波崎シーサイド道路 単語

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ハサキシーサイドドウロ

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神栖市 > 波崎地区 (旧鹿島波崎町) > 波崎シーサイド道路

波崎RDFセンター付近から北に約5キロメートルの間の一部が通行止めです。回路をご利用ください。


シーサイド道路の迂回案内 / 茨城県神栖市exitより,2022/11/03閲覧

波崎シーサイド道路 (はさきシーサイドどうろ) は、茨城県神栖市に存在する「シーサイド道路」の波崎地区 (旧鹿島波崎町) の区間の通称である。正式名称は「神栖市1-9号線」。

一部区間が17年近くもわたり地権者とのトラブル通行止めとなり、「平成の関所」という異名でも知られていた。

概要

1970年、もともと神栖市がまだ存在せず、波崎町だったころに鹿島工業地帯の開発に合わせて敷設された道路シーサイド道路といいつつも、近くはコンクリートによる柵や防風力タービンなどがつくような場所である。そこから30年ほどはふつうにも行き来する道路であり、海水浴客サーファー釣り人で賑わったりしていた。また波崎シーサイドキャンプ場なども存在していたため交通量は多かった。

かしこ道路には1つ問題があった。そう、私有地を横切っていたのである。1994年にその私有地を持っていた者が別の男性 (現在の地権者。以後、地権者とのみ表記) にこの土地を売却。この地権者はここに老人ホームを建設しようとしていたが、私有地を横切っている道路のためにそれが不可能であった。地権者は波崎町にも土地の購入時に道路との位置を確認していたとし、「説明がなかった」ことを理由に波崎町を訴え裁判が起こされる。一審は原告である地権者の訴えを棄却したが、二審で逆転勝訴。波崎町サイド道路敷設時に私有地がないことを確認していなかった落ち度でもあるため、波崎町、後神栖市サイドは使用料を支払いながらも、土地の単価を根拠に1000万円での売却交渉を持ちかけた。しかし地権者サイドは「8年に渡る裁判で全財産を使った上、的である老人ホームの建設がわなかった」として謝罪と3億円の補填を要し交渉は決裂している。


――と、ここまでなら (あまりあってはほしくないが) 行政ミスによるよくある私有地トラブルではあった。しかし、業を煮やした地権者サイドは、驚くべき行動に打って出る。なんと、2006年10月、この道路にバリケードを設置し、通行する車輌から通行料を徴収し始めたのである。――現代において、平成の関所と呼ばれていた由縁である。

もちろん私なので通行料を徴収すること自体は問題はないのだが、この道路は先程も述べた通り、かなり重要なポジションを担っていた道路であったにも関わらず、その通行が著しく難しくなってしまったといえる。

神栖市サイド道路整備課に特定道路対策室(市道1-9号線に関すること)を設置し、地権者との交渉を継続。毎年のように議会の質疑にも挙げられていたが、なかなか交渉は進まなかったようである。2020年頃に地権者が死去し中断していたが、相続手続きが終了し2022年7月から相続者との交渉を開始。2023年2月27日相続者に和解を支払うことで両者合意。その後売買契約を締結し、路面の整備などを行い2023年7月10日10時30分に16年9ヶぶりに開通した。開通後、の流れが変わるなどの効果が出ており、その重要さが伺える。

なお、今回合意に至った地権者の土地の他にも用地には当該地権者と神栖市などによる共有地があるが、道路法に基づき管理していくとのことである(共有地は持分の過半数の合意があればとして供用することが可であり、たとえ当該地権者が権利をしてもそれを覆すことは困難と思われる)。

再開通前の波崎シーサイド道路

この波崎シーサイド道路の地権者はバリケードを設置して、通行を著しく妨げてしまったが、私有地である以上正当な権利行使であるため、多数の通報があるものの警察も民事不介入を理由に関与しない。地権者は小屋を設置し、通行する一台一台にらせ、近くを通りかかる人にも「ここは私有地である」と権利をしていた。

神栖市サイドも解決の糸口がみえないためにこの90mを含む数メートルエリアを通行不可能とし、回路の使用を呼びかけていた。また当該私有地の近くには神栖市、地権者双方による「この先私有地」という看板が所狭しと設置されており、神栖市サイド看板では「この先で起きたトラブルは関知しない」とまで書かれてしまっていた。

2009年にはこの地権者の族である男が、通行料を理由としてトラブルになった際に、そのリアガラスを肘で破砕するという事件が起きている他、同じ男が自ら運営する駐車場の利用客とを飲んでいた際に、ビールをつがれたところ怒り出して水中で銛を発射するという事件も起きている (利用客は間一で回避し事) 。

2022年11月8日にもこの場所で男性が立っているところに地権者が軽トラックを急発進させてその男性はねるという事件が起きている(その後起訴され、罰50万円の略式命を受けた)。

通行料も当初は500円だったようだが、2017年には1万円、2019年には2万円と上昇していき、地権者の退去前は通行料4万円、更に払えなかった場合はを用意するまでを地権者に預けなければならず、1日毎に預かり料が4万円かかる模様(その一方、一部の近隣住民に対しては釣ったを貢ぐことなどで便宜を図ってくれることもあったらしい)。警察としても私有地におけるトラブルには民事不介入としており (神栖市からの問い合わせに「裁判負けたんだよね?」などという回答を行ったとされる) 、神栖市は地権者との話し合い継続してきた。この通行料及び神栖市と地権者が設置した掲示板やバリケードによって現在の波崎シーサイド道路は寂れてしまっており、キャンプ場や釣具店なども潰れてしまったとか。この経済損失や渋滞(開通後すぐ効果が出たことからもそれが伺える)を懸念し、地元でも期の再開通を望むは多く、通行止めになって以来議会でもたびたび取り上げられていた。

令和にも残った平成の関所は消滅するが、その強さは今後も記憶に残ることだろう。

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