アイアムハヤスギル(I Am Hayasugiru)とは、2016年生まれの日本の競走馬。黒鹿毛の牡馬。
父*ヨハネスブルグ、母アイアムネフライト、母父アグネスタキオンという血統。
父はストームキャット系のアメリカからの輸入種牡馬。2歳時に7戦7勝、欧州・米国のGIを4勝し、3歳時は3戦3敗で引退した超・早熟馬である。日本に輸入された後に代表産駒スキャットダディからアメリカ三冠馬ジャスティファイが出るなど、アメリカでは主にスキャットダディの父として様々な活躍馬の血統表に名を刻んでいるが、輸入された日本ではパッとせず、既に種牡馬を引退しており、2021年までに中央重賞馬は3頭、交流重賞を含めても5頭に留まる。知名度的には日本での代表産駒は重賞未勝利だがヨシオになるだろう。
母は18戦2勝で、母系は3代母まで代々同じ堀紘一オーナーの所有馬。
母父はジャングルポケットやクロフネらを圧倒して4戦4勝で皐月賞を制し、そのまま故障で引退、種牡馬としても大成功を収めた〝超光速の粒子〟。
父が日本で出した中央重賞馬3頭(ホウライアキコ、ネロ、エイティーンガール)はいずれも芝1200mのGIIIの勝ち馬で(ちなみに6勝のうち3勝が京阪杯)、母系の産駒はもともとダート短距離馬が多く、総じて短距離血統と言える。
2016年3月2日に浦河町のまるとみ冨岡牧場で誕生。オーナーは「アイアム」冠名を用いる堀紘一。紫のメンコが特徴。
なんとも自信満々な珍名馬だが、彼以前の「アイアム」冠名馬は「アイアムカミノマゴ」(2010年阪神牝馬S勝ち馬。ちなみに「競馬の神様」大川慶次郎氏に勧められて母馬を買ったことが由来)や「アイアムコノテイド」が目につく程度で、これといって珍名馬シリーズというわけではなかった。
ところが彼の1歳上に突然「アイアムガンバレヨ」が登場、同世代には「アイアムピッカピカ」、更に彼の1歳下には半弟の「アイアムスゴスギル」に加え「アイアムイチリュウ」「アイアムイチオシ」と、この2015年~2017年産の馬たちだけネーミングの毛色がそれまでと変わっている。地方所属で馬主は別だが、半妹に「アイアムヤルワヨ」(2018年産)もいる。
ちなみにハヤスギルも含めこの7頭は全員母父アグネスタキオンであり、ガンバレヨ・ピッカピカ・イチリュウはアイアムカミノマゴの子、イチオシはアイアムカミノマゴの全妹「アイアムアクトレス」(2011年ユニコーンS勝ち馬)の子だったりする。
なお、馬名意味は「冠名+速すぎるスピード」と登録されている。
美浦・奥平雅士厩舎に入厩し、2018年10月13日の新馬戦(東京ダート1400m)でデビュー(4着)。同レースには「ログインボーナス」という馬もいて、一緒に珍名馬として一部でちょっとだけ話題に。
その後はダートの未勝利戦を5着→3着→2着→2着と好走しながら勝ちきれなかったが、2019年2月の6戦目(東京ダート1300m)で無事に勝ち上がる。
続いて初の芝となる500万下の黄梅賞(中山芝1600m)に挑んだが9着に敗れ、以降はダートの1400m以下に専念。条件戦をコツコツと走り続け、2019年8月の新潟の1勝クラス、2020年7月の福島の2勝クラスと平場のレースで勝ち上がって準オープンに昇格。
3勝クラスでは初戦の初風ステークスで1着と5馬身差ながら3着を確保、続くテレビ静岡賞では3/4馬身差の2着に食い込んだが、その後は掲示板に入ったり入らなかったりといったところで5歳春まで足踏みが続いた。
さて2021年。祖父が美少女マッドサイエンティストとして大人気になったりして競馬界に新たなファン層が流入し盛り上がりを見せる中、SNS等ではさまざまな珍名馬にも注目が集まるようになっていた。とはいえ競馬界に珍名馬は数多い。比較的テレビ中継に映ることも多い3勝クラスに在籍しているとはいえ、ごくありふれたダート条件馬であるアイアムハヤスギルは、そんなよくいる一頭の珍名馬に過ぎなかった。
そんな中、2021年9月18日。1年前に昇格初戦を戦い3着に食い込んだ初風ステークス(中山ダート1200m)に再び出走したアイアムハヤスギルは、ここで1頭の珍名馬と運命の出会いを果たすことになる。
レースがスタートし、中団の内に構えたアイアムハヤスギル。直線に入り、3頭横並びでレースを引っぱっていた先行組の中から1頭が抜け出し先頭に立った。
先頭に立って逃げるオヌシナニモノ。その背中を、アイアムハヤスギルは中団から一気の末脚で追撃する。粘るオヌシナニモノ。ぐんぐん伸びるアイアムハヤスギル。ゴール手前で捉えきり、3/4馬身差で差し切ってゴール。
1着アイアムハヤスギル、2着オヌシナニモノ。珍名馬同士のワンツーフィニッシュ、しかも差された方が「オヌシナニモノ?」、差した方が「アイアムハヤスギル」と会話が綺麗に成立してしまう名前同士の馬連にSNSは大盛り上がり。オヌシナニモノにつられてアイアムハヤスギルの知名度も一気に急上昇することになった。
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https://twitter.com/memen_HaE/status/1439120068781043714
ともあれ、かくしてアイアムハヤスギルは5歳秋にしてついにオープン入りを果たした。
オープン昇格初戦の霜月ステークス(OP)は14着と大敗して5歳シーズンを終える。
明けて2022年。6歳初戦に選ばれたのは1月16日のジャニュアリーステークス(OP)。同父を持つヨシオが2年前に勝ったレースだったりするが、そんなことよりもなんとここには、こちらもあのあと3勝クラスを勝ち上がってオープン入りしたオヌシナニモノも出走してきていた。
早くも訪れた再戦に注目が集まる中、オヌシナニモノは先行策から直線で先頭に立つもゴール手前で捕まり5着。一方アイアムハヤスギルは中団後方に待機したが、馬群に埋もれたまま9着。混戦のレースで1着とは0.4秒差なので着順ほどの惨敗ではないが、着順の上ではオヌシナニモノにリベンジされる格好となった。
2戦目は3月20日の千葉ステークス(OP)。前走に続いて中山ダート1200m戦だが、なんと2月の大和Sを除外になってしまったオヌシナニモノも出走、早くも3度目の対決となった。レースは行き脚がつかず最後方からとなり、直線で外から追い込んだものの7着オヌシナニモノと半馬身差の8着。
3戦目は5月28日の欅ステークス(OP)。府中ダート1400m戦だったが、距離が長かったのか終始後方で14着に沈没。
このあと休養に入ったアイアムハヤスギル。その間、9月にオヌシナニモノが地方の金沢競馬場へ移籍してしまう。
運命の相方・オヌシナニモノが地方に去り、ハヤスギルはどうなるのかと思われたが、10月15日、なんと障害試験合格との一報が入った。
11月26日、東京の障害未勝利戦(芝→ダート3000m)にて、上野翔騎手を鞍上に障害デビュー。3番手で先行したが、4コーナーで力尽きて12頭立ての10着。飛越はなかなか上手く無事完走は何よりだが、やはり課題はスタミナ面か。
2戦目は明けて7歳となった1月8日、中山の障害未勝利戦(芝→ダート2880m)。最初の下り坂で勢いがついてハナを切り逃げる体勢に入ったが、2周目のバンケットで早くも力尽きて後退、そのまま向こう正面の竹柵障害で転倒、競走中止。幸いハヤスギル自身に異常はなかったが、上野騎手は左肩負傷で同日の12Rは乗り替わりになってしまった。
結局この競走中止で障害にも見切りを付けることになり、ダート短距離に戻ったものの、3月の千葉S(OP)は14着。10ヶ月休んで8歳となり、ジャニュアリーS(OP)はブービー13着。芝で新潟千直の韋駄天S(OP)に挑んだが12着に終わり、このレースを最後に現役引退となった。通算33戦4勝 [4-5-3-21]。
引退後については明確な情報がなく、千葉県で乗馬との噂もあるが真偽は不明。第二の馬生がどういう形であれ幸あるものであることを祈りたい。
*ヨハネスブルグ 1999 鹿毛 |
*ヘネシー 1993 栗毛 |
Storm Cat | Storm Bird |
Terlingua | |||
Island Kitty | Hawaii | ||
T.C. Kitten | |||
Myth 1993 鹿毛 |
*オジジアン | Damascus | |
Gonfalon | |||
Yarn | Mr. Prospector | ||
Narrate | |||
アイアムネフライト 2009 栗毛 FNo.14-a |
アグネスタキオン 1998 栗毛 |
*サンデーサイレンス | Halo |
Wishing Well | |||
アグネスフローラ | *ロイヤルスキー | ||
アグネスレディー | |||
アイアムアドーター 2002 鹿毛 |
*デヒア | Deputy Minister | |
Sister Dot | |||
アイアムザウィナー | Danzig Connection | ||
*ブルージーンベイビー |
クロス:Mr. Prospector 4×5(9.38%)、Secretariat 5×5(6.25%)
掲示板
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最終更新:2024/12/02(月) 04:00
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