SCP-3000-EXとは、シェアード・ワールド『SCP Foundation』に登場するオブジェクト(SCiP)である。
項目名は『Modified Hospital Beds (改造された医療用ベッド)』。
SCP-3000-EXは、当初精神影響を齎すと思われていた、4台の病院様ベッドとその他物品群。具体的には、
である。見るもおぞましいリストだが、これを発見したのはテキサス州のタラント郡警察の通信傍受における、トリガーフレーズの頻出より。「殺人」「儀式」「子供」「肉」「舌を這わせるような話し方」「カルト的」が含まれたことで、サイト-73のエージェントがテキサス州アーリントン郊外のカール・フレイザーさんの自宅に急行し、上記のオブジェクトを回収したのである。
遺体はステーキナイフで切られたものと見られ、いずれも少年の右手に握られている。そしてさらなる調査で少なく見積もっても10人の身元不明者の身体部位を封入した穴がガレージ下部に彫られていることも明らかになった。動物の血液の使用・見たところ自傷となる傷痕から、これはSCP-3000-EXが強制力をもたらしたと見るのが自然であり、財団は逮捕されているカール・フレイザーさんを拘留下におき、地元警察には記憶処理を施した。
しかし……結論から言えば、カール・フレイザーさんはいわゆる超常組織の類とは無縁であり、個としてもそういったアノマリーやパラテックを知らない人であった。カール・フレイザーさんは単にサイコパスな猟奇殺人鬼であり、魔法のひとつさえ信じていなかった。彼は、ただ少年を美しい状態にキープした状態で置いておきたかった。最初の少年こそビールで酔っ払っていた間に殺害してしまったが、その後は殺さないようにしたかった。しかしどうやって美を損なわないようにすれば良いんだろうと考え、ひねり出した結論が「彼ら自身の肉を食べさせればいいんじゃないか」というものであった。動物の血液も意図したものではなく、彼ら自身の腹の上で、冷凍庫で凍らせたステーキをおき、食べてもいいとことわったうえでステーキナイフを握らせた。当然滑って自分自身を切りつけてしまうわけだが、冷凍ステーキの冷たさで感覚が麻痺しているから気付かないという寸法だ。で、結果的に少年たちは死んだ。
さまざまなポリグラフ検査(嘘発見器)でも嘘をついてないことは明らかであり、ただの殺人鬼が殺人をしただけと結論付けた財団は彼を再び警察に返した。同時に、異常がなかったとして、Explainedクラスに再割当てを行った。これで一件落着……とはならない。諸兄は憶えているだろうか。そう、カール・フレイザーさんを財団に連れてくる時、警察に記憶処理を施したことを。"アーリントンの人食い"カール・フレイザーさんの裁判で、カール・フレイザーさんを逮捕した巡査は弁護士から反対尋問を受けた。逮捕当時の状況、そして証拠品の押収に至るまでの空白期間について問われた巡査は回答することができなかった。記憶処理されてしまっていたからである。そして、証拠品に何らかの改竄があった可能性を否定できないとして、カール・フレイザーさんは無罪放免になってしまった。世間を騒がせた人食いは、何の罪に問われることもなく世に舞い戻ってしまったのである。
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最終更新:2024/06/01(土) 19:00
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