誤嚥性肺炎 単語

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医学記事 ニコニコ大百科:医学記事
※ご自身の健康問題に関しては、専門の医療機関に相談してください。

誤嚥性肺炎ごえんせいはいえんとは、食べ物などが気管に入ることに起因する炎である。

概要

誤嚥性肺炎は、食べ物唾液などが誤って気管に入り、咳をして排出することができずに炎症を起こしてしまった状態である。食べ物が気に入らないよう喉頭蓋が気に蓋をする嚥下反射や、気にものが入った際に咳をして吐き出す咳反射がうまく機しないことによる。摂食や飲の際の誤嚥だけでなく、睡眠時に意識的に唾液誤嚥するケース(不顕性誤嚥)や、の内容物が逆流して入るケース(メンデルソン症候群)もある。

炎は、2016年日本人死因順位第3位の疾患であったが、その1/4以上が誤嚥性肺炎である。2017年から炎とは別に集計されるようになったが、それでも死因順位第7位である。患者の大部分は高齢者で、脳梗塞パーキンソン病の患者、寝たきりの患者に多い。

治療

誤嚥性肺炎の治療では、抗菌薬抗生物質)の投与が行われる。嫌気性菌の疑いが強ければスルバクタムアンピシリンなどが頻用される。長期入院患者であれば、院内炎と原因菌が同じであったり、耐性菌であったりするケースもあるため、タゾバクタム・ピペラシリンなどを用いる。なお、レボフロキシンは嫌気性菌の抗菌活性が低いため、単剤投与は避ける。

高血圧症の治療に用いられるエナラプリルなどのアンジオテンシン変換酵素阻ACE)は、副作用として咳(咳反射の進)があるが、誤嚥リスクのある患者にとってはむしろメリットとなるため、使用する場合がある。鎮静催眠薬誤嚥リスクを上げるため、不必要に投与しない。

予防

誤嚥性肺炎は、口腔内の細菌の進入が直接の原因であるため、適切な歯磨きを行い口腔内を清潔に保つことは発症予防に効果がある。食事の姿勢も大切で、少し上体を起こして食事を摂る。臨床では摂食嚥下機を評価し、必要に応じて嚥下訓練(嚥下に必要な筋肉トレーニング)を行う。

固体と液体が混ざったもの(具の多いスープなど)や、砕けて粉っぽくなるもの(ビスケットなど)は、嚥下しにくいため避ける。とろみのついたもの(ポタージュスープなど)や、喉に貼りつかないツルンとしたもの(豆腐など)のような、嚥下しやすい料理を選ぶのもよい。

食べ物誤嚥が原因であるため、一時的に絶食する場合もあるが、食事の回数や食べる量を減らすのではなく、口腔ケアやトレーニングによってリスクを下げ、きちんと栄養を摂って体の免疫を上げることが、誤嚥性肺炎だけでなくほかの疾患の治療・予防においても肝要である。

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