百式重爆撃機 単語

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百式重爆撃機とは、大日本帝國陸軍が運用した爆撃機である。別名呑龍(どんりゅう)。
連合軍が付けたコードネームヘレン(Helen)。

概要

陸軍九七式重爆撃機力として用いていたが、1937年に勃発した支那事変では苦戦を強いられていた。敵戦闘機の待ちせによる被害がかなり出ていたのだ。これを受けて陸軍は次期力機キ-49開発一社特命で中島飛行機に命じた。機体コンセプトは「戦闘機を必要としない重装甲の爆撃機」で、日本機にしてはしく防御が重視された。要九七式重爆を上回るものだったが、中島は様々な工夫を凝らして要を満たそうとした。まず高出力のハ-41エンジンを採用。防御火器として後端に20mm機を装備。機首、機体側面、後方下部にそれぞれ7.9mmを装備し、異例の重武装を施した。その様相は飛ぶ戦車と呼ばれたほど。航続距離は控えめだったが、これは対ソ連戦(=大陸での運用)を想定しているからだと言われる。それでも九七式重爆より航続距離が強化され、2400kmを誇った。1939年8月に試作機一号完成。さっさく陸軍によるテストを受けた。要速度500キロに満たなかったが、「速やかに性向上を行う」という条件付きで試作機の増産が命じられた。そして1941年3月に制式採用された。

制式採用されたのが1941年(皇紀2601年)なので、本来の命名慣習であれば一式重爆撃機と命名されるはずだったが、前年がめでたい年だった事もあって百式に改められた。呑龍の名は文字通り「む」という意味……ではなく、江戸時代浄土宗の僧から取られている。製造を担当した工場がある群馬県太田市には、彼をった大院があった。

富士山背景に飛行する百式重爆の写真は、臣民向けのPRに使用。皇紀2600年の慶祝気分を引き立てた。

戦争中の活躍

量産された百式重爆はまず支那事変に投入され、爆撃を担当した。しかし、いざ運用してみると旧式の九七式重爆と大差ない性だと判明。またハ-41エンジンは信頼性が乏しく、しょっちゅう故障していた事から九七式重爆の方が好まれるという本末転倒の事態に陥った。エンジンを小化しすぎた弊により、要通りの出力すら出なかったと言われている。

1941年12月8日大東亜戦争が勃発し、東南アジア方面に戦端が開かれたが、長時間の飛行を強いられる同戦線では使い所がく、対ソ戦を見越して満州に配備された。のちに性改善のための改修が行われ、エンジンをハ-109に換装した二が登場。性が向上し、泣き所の故障も減少したが、相変わらずエンジンの信頼性が低く、九七式重爆からを奪う事は出来なかった。百式重爆が後方の中国北東部に配備されていて、実戦に参加出来なかった事も足を引っっている。それでも、二力機となって量産された。

1943年6月20日ティモールを発進した百式重爆18機が一式戦の護衛を受けてポートダーウィン襲。これが太平洋方面での初陣だった。スピットファイア46機の猛攻を受け、2機が撃墜。残りの16機は敵機を振り切って帰還したが、被弾多数で棄された機も多く、一式戦が付いていながら大損をこうむってしまった。結局ポートダーウィンへの襲は1回だけに留まった。悲しい事に百式重爆の防御力不足が露わになった戦闘だった。同じく重武装だったB-29ですら護衛戦闘機が付くまで相当数が撃墜されていた所を見るに、「戦闘機不要の爆撃機」の機体コンセプト根本的に間違っていたと言えるだろう。以降、表舞台から姿を消し、後方地域で細々と運用される程度になった。太平洋方面での戦局が悪化してくると、満州に配備されていた百式重爆は逐次最前線に送られていったが、消耗はしかった。最終的には重武装をした10機程度がフィリピン方面への特攻に用いられた。

終戦までに832機(うち二が601機)が量産されたが、九七式重爆2000機以上とべると需要のさがえる。後継機として四式重爆撃機が生産された。

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