野々村吉安とは (ノノムラヨシヤスとは) [単語記事]

野々村吉安 / 野々村幸成（1560？～1615）とは、戦国時代の武将である。

概要

豊臣家に使える大坂七手組の番頭の一人。通称は伊予守。

丹波国桑田郡野々村の出自らしく、野々村幸政の子で野々村幸包の兄。諱は吉安と署名しているが、『諸家系図纂』の吉成→幸成、『難波戦記』の雅春といった二次史料のもののほうが一般的に流布してしまっている。

本能寺の変で討たれた父の跡を継ぎ、豊臣秀吉に黄母衣衆として仕えた。小田原攻めの際には石田三成の指揮下にいた。文禄の役の際には名護屋城で堀田正高の指揮下にいた。関ヶ原の戦いに際して戦功があったらしいが、詳細は不明。

以後、豊臣秀頼の馬廻として何かとあちこちに姿を見せ、大坂七手組と再編成された際に頭となった。同僚たちと行動を共にし続けるも、大坂夏の陣の5月7日に退却中に本丸に入れず、二の丸の橋の上で自害したようだが、異説も多い。なお、『諸家系図纂』にはこの時享年が55歳とされるが、いろいろと整合性が取れないので事実かは不明。

子息の野々村幸次はすでに亡くなっており、さらにその子の野々村幸直は幼かったため脱出させられ、土佐藩の山内家に仕えた。また別の子の野々村牛之助は松浦隆信が憐れんで育てたが、結局早世したようだ。以後その系統は松浦家に仕えた。そして、次女が仙石秀久の妻であることが極めて有名。他に子孫と称する野々村茂三が肥後細川家に仕えている。弟に野々村迅成、野々村幸包がおり、迅成の系統が山内の姓を与えられて土佐藩に続いていった。