固定軸(fixed axle)とは、ある種の回転する機構で、ベアリング(軸受)を搭載していないことである。
主にスキルトイ類で用いられる。
もとはヨーヨーで用いられていた用語。
1985-90年代にかけて、ヨーヨーの軸回りにプラスティックのすべり軸受やボールベアリングを採用したトランスアクセル機種が現れ、そちらが競技ヨーヨーの主力となっていった。
これに対し、従来の軸に直接ストリングを掛けるヨーヨーのことを「固定軸」と呼ぶようになった。
なお、ストリングが軸に結び付けられ、下まで落ちきるとすぐに戻ってくるヨーヨーのことではない。
そちらには特に名前がついていないが、「スリープしないヨーヨー」などと呼ばれる。
ヨーヨー以外では、それと親和性の高いディアボロ(中国ゴマ)やスピントップ(アメリカ式独楽)で用いられる。
2017年頃に、日本式の独楽にもボールベアリングが採用され始めたため、普及次第ではそちらもそう呼ばれるかもしれない。
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大きく分けて、木製軸と金属軸が存在する。木製軸はスリープは低いが戻しやすく当たりが柔らかい。金属軸はスリープが高いが、ストリングのヨリ具合によっては戻りが悪くなる。
「スピンタスティクス・テクニック」や「ダンカン・プロヨー」など、金属軸に木製スプールをかぶせてある機種も固定軸扱いされる。ヨーヨーショップのスペック表記では木製「ベアリング」と書かれることがあるが、スプール部分は動かない。
前述のとおり、1990年代にはすでにトランスアクセルの時代になっているため、固定軸機種はそうそうに時代遅れとなった。しかし、当初トランスアクセル機は2000円を超えるものがほとんどであったため、1000円以下で買えるお手軽なヨーヨーとしては十分選択肢に上るものであった。
現在はボールベアリング機種すら1000円以内で買えることもあり、廉価版としての固定軸の役割は終わった。
しかし、昔からのプレイヤーが懐かしのヨーヨーとして、または上級者のお遊びや縛りプレイとして、そしてコレクションとして一定の需要がある。
カスタム可能な機種の中には、固定軸にカスタムできるパーツが装備できるものもある。
90年代の世界大会では、規定トリックは全て固定軸で行わなければならないというルールがあった。
それを踏襲して、ハイパーヨーヨーでも「ベーシックレベル99」は固定軸に限るという制約が設けられていた。
固定軸フリースタイルでは、ストール・グラブなどのヨーヨーを停止させるトリックや、ワインダー・アクセラレーションなどヨーヨーを巻き上げたり、巻き上げずに再始動させるトリックが認められる場合がある。
固定軸でも十分な回転が得られるため、固定軸も人気である。
2010年代後半現在では、ベアリング派と固定軸派で二分されている。
ディアボロに普通のボールベアリングを用いると、右にも左にも空転してしまって回転がかけられない。
したがって、ある方向には空転するが、逆方向は空転しないベアリングが採用される。
これはワンウェイベアリングと呼ばれ、自転車のフリーホイール機構にも用いられる。
ベアリング採用機種は非常に強い回転力が得られ、しかもそれが落ちにくい。
しかし、ボディの左右を間違えると回転が逆方向になることや、「エレベーター」などの技が使えなくなるデメリットがあり、一長一短である。
固定軸とベアリング機種の双方が発売されている。
スピントップのベアリングは先端部の「ティップ」につけられており、ティップの交換だけでベアリング・固定を切り替えられるものが多い。
性能自体はベアリング機種の方がいいはずだが、固定軸もいまだ人気。
ワールドスピントップコンテスト(ワールドヨーヨーコンテストと併催)のトッププレイヤーは固定軸のプレイヤーが依然多い。
木製固定軸機種でトップになったプレイヤーは、タイトルとは別に特別賞が与えられる。
固定軸スピントップは、「アクセラレーション」というトリックを使えばヒモを巻かずとも回転を開始させられる。
スピントップの大会では、ストリングを巻くと減点になることから、トップが停止した場合は予備と交換になる。
そのため、交換せずとも始動させられる固定軸はまだ一定の需要がある。
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最終更新:2024/05/12(日) 09:00
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