詳しく書く。
まず2014年ドバイデューティフリーを圧勝してレーティング世界1位いた世界ジャスタウェイ。テオレーマはその初年度産駒である。が、とりあえずそれはまあ置いておいていい。

問題はである。アイルランド産の輸入繁殖牝馬なのだが、まずこの血統を見てほしい。

Sea The Stars :Senora Galilei Galileo

血統に詳しい人なら「ん? おいちょっと待て」と思った事であろう。Sea The StarsGalileoはどちらもUrban Sea。つまりこの配合、Urban Seaの2×3という凄まじい牝系クロス配合なのである。
人間で言えば叔父と姪で子供を作ったことになる。エネイブルかよ。
さらに血統を見るとは*デインヒルで、3代Green DesertDanzig産駒なのでクロスDanzigの4×4、さらにGalileoからSadler's Wellsも入ってるのでNorthern Dancerも5×4×5である。ついでにSenora GalileiはTeofilo(2006年カルティエ賞最優秀2歳)の全。なんかもうわけのわからん血統背景である。ちなみにこちらにとってもテオレーマは初
一応説明を付け加えておくと、Sea The Stars2009年イギリスクラシック二冠&凱旋門賞で、種牡馬としても現代欧州競馬トップサイアーとして活躍している。Galileo*デインヒルSadler's Wells欧州競馬を席巻した説明不要レベルの大種牡馬。そしてSea The StarsGalileoUrban Seaはこの2頭を含めGIを4頭生んだ伝説的な繁殖牝馬そりゃ欧州にはお相手いなくて日本送りになりますわ。

2016年2月2日浦河町牧場(ディープスカイの生産牧場)で誕生。オーナーはその牧場の代表である水上行雄。*スターズアラインドを「なんか凄い血統がいるぞ」と2014年のタタソール12月セールで競り落とし、ジャスタウェイの配合を決めたのは水上オーナー自身だそうである。

砂の定理

3歳~4歳

東の石坂正厩舎に入厩し、2019年1月の3歳新馬戦(京都・芝1600m)でデビューするも11着惨敗。ちなみにこのレース、1着は2021年中京記念を勝つアンドラステ、2着は2022年天皇賞(春)でカラ2着入線して話題になったシルヴァーソニックだった。
2戦からはダートに転向し、3戦未勝利戦(阪神ダート1800m・)を7身差で逃げ切り圧勝、未勝利を突破する。

しかしその後は勝ち味に遅く、3歳の間は1勝クラスで足踏みが続く。明けて2020年3月1勝クラス(阪神ダート1800m・)を、後に相棒となる川田将雅の騎乗で外から捲って差し切り勝利
2勝クラスでも4着→11着→3着→2着となかなか勝ちきれず。昇級5戦2020年11月西湖特別(東京ダート1600m・)を坂を上りきったところから一気に加速して4身差の快勝、ようやく準オープンに昇格。このあたりから本格的に、譲りの末脚が開し始める。
3勝クラス初戦のフォーチュンカップ(阪神ダート1800m)は1番人気に支持され、ハナ差2着に敗れたが、テン乗りで上を務めた吉田隼人は「このクラスもすぐに勝てると思います」と語った。

5歳

明けて2021年、初戦の豊前ステークス(小倉ダート1700m)を最後方の大外から猛な末脚で快に差し切り、あっさりオープンに昇格。ちなみにここまでの勝ち上がりは全て限定戦で、これが一の相手の勝利であった。

2月限りで石坂調教師が定年となったため、息子石坂一厩舎に転厩した。
から彼女を引き継いだ石坂師は「坦なコースの方が良い」と見て、以降テオレーマは地方ダートグレード競走路線に的を絞ることになる。

というわけで重賞初挑戦は4月マリーンカップ(船橋JpnIII)。上はここから川田将雅となる。7頭立てのレースを先頭からだいぶ離れた6番手で進めたが、直線に入ると先頭で叩き合うサルサディオーネとマドラチェック牙にもかけず、次元の違う末脚で外から一気に差し切り2身差の快勝、重賞初制覇。石坂師も開業3年で嬉しい重賞勝利となった。

続いて7月スパーキングレディーカップ(川崎JpnIII)。1番人気に支持されたが、石坂師によるとレース中に熱中症になっていたそうで、前走のマリーンCで破ったサルサディオーネに10身以上離された6着に惨敗。
気を取り直して10月レディスプレリュード(大井JpnII)。中団から追い上げたもののレーヌブランシュに届かず2身半差の2着に敗れたが、上の川田は「改めて前走の敗因が熱中症だったと確認できました」と次走に切り替えた。

そして11月、今年は金沢競馬場1500mでの開催となったJBCレディスクラシック(JpnI)。体重も前走から-10kgとしっかり絞れて1番人気に推される。中団の内から先行勢を見ながらレースを進め、3コーナーから徐々に押し上げていくと、直線で外から抜群の末脚で一気に差し切り、1:32.1コースレコードで2身半差をつけて圧勝。JpnI初挑戦で見事にダート女王の座にいた。

6歳

6歳となる2022年初戦は1月TCK女王盃(大井JpnIII)。いつも通りの中団待機から直線で外に持ち出し、内から迫ってきたショウナンナデシコにも上の川田が「着差以上に余裕がありました」と語る力強い末脚で勝。ダート女王の貫を見せた。

続いて2月フェブラリーステークス(GI)に挑戦。川田レッドルゼルに騎乗するため、上は初騎乗のクリストフ・ルメール。初の中央重賞重賞ではとの初対決フェブラリーSGIになって以来の勝ちなしというあたりから10番人気譲りの末脚で低評価を覆したいところだったが、外から末脚勝負に持ち込みたいのに最内の11番を引いてしまい後方に押し込められ、高速馬場で前残りの展開ではさすがにどうにもならず14着に敗れた。

まだまだダートグレード競走で活躍できそうであったが、既に6歳という年齢や血統背景もあってか、結局このフェブラリーステークスを最後に引退となった。通算23戦7勝、重賞3勝。

引退後

引退後は故郷の牧場で繁殖入りすることになった。

自身は晩成だったのに産駒現在のところいささか熟伸び悩みの傾向があるジャスタウェイ産駒の中で、方の欧州の血のなのかしい晩成ダートとして活躍したテオレーマ。その子たちがの末脚と欧州の血を日本に広げるような活躍を見せることを期待したい。

血統表

ジャスタウェイ
2009 鹿毛
ハーツクライ
2001 鹿毛
*サンデーサイレンス Halo
Wishing Well
アイリッシュダンス *トニービン
*ビューパーダンス
ビル
1999 鹿毛
Wild Again Icecapade
Bushel-n-Peck
*シャロン Mo Exception
Double Wiggle
*スターズアラインド
2011 鹿毛
FNo.1-n
Sea The Stars
2006 鹿毛
Cape Cross Green Desert
Park Appeal
Urban Sea Miswaki
Allegretta
Senora Galilei
2003 鹿毛
Galileo Sadler's Wells
Urban Sea
Alcando *デインヒル
Saviour

クロスUrban Sea 3×4(18.75%)、Danzig 5×5(6.25%)

関連動画

関連コミュニティ

関連リンク

関連項目

この記事を編集する
関連記事

親記事

子記事

  • なし

兄弟記事

掲示板

おすすめトレンド

ニコニ広告で宣伝された記事

記事と一緒に動画もおすすめ!
もっと見る

急上昇ワード改

最終更新:2025/03/24(月) 22:00

ほめられた記事

最終更新:2025/03/24(月) 22:00

ウォッチリストに追加しました!

すでにウォッチリストに
入っています。

OK

追加に失敗しました。

OK

追加にはログインが必要です。

           

ほめた!

すでにほめています。

すでにほめています。

ほめるを取消しました。

OK

ほめるに失敗しました。

OK

ほめるの取消しに失敗しました。

OK

ほめるにはログインが必要です。

タグ編集にはログインが必要です。

タグ編集には利用規約の同意が必要です。