高橋鑑種とは (タカハシアキタネとは) [単語記事]

「高橋鑑種」（たかはし・あきたね 1529？～ 1579）とは、九州の戦国武将である。

概要

大友家重臣の立場にあったが、毛利家に通じて謀反を起こし両家の全面対決のきっかけを作った人物。反乱の方は雷神・立花道雪にボコボコにされて鎮圧され、高橋の名跡は高橋紹運にもっていかれることになってしまった。

人物

大友氏の一族・一萬田氏の出身。一萬田親泰の子に生まれ、初めは一萬田親宗と名乗っていたが、筑後の高橋村を本貫とする大蔵党高橋氏の養子となって高橋家を継いだ。

はじめは大友家に仕えるが、大内義隆が陶晴賢に討たれる『大寧寺の変』が発生し、大内義長（大友宗麟の弟）が大内家当主に擁立されると、義長に従って大内家臣になる。ただ評定衆ではなく、奉行にとめおかれた。

数年後、毛利元就によって大内義長は自刃して果てるが、高橋鑑種はたまたま豊後に使者として出向いていた為に危機を回避している。大内滅亡後は再び大友家に仕えることになった。大友家重臣・小原鑑元が反乱を起こした際は、その居城に火を放って勝利の立役者となる。伊予の西園寺家との戦いでは、西園寺家の名将・土居清宗を討ち取った。更には元就の調略によって反乱を起こした秋月文種を討ち取る戦功を挙げる。これら数々の功績から、筑前の岩屋城・寶満城の城督に就任し、筑前における大友家の軍事・行政面を統括した。

しかし1562年ごろ、高橋鑑種もまた毛利元就の調略に応じて密かに大友家から寝返ってしまう。すぐに軍事行動には移らず、秋月・筑紫・宗像 etc...といった筑前諸豪族を味方に誘い込んで、蜂起の機会をうかがっていた。肥前の龍造寺隆信の勧誘にも成功している。

1567年、遂に鑑種の裏切りは大友宗麟にバレてしまい、戸次鑑連（のちの立花道雪）を総大将とした討伐軍が筑前へと乗り込んできた。対する鑑種たち筑前勢も事前の準備通りに次々と反旗を翻し、同じく大友重臣である立花山城の立花鑑載も謀反を起こした。
立花山城の戦いでは、危機に陥った立花鑑載を助けるために敵中を突破するなど奮戦した。だが相手は大友家の雷神である。豊後の主だった武将が討伐軍に参加していたこともあって、立花鑑載は討死し、後ろ盾の毛利軍も撤退。敗れた鑑種は宗麟に降伏した。命は安堵されたものの、所領と高橋家の当主の座を奪われ、高橋家は吉弘鎮種が引き継いで高橋鎮種→高橋紹運となり、岩屋城・寶満城も彼が継いだ。