ニシノデイジー(Nishino Daisy)とは、2016年生まれの日本の競走馬である。鹿毛の牡馬。
主な勝ち鞍
2018年:札幌2歳ステークス(GIII)、東京スポーツ杯2歳ステークス(GIII)
2022年:中山大障害(J・GI)
父ハービンジャー、母ニシノヒナギク、母父アグネスタキオンという血統。
父のハービンジャーはイギリス調教馬であり現役時代にはキングジョージⅥ世&クイーンエリザベスステークスを歴史的大差で圧勝している。引退後日本に種牡馬として売却され、ノームコアやブラストワンピース、ディアドラなどをGI馬を複数輩出している。
母のニシノヒナギクは現役時代中央競馬で4戦未勝利。母父アグネスタキオンは皐月賞優勝の後故障で引退した幻の三冠馬。
母母ニシノミライは、ともに90年代の西山牧場を代表する名馬であるGI3勝の天才少女ニシノフラワーと、1998年の二冠馬セイウンスカイの仔。セイウンスカイは超マイナー血統ゆえにクラシック二冠馬でありながら種牡馬としての評価が非常に低かったのだが、なんとかセイウンスカイの血を残したいというオーナーの熱意によって繋げられた、西山牧場の想いが込められた母系である。
2016年4月18日、谷川牧場にて誕生。牧場での様子は「当歳時は見栄えのしないタイプであったが、年齢を重ねるにつれてグングン成長していった」と語られている。
その後、セイウンスカイらの馬主であった西山正行氏の息子、西山茂行氏が馬主となった。
デビューは2018年7月8日、函館5R 2歳新馬戦、鞍上は勝浦正樹。7頭立てのこのレースでは2着に終わる。2戦目は同月21日の函館1R 2歳未勝利戦。単勝1.5倍の1番人気に推され、上がり最速の脚を使い勝利し見事期待に応えた。
3戦目は重賞初挑戦となる札幌2歳ステークス(GIII)。クラージュゲリエやウィクトーリアが人気を集め、ニシノデイジーは6番人気と穴馬寄りの対抗馬扱いであったが、3コーナー過ぎから一気に進出するとそのまま押し切り重賞初制覇。
続くは東京スポーツ杯2歳ステークス(GIII)。ルヴォルグやヴェロックスが人気の中心で、ニシノデイジーは重賞勝ち馬でありながら8番人気と低評価。レースでは最後の直線で抜け出し、ヴァンドギャルドやヴェロックスの猛追を凌ぎきり重賞を連勝。レース後、鞍上の勝浦は「流石にもうみんなも注目してくれるんじゃないですか」とコメントを残した。
次走はホープフルステークス(GI)に決定しGI初挑戦。このレースでは圧倒的人気を集めたサートゥルナーリアをマークする形でレースを進めていき、直線で抜け出したサートゥルナーリア、アドマイヤジャスタに及ばなかったものの3着で入線。
この年は全5戦走り、3勝(うち重賞2勝)、2着1回、3着1回(GI)と馬券圏内を外さず好走し続け、翌年のクラシック候補の一頭に名を連ねることとなった。
年明け初戦は弥生賞(GII)を選択。ホープフルSでの走りが評価されたか1番人気に支持されたものの、雨が降り続く重馬場が響いたか4着に敗れる。
続くはクラシック初戦、皐月賞(GI)。前戦の負けから多少人気は落としたものの6番人気に支持された。しかしレースでは見せ場なく17着と大敗してしまう。直前の調教まで順調と伝えられていた中での大敗ということやレース後のコメントでミス騎乗だったと勝浦が語るなど、皐月賞後はメディアなどで主戦騎手の勝浦とのコンビを疑問視する意見も見られたが、西山オーナーが日本ダービーまでコンビ継続を明言。
迎えた日本ダービー(GI)。サートゥルナーリアがスタートに失敗し、リオンリオンが大逃げを打つバタバタとした展開となったこのレース、ニシノデイジーは勝ち馬のロジャーバローズに離されはしたものの内ラチ沿いをしぶとく伸びをみせての5着と粘り込み意地を見せた。
だが、続くセントライト記念(GII)では最終コーナーで大外を回す展開となってしまい5着に敗れる。この敗戦を受けて西山オーナーは鞍上の変更を決断した旨をブログにて表明した。
その後クラシック最終戦の菊花賞(GI)に出走が決定、鞍上にこの年絶好調のクリストフ・ルメールに決定。2番人気に推されたものの9着に敗れる。
菊花賞後に放牧に出されこの年の戦いを終える。2歳戦の活躍からクラシック候補の一角と期待されたが、GIではダービー5着が最高と寂しい結果に終わってしまった。
年が明け古馬となった2020年。重賞戦線で戦うこととなるニシノデイジーだが、クラシック戦線以上に苦戦を強いられることとなった。
始動戦となったアメリカジョッキークラブカップは6着、続く金鯱賞は6着、目黒記念では18着としんがり負けを喫した(鞍上:田辺裕信)。
鞍上を勝浦正樹に戻して函館記念に出走するも13着に終わり、レース後休養に入ったためこの年はこれで終了。
半年の休養を挟み、2021年初戦の東京新聞杯は13着。新潟大賞典12着、鞍上を江田照男に変更し挑んだエプソムカップでは18着と二桁着順が続く。
その後もオープンとリステッド競走に出走するも二桁着順が続き、2022年初戦の白富士ステークス(リステド)も12着に終わった。
この敗戦を受けて陣営は一つの決断を下した。
障害競走への転向である。
ダービー開催週の2022年5月28日、新潟1R 障害4歳以上未勝利にて障害競走デビュー、鞍上には最多勝利障害騎手の経験もある五十嵐雄祐が騎乗。転向後初戦ということもあり控えめな5番人気だったが、スタートから前目でレースを進めると、ゴール板前でかわされたものの、最終障害まで1番手で走っての3着とデビュー戦としては上々な内容であった。
続く2戦目は東京1R 3歳以上障害未勝利。レースは前走同様に先行する形でレースのペースを形成、先頭で最後の直線に入ると、猛追するファルヴォーレを競り負かし1着でゴールインし、3年7ヶ月ぶりの勝利を挙げた。入線直後には現地のファンから温かい拍手が送られた。またレース中には芝とダートの境目を障害と勘違いしてジャンプするというちょっとしたミスがあったが、鞍上の五十嵐は「注意深いんです。障害馬としてはいい要素ですね。」とコメントを残した。また、朝一番の未勝利戦ながらもニシノデイジーの名がTwitterのトレンドワード入りしていた。
次戦のOP・秋陽ジャンプSでは1番人気に推され2着。順調にレース経験を積み重ねる。当初は秋陽ジャンプSを年内最終戦とする予定だったが、手応えを感じていた五十嵐騎手の提言でなんと暮れのJ-GI・中山大障害へ挑戦することになった。絶対王者と呼ばれたオジュウチョウサンの引退レースとなる大舞台。ニシノデイジーは障害入りしてわずか4戦目ながら、15.4倍の5番人気に支持された。
序盤は後方に構えたニシノデイジーは、大生垣障害の手前あたりから前方に進出し先頭へ。ケンホファヴァルトをかわすと後続を突き放して最終障害を飛越、芝重賞馬の平地力で引き離していく。後ろではオジュウチョウサンが伸びあぐねる中、ゼノヴァースの追撃を悠々と振り切り1着でゴール板を駆け抜けた。
オジュウチョウサンが中山グランドジャンプでJ-GI初制覇を達成したのが2016年4月16日。その2日後に生まれたニシノデイジーが、世代交代を証明する初戴冠を果たした。西山オーナーはセイウンコウセイの2017年高松宮記念以来のGI制覇。オーナーの執念の血統が、期待と苦闘とを経て、大障害の舞台で大輪の花を咲かせた。
2022年のJRA賞最優秀障害馬は中山GJを勝っているオジュウチョウサンとの争いになったが、結果はオジュウチョウサン138票、ニシノデイジー137票。僅か1票差で惜しくも受賞を逃した。
障害新王者の期待がかかる2023年(7歳)は、、まず阪神スプリングジャンプ(J・GII)へ。だが、ミッキーメテオと騎手がかぶってしまったこともあり、これまでオジュウチョウサンの主戦だった石神深一へ乗り替わりとなった。だが、ロードアクアにちぎられたうえ、ジェミニキングにも抜かされ3着となった(ミッキーメテオは4着)。
中山グランドジャンプは10頭立てという少なさに。大きく出遅れてしまったところを、重馬場の中で無理やり上がっていき、それでスタミナが切れてしまったのか、最後はふらふらしてしまったが、どうにか完走し9着で無事レースを終えることができた(1着はイロゴトシ、2着ミッキーメテオ)。
秋は五十嵐雄祐に鞍上が戻り東京ハイジャンプ(J・GII)に出るも、これも重馬場に苦しみ後ろで何もできずに11着。なお、イロゴトシも6着と、障害競走が戦国時代へ突入したかに見えるような形となった。
2連覇のかかる中山大障害は3番人気で迎える。この日は良馬場にも恵まれ、テンから好位を確保したデイジーは逃げを打ったビレッジイーグルに中盤で競り掛け、先頭を奪取する。しかし、背後の3番手で機を伺っていた1番人気のマイネルグロンに最終周回の向正面で捕まり、最後は10馬身ちぎられ2着。とはいえ、積極果敢な内容でレースを引っ張り、3着エコロデュエルにも6馬身差をつけて連対。前年覇者として意地を示す内容で2023年を終えた。
平地時代は長く良い脚を使うタイプで、コーナー出口前からじわじわ加速していき差し切るスタイルであった。障害転向後は先行押し切りの王道スタイルに変わっている。
黄色のバンテージがトレードマーク。毎回ではないが、黄色のメンコ・シャドーロールを装着することもある。
馬名意味に「すてきなもの」と登録され、前述の通り「セイウンスカイの名を後世に残したかった」と語る西山オーナーにとっても思い入れのある馬である。オーナーのブログにも度々画像やエピソードが掲載されており、ブログには「狂気の配合」「執念の血統」などとも書かれている。
血統表を見ると、セイウンスカイ、ニシノフラワー、アグネスタキオンと三頭ともウマ娘に実装されている所謂ウマ娘血統の馬であり、アニメ1期放送終了直後にデビューし活躍したことから同作のトレーナーにもファンが多い。また、作品内でもセイウンスカイとニシノフラワーの絡みが多く、「デイジー」の名を冠したイベントやエピソードがいくつか存在する。
*ハービンジャー 2006 鹿毛 |
Dansili 1996 黒鹿毛 |
*デインヒル | Danzig |
Razyana | |||
Hasili | Kahyasi | ||
Kerali | |||
Penang Pearl 1996 鹿毛 |
Bering | Arctic Tern | |
Beaune | |||
Guapa | Shareef Dancer | ||
Sauceboat | |||
ニシノヒナギク 2008 鹿毛 FNo.2-s |
アグネスタキオン 1998 栗毛 |
*サンデーサイレンス | Halo |
Wishing Well | |||
アグネスフローラ | *ロイヤルスキー | ||
アグネスレディー | |||
ニシノミライ 2003 鹿毛 |
セイウンスカイ | *シェリフズスター | |
シスターミル | |||
ニシノフラワー | Majestic Light | ||
*デュプリシト |
クロス:Danzig 4×5(9.38%)、Northern Dancer 5×5(6.25%)
掲示板
158 ななしのよっしん
2024/04/13(土) 16:06:54 ID: 5cgOLrYAYc
マイネルグロン完全一強ではなくなったし、今年の中山大障害は前年不参加のイロゴトシも含めた三強対決になるかな?マイネルグロンは入線後下馬があったから、そちらが心配だが。
159 ななしのよっしん
2024/04/13(土) 20:04:37 ID: 9XSNCLANZz
160 ななしのよっしん
2024/04/13(土) 22:22:34 ID: FwTEmHPndF
終盤で上手く飛越できなかったところで一気に詰め寄られたのが敗因な感じだったけど、元を辿るといつも通り折り合いを欠いて消耗したのが原因に思える
それでも3着に残すのは本当に凄いし、なんやかんやで近走は大きく崩れてないから今後も楽しみ
急上昇ワード改
最終更新:2024/09/13(金) 20:00
最終更新:2024/09/13(金) 20:00
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