ほんとうをいうと、私はこの物語を書きたくないのだ。
読むひとの心を明るくするところが、微塵もないからである。
悪魔が来りて笛を吹く(あくまがきたりてふえをふく)とは、横溝正史の長編推理小説である。
「悪魔が来たりて笛を吹く」と誤記されることが多いが、正しくは「悪魔が来りて笛を吹く」である。
推理小説雑誌『宝石』に1951年11月から1953年11月まで連載された「金田一耕助シリーズ」の一つ。
金田一お得意の田舎の因習モノとは一味違う都会の貴族の没落物語。
フルートの旋律が鳴り響く中、旧華族を襲う連続殺人事件の解明に挑む。
太宰治の『斜陽』の影響が濃い。ただし、『斜陽』が没落する貴族一家を哀惜の念をもって描いているのに対し、本作では「残念でもないし当然」といった感じで突き放している。
トリック自体よりも「悪魔」はなぜ出現したかに重点が置かれているなど、ゴシックホラー色が強い。
また、横溝の故郷である兵庫県で事件を捜査する場面が多く、金田一自身が割とのんびりしており、他シリーズと比べると旅情感が濃い。
何度も映画化やドラマ化などがなされているが、NHK BSプレミアムで放送された2018年版は大胆なアレンジの結果、犯人自体が復讐する本当のわけを知らないという新しい悲劇が生まれ、俳優陣や演出の妙もあり、原作よりもエグさが際立つ結果となっている。そして金田一の情け容赦のなさも……
3か月後、モンタージュ写真に似ていたため、天銀堂事件[1]と呼ばれるその事件の容疑者となった椿家の当主・椿英輔が遺体となって発見される。
警察は自殺と断定するも、金田一耕助の元を訪れた英輔の娘・椿美禰子は父はまだ生きているのでは?と疑念を抱き、捜査を依頼。
翌日、六本木にそびえる豪奢な椿子爵邸を訪れた金田一は、一同が会する中はじまった砂占いに同席するも、砂の上に描かれた「悪魔の紋章」と、突如鳴り響くフルートの旋律に一族がパニック状態に。
それは椿子爵が自作した「悪魔が来りて笛を吹く」[2]という曲だった。
それぞれの背景を掴むため、子爵の足跡を辿るべく、金田一は旅に出る。
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最終更新:2024/12/20(金) 02:00
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