アルファウイング(Alpha Wing)とは、ヨメガが発売するヨーヨーの名である。
プラスティック製で軽く、金属軸なのでそこそこスリープ時間もある。
とどのつまり、「ダンカン・バタフライ」のフォロワーモデルであるため、基本的な性能はほぼ同じである。
本機の特筆性は、その奇妙な販売戦略にある。
同じような書き出しを「ヨメガ・オールスター」の時にやった気がするが、本機は輪をかけて奇妙なのである。
ヨメガは、「ステルスレイダー」が環境から退場してから、長年ストリングトリック機の不振に悩まされていた。
2000年代にかけて、他社との差別化を図るべく意欲的なストリング機を次々にリリースしたが、単なる奇をてらっただけのヨーヨーだと評価されて終わっている。
2010年代には「一般のおもちゃ屋さんで、子どもたちに買ってもらえるヨーヨーを売ろう」という方針に転換する。「ネビュラ」などの廉価版機種や、ヨーヨージャム・シンウーなどとコラボレーションしたエントリー向け機種、「ヨーモッズ」などの、組み替えが楽しいヨーヨーをリリースする。
そんな中、安価で買いやすい固定軸ストリングトリック機として、本機はリリースされた。
発売年は2015年。この年に至るまで、ヨメガが固定軸バタフライ機種を発売したことは一度たりともない。
価格は、日本では1200円ほど。700円程度で買える本家「バタフライ」の倍近くである。
「ハイパーパピヨン」が680円であることを知っていた旧ハイパーヨーヨー世代は、奇異の目を向けた。
日本のヨーヨー専門店も、「バタフライでいいじゃん!」と一向に販売しようとしない。
後に登場した「スターウォーズ」シリーズを、リワインドが並行輸入するにとどまった。
しかし、このヨーヨーは、そういうことを知っているプレイヤーに向けたものではない。
一般のおもちゃ屋さんに卸し、初めてヨーヨーに触れる子どもや、久しぶりにヨーヨーを見る大人に買ってもらうためのヨーヨーである。
本機が卸されたのは、主にトイザらスなどの大型量販店である。
そこでは、「ブレイン」や「ファイヤーボール」といった人気機種の中に、アルファウイングも置いてある。
陳列されているヨーヨーを見て、「このブレインっていうヨーヨー、中にメカが入ってかっこいい! でも2000円か…」と思ったとき。隣に、もう少し安い「アルファウイング」が置いてある。
これを買い、つれづれなるままにいくつか技をやってみる。
「スリーパー」と「ウォーク・ザ・ドッグ」、それに「フォワード・パス」ぐらいが出来るのであれば、そこで本機の役割はあらかた達成したといえるだろう。
Twitterで「ヨーヨー」でサーチをかけると、ヨーヨープレイヤーの濃いツイートの中に混じって「トイザらスでヨーヨー買った!」とアルファウイングの写真をアップしているものが見られる。
場合によっては、ぎこちなくもちょっとした技を披露している人もいる。
興味を持って買った人もいれば、子どもに買ってあげたという人もいる。昔ハイパーヨーヨーで遊んでいたので懐かしくて買った人もいる。理由はそれぞれだが、このヨーヨーは、とりあえず買って遊んでみるのにふさわしい価格である。
その代わり、「ブレイン」よりは使いにくい。引いても戻ってこなくて「壊れてるんじゃないか?」と思う人がいたり、換えヒモを買うことも知らず、ヒモが切れてしまって放置する人がいたりする。
その人は、それっきりヨーヨーをやらないかも知れない。
しかしそういう人の中から、次に「ブレイン」や「ファイヤーボール」を買ってくれる人が出てくるかも知れない。
その人たちの子どもがまたヨーヨーに触れたときに、「そういえば昔遊んだなー」と思い出してくれるかも知れない。
90年代、「ブレイン」や「ファイヤーボール」こそがその役割を担っていた。
今は、それらよりももっと安くて触ってもらいやすいヨーヨーを作る時である。
ヨメガは、長い迷走の末に、ヨーヨーとはそういう人たちのためにあることを思い出したと言えるだろう。
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https://twitter.com/Yomegacorp/status/613733833989619713
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最終更新:2025/08/15(金) 09:00
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