小早川秀包とは (コバヤカワヒデカネとは) [単語記事]

小早川秀包（こばやかわ・ひでかね　1567 ～ 1601）とは、安芸・筑後の戦国武将・大名である。

概要

毛利元就の末子。兄・小早川隆景の養子となる。小早川秀秋が養子として送り込まれてくると跡継ぎの地位を失い、別家を立てる。関ヶ原の戦いでは西軍について敗北、改易となり、直後に病に侵され短い人生を閉じた。立花宗茂のマブダチ。

この時代の人物の例にもれず何度か改名しているが、ここでは基本的には最も知られているであろう小早川秀包の名で記述していく。便宜上（なんとウィキペディアでも）毛利秀包という名で記されることもあるが、実際にそのように名乗ったことはない。

生涯

安芸の戦国大名、謀神こと毛利元就の九男であり末っ子。元就71歳の時の子供である（元就の享年は75歳）。長兄・毛利隆元はとっくに亡くなっており、元就の後継者である彼の孫（秀包の甥）毛利輝元は既に14歳になっていた。なんつー元気なジジイだ。

初め備後の国人の養子となっており大田元綱と名乗っていた。1579年、13歳の時、母が小早川家庶流の乃美氏出身だったこともあって、跡継ぎのいなかった三兄・小早川隆景の養子となって小早川元総（こばやかわ・もとふさ）を名乗ることになる。

その後、本能寺の変、賤ヶ岳の戦いを経て羽柴秀吉が勢力を伸ばすと、吉川広家と共に羽柴家（豊臣家）への人質として差し出された。この際、秀吉から「秀」の一字を賜り、小早川秀包と改名、更に通称も藤吉郎の「藤」の一字を賜って藤四郎を名乗のることを許された。秀包は容姿端麗かつ、次兄・吉川元春に似たのか武勇にも優れ、特に鉄砲を得意としていた。これらのことから秀吉に大変気に入られ、人質でありながら非常に厚遇される。そして秀吉に従って各地を転戦し、小牧・長久手の戦い、四国征伐、九州征伐にも参加した。詳細な時期は不明ながら、途中で人質から解放されたのか、養父・隆景の配下で戦ったりもしている。

九州征伐後、秀吉の得意技である「大大名の重臣を一方的に独立大名扱いして力を削ぐ」というやり口により、小早川隆景は毛利家から切り離され、筑前・筑後に移封されることになる。この際、秀包は筑後を任されることとなり、新たに築いた久留米城を本拠地として統治をおこなった。また妻が大友宗麟の娘だったこともあって、キリシタンに改宗している。