佐久間ダムとは、静岡県浜松市天竜区佐久間町と愛知県北設楽郡豊根村に跨って天竜川の本流に建設された水力発電を主とする多目的ダムである。ダム建設によって生じた人造湖には「佐久間湖」の名称が付けられている。
河川 | 天竜川 |
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ダム湖名 | 佐久間湖 |
ダム型式 | 重力式コンクリートダム |
堤高 | 155.5m |
堤頂長 | 293.5m |
堤体積 | 1,120,000㎥ |
流域面積 | 4,156.5 km² |
利用目的 | 発電 洪水調節 |
事業主体 | 電源開発 国土交通省中部地方整備局 |
電気事業者 | 電源開発 |
発電所名 | 佐久間発電所 新豊根発電所 |
泰阜ダム・平岡ダムの下流に建設された発電を主目的とする巨大ダムで、ダム湖は平岡ダムの直下流付近まで伸びている。
ダムが完成した当時、所在自治体は磐田郡佐久間村だったが直後の市町村合併で佐久間町となり、平成の大合併で浜松市天竜区へと変化した。このため、浜松市は政令指定都市で100m以上のダムを擁する自治体となっている。
なお、ダム湖を含めると静岡県・愛知県の他長野県下伊那郡天龍村にもかかっており、3県にまたがるダムも全国的に希少価値の高いものとなっている。
ダム建設に合わせて300戸近くが移転を余儀なくされ、飯田線もおよそ18kmの区間と3つの駅が水没。新たに水窪町(当時)を経由する新線が建設された。この新線区間にかの有名な「渡らずの橋」である第六水窪川橋梁が所在する。
主な目的が発電のため年間を通じて水位の変動が少ないが、渇水期には水位が大きく下がり、水没した飯田線のトンネルなどが姿を見せることがある。
余談だが、台風などで天竜川が大増水すると本来は水没しない夏焼第二隧道の南側まで水嵩が増してくることがあるとか。その理由は簡単で、ダム湖の最高水面が260mなのに対し、トンネル南側の標高が263mしかないため。
佐久間ダムに貯水された莫大な水は、133mの落差を地下トンネルで一気に通り抜け、下流に建設された佐久間発電所で発電に使われる。佐久間発電所の最大出力は35万キロワットと上位3位レベル、年間発電量は平均13億キロワット時と日本一を誇る。
なお佐久間発電所で発電に使われた水をそのまま天竜川へ放流すると、不均衡な流量となって下流に様々な影響を及ぼす。これを防ぐため、発電所よりも更に下流に秋葉ダムを建設。佐久間ダムの逆調節池の役割を持たせ、ついでに発電所を建設してより電力量を増やすこととした。
1968年には水窪川へと流れ込む戸中川に水窪ダムが建設された。水窪ダムは発電用のダムで、水窪発電所で使用された水が導水路を通じて佐久間ダムへと流れ込んでいる。
1982年、佐久間発電所のすぐ下流に佐久間第二発電所が建設された。佐久間第二発電所は佐久間発電所と秋葉ダムの間に残された落差を活用する形で32,000kwの電気を生み出す。
愛知県北設楽郡豊根村に所在する新豊根ダムと佐久間ダムは新豊根発電所を通じて揚水発電を行っている。新豊根ダムを上池、佐久間ダムを下池としており認可出力1,125,000kwを生み出す。
正式な目的ではないものの、愛知県東三河地域の利水目的にも佐久間ダムが使用されている。
佐久間ダムの右岸に取水口を設置し、全長14.2kmの導水路を通じて豊川水系宇連川の支流である亀渕川へ水を送る。亀渕川へと流れ込んだ水は、そのまま宇連川を流下し愛知県新城市大野にある大野頭首工から豊川用水へと流れ、新城市・豊川市・豊橋市・蒲郡市を潤す。
ただし佐久間ダムは発電が主目的のダムであり、佐久間ダムから豊川用水への導水は農繁期に年間5000万立方メートルを超えない範囲で行うと定められている。
ちなみに佐久間ダムから導水が行われている時期になると、導水路の出口付近では川の水が白く濁る。これは天竜川流域の地質に花崗岩を含むため。
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最終更新:2024/05/07(火) 16:00
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